胡麻菜

2009年10月22日 | その他植物





9月写真。

ゴマナ(胡麻菜)。

本州の山地のやや湿った林縁や草原などに自生する、キク科の多年草。
8~10月ごろ、茎の先に小さな白花をたくさん咲かせる。

ノコンギクユウガギクと同じく野菊のたぐいではあるが、草丈は1~1.5メートルと大型、花のつき方などの印象もノコンギク系の野菊とは異なる。
また林道脇の樹下など、ノコンギクなどに比べて暗めの場所に自生していることが多い。



問題はシロヨメナ(白嫁菜)との区別で、主な相違点は、
・シロヨメナの葉は3本の脈が目立ち、縁の鋸歯が粗く、ゴマナの葉の鋸歯は目立たない。
・ゴマナの花はシロヨメナに比べて総苞が短めで、総苞片が少ない。
とのことだが、いずれも決め手に欠け、同定に自信はない。
暖地では加えてイナカギク(田舎菊)との区別にも、頭を悩ませることになる。

若芽は食用となる。

「胡麻菜」は、葉が胡麻に似ていることから。
若葉を揉むと胡麻の香りがするともいうが、少なくとも開花時の葉では確認できず。


 キク科 アスター(シオン)属
属名のAsterは、ギリシア語で星の意味で花の形から。


10/21虫

2009年10月21日 | 虫写真
9月写真。

勝手に上がりこんでおきながら偉そうにサボのトゲを見定める、不法侵入の常習犯・クサギカメムシ。
今年は虫界でサボブームが到来していたものか、クサギカメムシまでもが、にわかサボ評論家に変身です。


10月写真。
こちらは自ら茨の筵に身を投げる漢、ホソヘリカメムシ。
見境なしに屁をこいてしまうカメムシの原罪を贖う、カメムシ界の救世主たらんとしてのことでしょうか。
風見鶏のクサギカメムシなどとは、志が違います。


10/21花

2009年10月21日 | その他

ぼちぼち咲き始めた、コノフィツムな皆様。


ファウカリアsp。


リトープス。
花弁が細くなってべたっと広がってるのは、開花末期。


風鈴玉、満開状態。
今では半分咲き終わり。


巨鳳玉、分かりにくいが4輪同時開花。
今咲いてるのは3輪くらい。


花牡丹。
咲き進むにつれて、ピンク色が濃くなってくる。
今ではとっくに萎んでいる。
そればっかりだが、10日分をまとめて出してるので仕方ない。


柚香菊

2009年10月20日 | その他植物



9月下旬写真。

ユウガギク(柚香菊)。

本州の近畿地方以北の山野に自生する、キク科の多年草。
いわゆる「野菊」のひとつ。
草丈は40~150センチと幅が広く、葉は深く切れ込む場合が多い。

8~10月ごろに白い花を咲かせるが、かすかに青紫がかることもある。
その場合、他の野菊との区別がやっかいになるが、葉が深く切れ込む野菊は、このユウガギクだけらしい。
ただ変異が多く、ほとんどノコンギクと変わらないように見える個体もあり。



ノコンギクとの最大の相違は、痩果の冠毛の長さ。
ユウガギクの実の毛は非常に短く、実を見ればあきらかに別種と分かる。
やはり実に綿毛をもたない野菊には、東日本ならカントウヨメナ(関東嫁菜)があるが、カントウヨメナの花はたいてい青紫がかり、また当地では少ないらしいので除外。

若芽はノコンギクと同様、食用。

「柚香菊」は、葉をもむと柚子(ゆず)の香りがするからということらしいが、実際のところ香りはほとんどしない。



 キク科 アスター(シオン)属
旧属はカリメリス(ヨメナ)属。
属名のAsterは、ギリシア語で星の意味で花の形から。
Kalimerisは、ギリシア語のkalos(美しい)とmero(部分)が由来で、花弁の美しさから。


10/19虫

2009年10月19日 | 虫写真
9月写真。

緑と赤のコントラストが美しい、カメムシ界の女王、ツノアオカメムシ。
下々の虫撮り人などには目もくれず、お散歩中。
不肖この私も、以前虫記事へのご意見を賜ったさいになぜか「お金持ち」と罵られた、「他称お金持ち」ではありますが、女王様からすれば塵芥も同然の称号です。


女王様のお口。
どうやら、ぶすっと突き刺す鞘と、汁を吸いだす管は別になっているもよう。
上流階級のたしなみというやつでしょう。


野紺菊

2009年10月18日 | その他植物





9月中旬写真。

ノコンギク(野紺菊)。
別名・ノギク(野菊)。

本州・四国・九州の山野に普通に見られる、キク科の多年草。
野菊の代名詞的な存在で、8~11月に、淡い青紫色の花を咲かせる。

ノコンギクの園芸品種で、濃青紫の花を咲かせるものは、コンギク(紺菊)という。


いわゆる「野菊」の類の区別は非常に困難だが、ノコンギクは、花後の痩果(種子をかたくて薄い果皮が覆いそれ自体が種に見える実。タンポポなど)に長い冠毛(綿毛)が生えていることで判別できる。
この綿毛は、開花中でも筒状花をかき分ければ確認できるので、ノコンギクかそうでないかだけは、簡単に分かる。
他の特徴としては、
・葉の縁には荒い鋸歯があり、葉を触るとざらざらしている。
・総苞の鱗片が反り気味。
ただノコンギクは変異が多いらしく、実の綿毛で判断するのが確実。

若芽は食用とし、香りがあって美味らしい。
他の野菊も同様に山菜として食べるらしいので、厳密に区別する必要はなし。

「野紺菊」は、野に咲く紺色の菊。


 キク科 アスター(シオン)属
属名のAsterは、ギリシア語で星の意味で花の形から。



これのみ10月上旬写真。


10/17虫

2009年10月17日 | 虫写真
新着写真。

見事に十字形を描く、トリバガの一種。
足にはご丁寧にトゲまで生えていて、欧米人なら嬉々として「キリストの受難」とかなんとか名づけそうです。


こんな素晴らしい造形ですが、残念なことに小さすぎて人目に留まることはありません。
花が花弁の脱落したノコンギクであるということからも、その小ささが推し測れようというもの。


鵯上戸

2009年10月16日 | その他植物





8月下旬写真。

ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)。

林の縁などに自生する、ナス科のつる性多年草。
茎葉には柔らかな毛が生え、葉は切れ込みのないものから、写真のようなアサガオに似たものまで変形が多い。

8~9月に、黒い雄しべが目立つ白花を咲かせる。花の形状は典型的なナス科。

ワルナスビ(悪茄子)に似ているが、ヒヨドリジョウゴは柔毛が生えているかわり刺はなく、花の雄しべが黒いことで区別がつく。



10月上旬の実の写真。
この実は、ヒヨドリをはじめとする鳥たちが好んで食べるので、「鵯上戸」の名があるという。
もっとも人間にとっては毒。

漢方薬としての利用もあるらしいが、全草有毒。


 ナス科 ソラナム(ナス)属
属名のSolanumは、意味不明のラテン古名で由来は諸説あり。
一説では、強光を好むので太陽にちなんで。
あるいはsolamen(安静)が由来で、この属のある種に鎮静作用を持つものがあるから。


10/15紅葉

2009年10月15日 | その他

紅葉写真は、アップの時機をはずすとそのままHDDの肥やしになってしまうので、虫記事の予定を変更して。

紅葉といっても、本格的な山全体のそれはまだで、特に紅葉の早い街路樹や一部の樹種が先がけている状態。
上の写真も街路樹で、ルブラカエデだったと思う。




こちらもたぶんカエデの仲間で、自生のもの。


右はヌルデ、左はおそらくガマズミ。


ツタウルシのようだが、確認できず。


鵯花

2009年10月14日 | その他植物







9月写真。

ヒヨドリバナ(鵯花)。

日本全国の山野に普通に見られる、キク科の多年草。
葉は対生。3~5枚が輪生する変種は、ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)と呼ばれる。
湿地に生えるサワヒヨドリ(沢鵯)という近似種も。

夏から秋にかけて、白~淡紫の花を咲かせる。
花は筒状花だけで、ひも状の雌しべが目立つ。

秋の七草のひとつであるフジバカマ(藤袴)によく似るが、フジバカマの葉は深く三裂し(ほとんど3枚に見える)、また関東以西にしか分布していない。
近年では減少しつつあるフジバカマのほうが、意外にも帰化植物とのこと。

「鵯花」は、ヒヨドリが鳴くころに咲くということから。
あるいは、枯れた花がよく燃えることから火をおこすのに用いられ、火熾し(ひおこし)が転訛して「ヒヨドリ」になったとも。


 キク科 エウパトリウム(フジバカマ)属
属名のEupatoriumは、この属のある種を解毒に用いたとされる、古代小アジアの王ミトリダテス・エウパトール(Mithridates Eupator)の名より。