入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

   ’18年「初夏」 (26)

2018年06月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 権兵衛山の山腹で霧が騒いでいる。最低雲高が大分降りてきた。今にも降り出しそうだ。

 幸い、午前中は何とかもった。天気はどうも伊那側の方がましなようで、第1牧区からは曇り空の下、守屋山やもっと遠くの経ヶ岳や中央アルプスの一部も見えていた。雨になれば、先日の土方仕事で泥んこになった雨具をついでに洗い流せばいいと思っていたが、そうはいかなかった。まあ、嫌でもそんな機会はすぐにも来る。
 牧柵は起伏する広い草地と、落葉松の森の境界上にある。その補修というのは、多くは鹿のやってくれたことだが、断線した有刺鉄線を直す単純な作業で、しかし嫌いではない。
 以前の修理箇所を目にすれば、あれこれのことが思い出され、クリンソウの花が咲いている湿地や、快い沢音のする森の中では、少し休んでいけと誘惑されたような気持になる。どこを歩いても12年の馴染とでもいおうか親しさが湧き、さらにその上、周囲の森や草原の雰囲気をもっと深めてくれようと、霧が絶妙な演出を見せてくれた。

 午後になって少しパラついた雨も、雨具の汚れを落としてくれるほどの降り方ではなかった。きょう作業していた御所平、さらに「舞台」と呼んでいる西側最奥の放牧地は、牛ばかりかクマもお気に入りの場所のようで、鹿の調査用に設置したカメラにその姿が写っていたことがあった。あそこまで人が行くことはないから、動物たちは安心していられるのだろう。雨の中を、アナグマが1匹ひょんきんな格好をして走り去っていった。
 実を言えば、動物ばかりか人間1名も、結構楽しみにして行く場所で、その昔、この辺りに潜伏していたと伝えられる北条高時の遺児、時行のことなども、たまのついでに思い浮かべたりする。

 昨日はつい勢いが付き過ぎ絶叫してしまったが、末広さんLから「そうだ、そうだ」と賛意を示す通信を頂戴し、大変に気を良くさせてもらいました。ありがとうございました。

 FAXでも予約や問い合わせに対応できるようになりました。ご利用ください。 入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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