灰色の冬空に雪が舞っている。実を落としつくした柿の枝が、風に吹かれて揺れている。西の山(中央アルプス)は今日も、激しく吹雪いているようだ。炬燵にあたり窓の外に目をやっていると、時折青空が顔を覗かすことがあっても、極端に薄れた青のせいか、却って寒々とした印象が空に拡がる。こういう外の様子を眺めているとまた、「通る人の思い絶えた」雪の法華道が、しきりと呼んでいるような気にさせられる。珍しく、風邪をひいたというのに。
昨日は、はっきりとしない入笠の客がやはりキャンセルしてきたので、方向を変えて奥蓼科に行ってみた。天気は抜群によかったが、すでに風邪の予兆を感じていたのか風呂に入る気にもならず、よくもまぁこれだけ積もったものだという雪の森や、雪山の眺めを楽しんできた。
南は甲斐駒、その奥に中アの駒ヶ岳、噴煙の見えない御嶽山に乗鞍、そして北アの穂高や常念が、澄み切った青空にさぁどうだと言わんばかりに見えていた。
思いがけず昨日はまた、2月中旬の山行の下見ということで、その途中、幹事役のIさんから電話があった。天気は上々だから是非、小屋まで足を伸ばすようにようにと勧めておいたがサテどうだったろうか。現在はかなり踏み跡がしっかりしてきたから、まず問題はなかっただろう。総勢15名ということだが、そのうち5名は幕営を予定しているという。冬の入笠牧場の山小屋営業に関しては、このブログを見て知ってくれたのだったら有難い。そういう人たちが少しづつでも増えてくれたら入笠も変わるだろうし、このアダシゴトを綴る甲斐もある」。
そしてその翌週は、弥勒山の会がやってくる。この人たちは、実験的に冬の営業を始めた平成24年から、毎年来てくれている。いつも2泊3日の予定で、ヒルデエーラ(大阿原)やテイ沢を歩く。かなりの年配者も混ざっているが、みんな山が好きで、酒が好きで、歌が好きときている。男女ともども古い山小屋によく似合う・・・って、勿論褒めているつもりだが。
Ume氏も厳冬期の入笠の写真を撮ろうとしているようだし、3月、光の明度が高くなるころには、あの人たちもやってくるだろう。それまでに、地元山岳会のメンバーにも、是非冬の法華道を登ってほしいものだ。どう、DAさん?
山小屋「農協ハウス」の冬季営業に関しましては、昨年の11月17日のブログをご覧ください。