溝蕎麦

2009年10月12日 | その他植物







9月写真。

ミゾソバ(溝蕎麦)。
別名・ウシノヒタイ(牛の額)。

山野の水辺や湿った場所に広く見られる、タデ科の一年草。
茎の下部は地を這って節から根を張り、枝分かれして群生する。
茎には目立たない逆刺があり、これで他のものに引っかかりながら伸張するが、刺が弱い分、この仲間としては比較的しっかりとした茎を持つ。

7~10月に咲かせる花は萼片のみで花弁はなく、白地にさす赤みの程度は差が大きい。

仲間のママコノシリヌグイに似ているが、葉がほぼ三角形のママコノシリヌグイに対して、ミゾソバの葉はほこ形で、基部の両脇が張り出す。
この葉の形が牛の顔に見えることから、「牛の額」の別名がある。

アキノウナギツカミと一緒に生えていることもあるが、アキノウナギツカミが咲き始めるのは、ちょうどミゾソバの花が終わったころ。

若芽はあく抜きしてから食用とする。
乾燥させた茎葉は煎じると、リューマチに効能があるとされる。
また生の茎葉は止血、鎮痛の効能があるという。

「溝蕎麦」は、水気のある溝などに生え、草姿が蕎麦に似ていることから。
あるいは実が蕎麦に似ていることから。



 タデ科 ポリゴナム(タデ)属 / ペルシカリア(イヌタデ)属
属名のPolygonumは、ギリシア語のpolys(多い)とgonu(節)からなり、茎の節がふくらんでいることから。
Persicariaは、ラテン語のpersica(モモ)からで、この仲間の葉がモモのそれに似ていることから。