スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

夏至祭 - midsommar

2008-06-20 23:24:39 | 2008年夏
今日は夏至祭のイブ、midsommaraftonです。

夏至祭は、前日(イブ)にフェスティバルやパーティをする。
今までフェスティバルなどがある金曜日が当日なのだと思っていた。

夏至祭になると、都会はゴーストタウンのようにひっそりと静まりかえる。
というのも、お店は閉まるし、みんな田舎へピクニックをしに行くのだそう。
田舎に行くと、古くから続く伝統行事がみれる。
白樺の葉と花で飾ったメイポール(midsommarstång)をたて、ロングダンスを踊るのだ。
リングが二つあるこのメイポールは、fertility(繁栄、豊穣)を意味するのだそう。
このメイポールは高さがかなりあって、立ち上げるのに一苦労。
立ったときには拍手がおきる。

まず、ガムラウプサラ(Gamla Uppsla)のDisagårdenの夏至祭に、語学学校の皆と見に行った。
バスで10分ほどで到着。自転車でも行ける距離です。
写真1:ピクニック用品持参です。
写真2:メイポールの高さは6mくらい。

ガムラウプサラでは12時にフォークミュージック。12:30にポールをたてる、というプログラム。
その後はダンスなどあるのだけど、私はポールが立ったら皆とサヨナラしてウプサラ行きのバスに飛び乗った。
1週間だけの飛び入り語学研修だったので皆ともここでお別れだ。
(2週間後にまた語学学校に飛び入り聴講する予定)

2時頃、カイサが迎えに来てくれた。
メールで近々会おうという話はしていたものの、昨日のランチで偶然となりにいたことから、
夏至祭のイブはウロフ(Olov)の家に一緒に行こうと誘われたのだ。

ウロフの家はウプサラ郊外のかなり田舎にある。
果てしなく家も看板も何もない森と大草原が広がる田舎を車で20-30分とばすと着いた。

ESI(留学してたとこ)の校長ミッケ親子、ローゲル一家もきている。

スウェーデンでは典型的とうか田舎の家はこんな感じなんだけど、庭がとにかく広い。
子供達が10人くらい走り回って遠くで遊んでいるけど、奇声も叫び声も遠い。
日本だったら狭いから、この人数の子供が集まると相当うるさいと思う。

その庭の向こうは、人工物のなにもない大自然がひろがります。すばらしい眺め。

私は、久しぶりのウロフというより「先生のウロフ」のイメージが強くて実はしばし固くなっていた。
固くなっていた私は、カイサが手土産に持って来たスウェーデンいちご(ドイツやベルギー輸入が多いけど、これはスウェーデン産)を
ひたすらいちごのヘタ取り器をもって黙々と。

イチゴって日本語でなんていうの?と言われて「イチゴだけど?」と言うと、みんな大爆笑。
ノルウェー語で、「not good」という意味になるんだって。

みんなそろったところで、ウロフの家でも、小さなメイポールを作って立てた。
「白樺がなかったからライラックの葉にしたんだ」と器用に紐でくるくると葉を木に縛っていく。(写真3

さてさて、その後はゴージャスです!
ウロフのニッケルハルパ、ローゲルのバイオリン(←を弾くとは知らなかった)、校長ミッケのギターに、
カイサのバイオリンでロングダンスを皆で踊りました。(写真4
凄腕プレーヤーの演奏を伴奏に夏至祭ってちょっと贅沢だわ。
良い音楽を聞いて、わーっと踊ったら、変な緊張も解けてしまった。

雨が降ったかと思うと風が吹き始め、かと思うと穏やかな晴天にと目まぐるしく天気が変わる。
空を見上げKonstigt(変ねー)と言い、テラスでご飯の準備がはじまった。

夏至祭やクリスマスの料理は、伝統的なスモールゴースボード(Smörgåsbord)でビュッフェスタイル。
サラダ、色んな味の数種のsill(酢漬けの魚)、ヤンソンさんの誘惑(ポテトクリームグラタンのようなもの)、
ショットブッレ(肉団子)、湯でたポテト、クネッケブルード(乾パン)、パン、とたくさんの典型的な料理がキッチンのテーブルにセッティング。
私たちは食事を皿にとってテラスへ。

snapsというウォッカのようなお酒もそそがれ、Drycksångを歌う。(お酒を飲むときに歌う歌)

んー、gott, gott!(オイシー)

そうだ、あれを聞いておこうと、気になっていたことを聞いてみた。
先週のオステルビブルックのステンマ(演奏のお祭り)の規模小さかったこと、
日本でニッケルハルパの人気にかげりがあるかも?と一部ささやかれていることをどう思うか聞いてみたのだ。

すると、やはり人気は衰えるどころか若い世代でさらに人気がでているのだという。
ただ時代は変わるもの。
オステルビブルックで30年近くステンマを毎年開催した人達は老いてしまった。
若い人は弾きに来るだけで、主催の交代などこの間、新しい人は全く関与していないらしい。

そしてマグヌスやエリック、ダニエルなど、ヴェステルボッテン出身のプレーヤーが増えたように、
ますますニッケルハルパ=ウップランドという図式が消えつつあるのだと。
若い世代の中で、オステルビブルックやウップランドがニッケルハルパのメッカだと重要視する人が少なくなってきている、と。

悲しい気もするし、フォークは活きているから時代が変わっていくことは自然にも思える、複雑な感じだ。
特に70年代、エリック・サルストレムと共に立ち上がった人々、その当時若きウロフやカイサたちの世代が
一番複雑な心境かもしれない。

さて、食事が一通り落ち着くと曲をいくつか弾きはじめた。
私がケースから楽器を取り出すと、「Esbjornの楽器だ」「弓はジャン・クロードだ」。
さすが、皆さん、チラっと見ただけでわかるなんて、この世界のリーダーだものね。
ビスカレの曲など、ウップランド・チューンを数曲弾いて、すっごく気持ちいい!
校長ミッケのギターがまたウマイ!
コードをつけるのが上手いからさらに盛り上ってくる。

さてさて、帰る直前に私が新しく買ったポータブル録音機器をみせた。
OlympusのLS10。カイサとローゲルは「こんなのあるの?欲しい!
ウロフは「雑誌で読んでこれ知っているよ」さすが。
PCMとmp3とWMA形式で録音でき、内臓2Gメモリと、さらに私はSDHC 8Gを装備。
私は実はあまり詳しくないのだけど、ローゲルは24bit録音できるところに感心していた。
ポータブルは、高音質でないもの、内臓メモリしかないものが多く、これはかなり使い勝手の良いデラックス版だ。

今夜カイサは、マグヌスとディッテとコンサートをするので、カイサの車できた私は早々に一緒に帰った。

未定・未公開かどうかが分からないので詳細は書きませんが、ヴェーセン来日についての話もちらっとだけ聞きました。
早く決まるといいね!
コメント
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