予定した通り昨日、チェーンソーを担いで高座岩へ行ったら、すでに登山者が2名いた。赤坂口から登ってきたようで、その後テイ沢、入笠山頂へ行くという地元の登山者だった。
伐り残してあった実生木を始末し、少し片付けをしていたら、また北原新道を登ってくる人がいた。平日に今度は4人も、それにそのうちの2名はヘルメットを被っていて、県から委嘱された調査員だと言う。てっきり鹿対策のことかと思ったら、2年前に大崩落した「栗立川」の上部の調査だと話してくれた。
この崩落で、流れ込んだ山室川の水が石灰質の水で濁り、近隣の水田に相当の被害を及ぼしたことはよく覚えている。現在は半対川から導水していて状況は取り敢えず一段落しているが、何度か現場を見ておきたいと思い出掛けてはみたものの行き当たることができず、ずっと気になっていた。
是非一緒に行きたいと言うと、快く承知してくれた。
それまでにも、ある人は高座岩から5,6分の場所だと言い、また別の人はもっと先だと言ったりして、その度に無駄骨を折っていた。実際の崩落地は高座岩から30分以上も防火帯にできた山径を進み、深いクマササの茂る山の中だった。
現場はきょうの写真のように、聞いていたほどの急な斜面に起きた崩落ではなかった。ただ、調査員の中にいた森林工学を専門にする人の話では、地滑りというのは傾斜よりか土質だと説明してくれた。
崩落した現場には、石灰質と思われる地層が剥き出しになっていて、あの土を含んだ水を水田に入れると土が固形化してしまう。その結果、稲作に深刻な被害を及ぼすとは大分前に耳にした話であった。
いよいよ県で難しい工事が決まり、まずはその調査となったようだ。
調査の邪魔をしてはいけないと思い、長居をせずに別れることにした。牧場の小屋に軽トラがあれば中にいるから、立ち寄ってくれれば茶ぐらい出すからと言い残し、クマササの茂る場所を避けようと帰りは尾根を選んだ。その途中で思いがけもしなかったこの岩と遭遇した。
この奇妙な姿をした岩、どこかの美術館に陳列したら立派な芸術作品として扱われるだろう。名前を忘れてしまったが、以前に北原のお師匠から聞いていた「ナントカの岩」に間違いなく、それからかなりの時を置いて、こんなふうにして出会うことができるとは思いもよらなかった。
幾日か前から師が執心した法華道の草刈り、そして一昨日は関係者と高座岩周辺の整備をした。昨日はその続きをしていたらこんなふうにして、予定もしていなかった場所へ行くことができ、さらには記憶の端にあった岩とまで対面することができた。偶然とはいえ、お師匠との結び付きを感じてしまった。
きょうからこの呟きの題名を「冬」に。こんなにもいい天気、誰も出掛けて来る人はいないのか。
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