スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

新しい弓

2007-06-08 23:24:45 | ニッケルハルパ
今日、フランスから新しい弓が届いた。
日本でもそうだと思うけど、スウェーデンでも小包番号が分かれば配達状況がネットでみれる。

先日、弓を作ってくれたJean-Claudeに番号を教えてもらい、さっそくサーチ。
スウェーデン郵便局のトップページで入力すると...
ふむふむ、6月5日はスウェーデン南部のMalmöに到着...その後二日かかってÖrbyhusの郵便局に...へぇー面白い。

という訳で、郵便局からの通知を手に取りに行ってきた。
(家まで配達というのはしていない。ここだけか全国同じシステムかは知らない)

この弓、手にいれるまで長いこと待った。
はじめ、英語でメールを出すと無視されてしまい、フランス人の卒業生にヘルプを頼み注文できたものの
待つこと数ヶ月。どうなったのか聞きたかったけど、その卒業生とJean-Claudeはちょっとしたトラブルがあるらしく
「今は間に入りたくないのよ」と言われてしまったのだ。

自分でなんとかするしかない!
最初、フランスに留学していたクラスメートMに訳してと頼んだけど、訳してくれた文を見てふと思った。
なんで?私、読んで意味分かる。
そーだ!遠い、昔、フランス語を習ったんだった。すっかり忘れていた。
習ったことはもちろんおぼえていたけど、ドイツ語やスペイン語、ロシア語と色々やりすぎて全然あやつれず、
フランス語もそのうちの一つだと思っていた(ロシア語なんて一単語も思い出せない)。
でも、よくよく考えるとフランス語は特にまじめに長いことやったんだった。
仏検とか受けてたことすら忘れてた。
語学とは使わないと忘れるというけど、使わないと習った事実も記憶のかなたへゴーである。
いやはや、おそろしい。
それにしても「withってフランス語でなんだっけ?」と考えると、「med」とかスウェーデン語ばかり思い浮かぶ。
オンライン辞書があるではないか!と何とかかんとか、あやしいメールがかけた
すでに頭は日本語と英語と不思議なフランス語と奇怪なスウェーデン語で洗濯機のようにぐるんぐるん状態。

でも、メールを交わすうち、話が徐々に込み入ってきた。
これは...なんちゃってフランス語学習者にはキビシイ
でも、今の世の中、本当に便利。
オンライン辞書のように、自動翻訳してくれるページ(他多数アリ)を見つけたのだ。
日英⇔英日は結構あてにならないというか、笑っちゃう訳になることもあるけど、
言語構造の似た西洋言語同士は、なーんと、すらすらって感じ。
(英仏でやりました)

さて、そもそもジャン・クロード・コンディ(Jean-Claude Condi)って誰?という方へ。
何度かブログで触れたことがありますが、フランスの楽器職人。
ニッケルハルパも弓も作っています。
機械にプログラミングして削るのだとか。そのため値段も高い。
ニッケルハルパは図面だけ入手し、独自のアイデアで作ったそう。
なので評価(好み?)は分かれるところ。
ともかく弓はかなりの評判。
この学校の先生、ディッテやウロフをはじめ、私が出会ったプロやちょっと有名といった人、品質にこだわる人などなど
彼の弓を持っている人はとっても多い。
でも伝統的なスタイルではない独自のものなので、ダメ!という人もわずかにいるけど、弓は音に影響しても
音そのものではないからいいのではと、私の考え。
でも、そんな人達もコントラバスハルパやムーラハルパなど古楽器系のときは必ずオールドスタイルの弓で弾きます。

気に入っている人の言い分は大体一致している。
・弓のデザインが美しい。
・弓のバランスがよくコントロールしやすい。

デザインは写真の通り。
オールドスタイルの弓ほどカーブはしていない。
でも、私が今まで使っていたバロック弓ほど真っ直ぐでもない。
先端部分のアップを見て分かるように、ぎりぎりまで毛がきていて寸法は、同じ毛の長さの弓でも
ジャン・クロードのほうがデザイン的にトータルでいうと短くなる(←メリット)。

私の古い方の弓と弾き比べると、すぐに違いに気づく。
弓の安定感がすごくいい。
音に関しては...、毛を減らしてくれ!と言い忘れたのであまり変化無し。
私の古い弓でも多すぎる!とウロフに言われていたけど、それよりさらに多い。
帰国後、楽器屋さんに持って行きくつもり。

私は特にジャン・クロードの弓にこだわったわけではない。
最初の頃「今使っているこの弓はあまり...」と遠まわしに先生達に言われていたのだ。
楽器買ったら弓がついてきただけだし、色んな人の弓を「弾かしてー!」と借りれるこの時期に
自分で選んで弓を買おう!と決めたのだ。
でも、良いとすすめられた弓は重くごつく感じた。
(それでもクラスメート達は結構買っていた)
で、次に目がいったのが、よく見るこのフランスものだったという訳。

ニクラスの弓もかなり高くていいらしいけど(ストックホルムの弓職人)、使っている人は他に会ったことなく、
試す機会が単になかった。

ヨハン・ヘディンはアメリカ製の弓。
弾かせてもらったけど、私には長すぎてバランスがイマイチぴんとこなかった。

さて、今日、手元に届いたこの弓、一生の友となるでしょうか!?
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2 コメント

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Unknown (イビ子)
2007-06-10 21:25:17
こんにちは!

確かに全然違いますね。
形も木目も美しい…!
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 (管理人)
2007-06-11 03:22:10
こんにちは!

そうです、美しいです。

そして音の違いはあまり...と本文で書きましたが、ぜーんぜん違います。
その後しっかり弾いてみたときに、改めて驚きました。
ウロフやディッテが、「今のところ、これより高く、これより良い弓は知らない」と言われた通り。
何がこんなにも違うのか、不思議です。
この絶妙の重さとバランスは、偶然のたまものか、計算されたものなのか...
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