スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

バーサロペット

2007-03-04 23:40:12 | 楽器製作
エスビョン、今日は12:30に迎えに来ると言ったのに、来る気配がない…。
すると電話が。
「バーサロペット(Vasaloppet)がテレビでやってるから終わったらすぐ行くから」と。

このバーサロペットはクロスカントリースキーのレースで今日がファイナル・レース。
なんと90km!
エスビョンは実は双子で、今年は忙しくて参加できなかったそうだけど、ほぼ毎年兄弟で参加している。完走するだけでもすごいけど、予選レース(というのか分からない)が先週の日曜日と月曜日にあった。日曜日で6千人、月曜日で4千人。出場した双子のほうは月曜のレースで600番台で完走したそう。
このレースの由来は、グスタフ・ヴァーサ(Vasa、16世紀)が命を狙われたとき、スキーで山を逃げきれたという有名な話から。

さて、13時過ぎには迎えにきてくれ、昨日作れなかったペグの続きを…と思ったら出来ていた。なので後、もう2本作らないといけない。

そういえば、恐ろしい話をおしえてくれた。ヴェーセンのウロフ(うちの学校の先生)もかつてエスビョンのもとに楽器製作を習いに来ていたそう。それで、指をナイフで切っては包帯を巻き、また切って包帯…を繰り返していたそう。「まだうちの床にはウロフの血が残ってる」と言っていた。私の指はまだ切れていない…が、怖い。

さらに削っていると、色んな話をしてくれた。
品質について、エスビョンが繰り返し人に言って聞かせる言葉がある。
How do you improve your improvement?「改善をどうやって改善するか」
Who is responsible for your improvement? 「誰に改善の責任があるか」
(大学や企業相手に「Quality(品質)」についての講義を10年以上しているらしい)

話は色々ととび、突然楽器を手に曲を引き出した。
手をとめたらいいのやら、作業しながら聞いたらいいのやら。そして、故エリック・サルストレムとの話もしてくれた。

色んな話をしながらも、エスビョンはちゃっかり作業は進めていた。
ネック部分に小さな穴を開け、ドリルのサイズを変えながら何度か繰り返す。
そして、昨日私が選んだ白いほうのメカニックをあてると…ぴったり!
楽器らしく近づいていく。

私のニッケルハルパ以外に、同時に10台作っている。予約は、2年前の注文でずっと待ってもらっているので今も欲しいか電話で聞かないといけないと言っていた。
まだ、作製中と宣伝していないこともあり、10台全部の買い手はまだついていないそう。
そうでなくとも、あっという間に売れるでしょう。
夏前に完成予定。
ウロフ(Olov Johansson)もニクラス(Niklas Roswell)もエスビョンの楽器を使っています。
興味のある人、一台いかが?
コメント
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