モッチリ遅いコメの距離感

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照明シミュレーションで照明計画を考える

2023-02-08 16:26:45 | オーディオ
前回設計した仮想リスニングルームで頭の中で想定していた間接照明をDIALuxに入れてみた。
DIALuxである程度の建造物データを入力して照明を入れてみたが、なんというか本当に稚拙な感じの照明効果になってしまっている。
照明効果の理詰めがちゃんとできていないまま考えてしまったのでこうなってしまったのだろう。


1から考え直してみることにする。
正面壁の間接照明は室内の光量確保目的という意義は薄い。間接照明の柔らかい光であるとは言え、リスニングポジションの真正面から光を照らされても眩しさを感じてしまうだけでマイナスになってしまう。
照明効果により正面壁の視覚効果を補強するのが目的で、部屋の明るさを確保するための十分な光量は必要ないという考えで良いということになる。
正面壁の視覚効果の補強となると、奥行き感を強調させることと凹凸のあるウォールデザインとする場合に凹凸による陰影を強調させることが目的になる。

「奥行きを強調する」という表現が正確に解釈するならば「既にある奥行きを感覚的により深い奥行き感にする」ということになる。と言うことは実際に奥行きのある構造を作らなければならず、照明によりその奥行きを強調する必要がある。
pinterestで例示できるものは下図のようなものになるのだろうか。



モデル図としてはこんな形になるはず。



ただ問題なのは吸音や拡散を行いたくて壁の前に何かを設置したい場合、この照明効果を遮蔽してしまい、調音体が悪目立ちしてしまう可能性が高い。
拡散体自体は光を乱反射することが期待できるので良しとするべきかなかなか難しい。


そもそも照明効果で奥行き感を出させようとする場所を後から自由に調音しようという姿勢に無理があるのかもしれない。決め打ちで対応していく方が良さそうに思える。

そこで間接照明の部分をQRDの溝のように用いて、拡散体と建築化照明を兼ね備えるようなデザインを設計してみた。


溝の深さはランダムではないので実際にはQRDではないのだが、数種類の溝の深さがあるので拡散効果はそれなりに期待できる。一般的なQRDの使用法とは向きが90度違うので、拡散よりも反射の挙動の方が多いかもしれないが、反射をするにしても段差が複数あるため、時間や位相がある程度分散される効果は期待できる。

DIAlux evoで入力してみるが、設定が悪いのか線光源の設定が上手くいかない、一部の光源しか点灯しないなどうまくシミュレーションできない。




なのでカリモクのシミュレーションで引き続きやってみることに。

段差がわかりにくいので一時的に明るい色に変更

間接照明点灯した場合の光を黄色や白の物体で代用的に表現した場合



窓を開けた場合



遠近法の錯覚をさせる意味では段差は等間隔ではなく遠近法に近い段差にした方が良さそうだ。溝が拡散できる周波数的にも整数倍出ない方が良い。奥に行くほど光源が上方向にシフトすると遠近法的にはなお良いか。


のっぺりしたシミュレーション画像にも関わらず、設定値以上の奥行きを感じることができる。少なくとも圧迫感や近接感は感じないような印象はある。
所詮は視覚効果でしかなく聴音への影響は若干あることは言われているが、決して大きなウエイトを占めているというものではない。その程度の効果に対してここまであからさまな施策を行うことが正当化されるのかは結構疑問なところはある。

ただリスニングルームのインテリアは
・出音に見た目なんて関係ないから音が良くなるような物を最大限設置するのが良いに決まってるという考え方
・出音に見た目なんて関係ないから何も考えずに好きな見た目にすればいいという考え方
・視覚情報がうざったいから、黒か青か白一色だけでいいという考え方
・塗装の少ない木の音が良い反射音のはずだから全面木目を出せばいいと言う考え方
この辺りが支配的である中で、好み好みでないという基準でなく、現在ある知見を利用するととどのような内装が聴感の良さに貢献できうるか、という観点からインテリアデザインを考えるきっかけにはなったので意義はあったのかなとは思っている。
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