入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「冬ごもり」 (2)

2017年01月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 晴天の正月もいい、曇天雪催いの空もまたいい。

 ひところ、「地方創生」が声高に言われたが、その後どうしたかこのごろあまり聞かない。ところで、伊那市は都会の人々には人気があるようで、「ふるさと納税」では長野県々内ダントツの1番、「子育てにぴったりな田舎部門」では全国1位、「住みたい田舎」でも甲信エリアでこれまた1位だとのこと。東京23区よりも広い盆地に、6万9000人の人が住んでいる。まあ、山間部の占める割合も高いが、これだけでも余裕のある田舎暮らしが想像できるだろう。行政も、伊那市への移住希望者に対してはいろいろな施策を行っているようだ。

 唐突だが、金銭的なことを言えば、ネクタイを締めてる勤労者に、就農者の大半は勝てないと思う。働く上での肉体的な負担はネクタイ派を遥かに上回るはずでも、特に高学歴、一流企業で働く者、あるいは高級官僚にはいくら頑張っても、とても追いつかない。
 最近、100時間を超える残業が、将来ある若い人を自殺に追いやったかのように報じているが、農業従事者の労働時間はそんなものではない。それに、この事件の主因は拘束されている間の仕事の内容だったと思うが、それは措く。
 ネクタイ派と就農派の話だが、それでも農業に魅力や、やりがいを感じている人々の多くは自営農者で、彼らも、大小あるが、また経営者でもあるからだ。自分で努力し、工夫し、改良を重ね収益を増やす。借金も投資も自己責任だが、他人から命令されたり、拘束されたりということがない。しかも植えて、育て、収穫するという、人の歴史の中で培ってきた根源的ともいえる喜びがあるだろう。
 農業に生きることにはその向き不向き、あえて言えば能力が要る。誰でもできることとは違う。同様に、田舎で安い給料に甘んじて暮らすことも、能力がなければできない。その能力とは農業を、田舎を好きになれることである。
 
 金持ちが増えて、「セカンドハウス」などという言葉が流行り、別荘開発が盛んな時代があった。いま、そういう場所がどうなっているか。維持できずに放置され、夢の終焉した残骸が荒れるままに残っている。こうした家の持ち主は、気の毒だが別荘を持つには不向きで、住む能力のなかった人たちであろう。

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コメント
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