
きょうはやはり雨。入笠山の開山祭はそのため、ゴンドラの山頂駅で行われることになったらしい。昨日、市の職員がここに立ち寄って、その時に聞いた話だ。
カンカラ拾い、会場の設営、準備のため関係者にとってはいろいろとご苦労があっただろうに、こんな天気ではどれほどの人が集まることか。
かつてはマイクロバスを仕立てて来たこともあった農協からは、今年は東部支所の所長が来るだけだという。
この雨で、牧場の花(山桜)の季節も終わる。花の命は約1週間、昨日、小入笠の頭に延びる電気牧柵の撤去作業の際にその見納めをしておいた。
あそこには山桜の古木があって、年々花の数は減っていくものの、今年も枯れ枝の中に混ざってひとむらの花を咲かせていた。
いや、つい来年も見られるような気がしていたが、あれが最後、本当の見納めになるかも知れない。そうなれば、老いた木が苦労して花を咲かせてもそれを愛でる人がいなくなる。
古人の愛した花、山桜が牧場には優に100本以上はある。その中で、最も思い入れを込めて眺めた木がもう1本別な場所にあり、その花はもう散った。
と、こんなふうに言ったら、その後に次から次と浮かんでくる他の桜の木があって、それらの健気とも思える努力に対し差別は無用、しては済まなくなってくる。言い方を変えよう、その2本の木にまつわるある思い出の深さだとしておこう。
今、思い付いて雨の中を、1本の山桜の大木を撮りに行ってきた。最も太い木で「横綱」と呼んでいる。2,3年前に映画の撮影に使われ、その時花は満開だったが、今は散っていた。
この木は見るからに大木で、樹齢はかなりのはずとだ思うも、老木という雰囲気はない。放っておいても時来れば勝手に花を咲かせ、そして知らぬ間に散らせてしまう。あまり大き過ぎるのか他の山桜のような感情を沸かせてもらえず、むしろソメイヨシノと重なる。
花が散れば、ほどなくしてヤマナシの花が咲く。そしてコナシへと続く。都会ではすでに「夏日」という言葉が聞かれ、九州地方は梅雨入りしたらしい。どのような夏が来るのか分からないまま、またあやまたずその季節が来る。そろそろ題名を「夏」に変えよう。
雨音が一段と激しくなってきた。
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本日はこの辺で。明日は沈黙します。