入笠牧場その日その時

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       ’16年「春」 (33)

2016年04月06日 | 牧場その日その時


 最近、タイトルは忘れてしまったが、 K2の初登頂を映画化したイタリア映画を観た。大御所カシンが出てきたし、24歳のボナティはサミターにはなれなかったものの登頂には貢献した(ただしこの件では裁判沙汰になったとも)。少し前に「神々の山嶺」を観たことは、以前にちょっとだけ書いた。この映画は、完全な創作だが、両者に共通するのは、実際には考えられないような場面が次々と出てきたことである。
 当然、両作品とも技術指導をする者がいたはずだが、監督の思い描く「山」や「登攀」のイメージというものが強くあったのだろう、そのために所々で首をかしげたくなる場面を見せられ、その方に気がそがれてしまった時もあった。
 高所における登攀は大変な苦労や危険を伴うだろうから、そのためにクライマーは当然、できる限りの安全策を採るはずだ。それは、監督の意図するイメージとかけ離れてしまうかも分からないが、そういった装備や技術を無視してしまうと、安っぽいとまでは言わないが、真実味の薄れた映画になってしまうという気がする。
 K2に関して言えば、撮影地がアルプスであったりニゥージーランドだったせいだろう、高所の感じがあまりしなかった。その点、「神々の山嶺」はヒマラヤの現地撮影が行われて、スケールに富んだ迫力のある場面も次々と現れた。
 映画は、マロリーがエベレストの初登頂を果たしていたか否かに関心を持つカメラマンを主役とし、準主役の登山家には、グランドジョラスで墜死した故森田勝氏の人物像や実績の相当部分を借りてきて着せ、負わせ、そこに井上靖の「氷壁」を思い出させる役柄の若い女性を登場させた。さらにその上、エベレストの南壁を単独・無酸素で攀るという、これらの道具立ては盛り沢山かつすごいが、山岳映画を期待して観た人たちはどう思っただったろうか。
 なお、以上は映画を観た感想で、原作は読んでない。

 今日の写真は、本日陣馬形へ行く途中、中川村の大草城址公園で撮影。背景は中央アルプスです。陣馬形については、明日のブログをご覧ください。 
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