中ア「経ヶ岳」
昨夜の雨は雪にならなかったようだ。今日は例の柿の木にはまだ、一羽の鳥も来ていない。子供のころからギャーギャーと呼んでいた鳥だが、正しい鳥の名前は今も知らない。柿の実は一つ残らずとっくに落ちてしまったが、たくさんのヘタが残っていて、そこにわずかながら柿の実の一部が付着している。それを目当てにギャーギャーは来るらしい。理由は忘れたがギャーギャーは嫌われものだった。一度退治してやろうと空気銃を撃ったら、ブスッという不気味な音がして命中したにもかかわらず、鳥はそのまま飛び去った。
また「昨夜」で始めるが、おかしな夢をみた。入笠牧場へやってきたお客の夢だ。夢の中の入笠牧場のキャンプ場は実際よりももっと鄙びていて、まるで時代劇にでも出てくるような小屋が建ち、あたりの雰囲気は山奥のまさしく野良とでも言うにふさわしい原野だった。
そこへ、二つの団体がやってきたのだ。一つは引率者を含めて20名ほどの幼稚園児の団体、もう一つはやはり20名ばかりのこちらは小学生たちだった。両団体とも日帰りだということで、さて料金をどうしたらよいかと夢の中でも管理人は大いに悩んだ。で、幼稚園さまにはお一人200円、小学生さまにはお一人300円を請求させていただいた。すると、両団体の引率者の女の先生方から猛然と反発が起きた。有料は「ケシカラン」というのである。「イヤ、みなさまは広い場所を一日占有し、トイレや水道も使ったし」などなど防戦に大わらわのうちに目が覚めた。イヤー夢の中の若い元気な先生たちの顔、顔、顔、「参りました」。
今日のコメントに「事後報告」というタイトルで、あのFJ/59さんが3,4日の間入笠界隈に出没し、釜無山まではいいとして、小入笠や貴婦人を襲い、大沢山にまで侵入したと言ってきた。女の身で単身「よくやった」と讃えてやりたい気持もなくはないが、トンデモナイ話だ。そういう勝手なことを許せば、どういうことになるかという想像力はないのだろうか。いまでもたくさんの人たち(だけでないから困る)が、牧場内への侵入を虎視眈々と狙っている。放置すれば、早晩冬季は「スノートレッキング」とやらのコースにどこもかしこもされてしまうのは明白だ。牧場を運営するJA上伊那にとっても、地権者である伊那市にとっても、なんのメリットにもならない。それに、防疫についてはたとえ冬季であっても、深刻な問題を生む可能性があるのだ。
現在農業は、就中畜産業は、難しい問題をたくさん抱えている。当牧場も今後の方針について存続か否かについて揺れているのが現状だ。将来、一般の人たちが一定の範囲内に、自由に立ち入ることができる可能性がないとは思わない。その際には是非とも、これまで以上に伊那市のためにもなる入笠にすべく、みんなで知恵を絞ってほしい。
現在は許可なく、勝手に牧場内に立ち入ることはできないので、厳守していただきたい。
つがい鳥だろうか、いつの間にかまた今日も冬枯れの柿の枝に例の鳥が二羽やって来て、寒々しい風景にいささかのうるおいを感じさせてくれている。