入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

        牧人の休日 (1)

2015年01月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

     南アルプス「仙丈岳」

 富士山は秀麗で美しい。標高からいっても群を抜き、「日本一の山」であることに異論はない。天気の良い日には仕事中、大沢山のJAXAの観測所の近くから、入笠山の左手にその姿がよく見える。一度北原のお師匠を案内したら、「なんでここから眺める富士山はこんなに大きく見えるんだろう」と、感心していた。もっともこの感想は、師だけのものかも知れない。
 しかし好みからすれば、今日の写真のようなこの仙丈岳の山容の方が男らしく、堂々としていて好きだ。小さい頃からから眺め、大きくなった。その好きな仙丈だが、実は3,4回ほどしか登ってない。一方富士山なら、夏以外の時期を選んで10回以上は登っている。
 富士山は上に出てみると、意外にいい山だ。初めて一人で登ったときは、山頂の大きな火口の、それまで目にしたこともない雪と氷の荒涼とした眺めに驚き、感動した。それと、大きな青い空の色は、この山でしか見れない高所の澄んだ、美しいブルーだった。飛行機から眺めた空の色を思い出させた。また、「日本一の山」だから、登ってみたい人は多い。人のお役に立ったことなどなかったから、せめてもと、案内を引き受けたことも回数を増やした理由だろう。
 見るだけなら富士山よりも好きな仙丈に、なぜそれほど登ってみようと思わなかったかといえば、取り組んでいた山登りの対象に、この山は入らなかったからだ。仙丈へ行くくらいなら、北岳を選んだ。いまでは「南アルプス・スーパー林道」があって、アクセスもよくなったと聞くが、それも利用したことはない。
 もう一つ、仙丈は富士山以上に遠くから眺める山だという気持ちが強いのは、初めて登った十代のころ、この山からに受けた印象が良くなかったせいでもある。長年遠くから目にしてきた仙丈の見事な山容と比べ、その頂上には落胆した。確か岩ではなく、土の山頂だったという記憶がある。またそんな高所に、ハエが飛んでいたことも妙に忘れない。
 後年千塩尾根から来て、大仙丈の頂に立ったことがあった。そのとき、その人気のない岩の山頂に、小さい頃から眺めてきた堂々たる仙丈岳のイメージが重なった。少し仙丈に抱いていた印象が変わった。しかしだからといって今さら、もう二度と登ることはないだろうから、この山は眺めてさえいればいいとう気持が、変わることはないだろう。
 
 昨年の大晦日、G-ちゃんに付き合って戸台方面に猟にいった。すると、登山口のある川原の駐車場には、いろいろな地域からの車が多数停まっていた。越年登山の登山者の車だろう。「仙丈は眺める山だ」などと勝手に決めつけてはいても、いまだ仙丈や甲斐駒は人気の高い冬山であることが分かった。地元民としてはやはり嬉しかった。

 山小屋「農協ハウス」の冬季営業に関しましては、昨年の11月17日のブログなどをご覧ください。
 歩中さん、痛み入ります。14,15日行ってますので、良かったら顔を出してください。
 本日からのタイトル、「牧人」などと自称する者ではないと知りつつ、ご愛嬌です。

コメント
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