モッチリ遅いコメの距離感

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仮想リスニングルームの正面壁のデザインについて

2023-01-30 19:37:06 | オーディオ
前回整理した視覚上の要件を満たすための正面壁のデザインについて考察を進めてみる。

・視覚的ノイズを減らしたい(黒やグレーやネイビー系)
・音波の反射としては複雑な形態をしつつ派手な視覚効果は避ける。
・リビングとして成立する意匠
・奥行きや開放感を感じやすい配色

この辺りを同時に満たしたいということになる。


・視覚的ノイズを減らしたい(黒やグレーやネイビー系)
横の壁や天井は基本的には白系統に色にすることは部屋に無駄な圧迫感を出さないために必要だろう。部屋の内装としては標準的な色ではあるが、ここをあえて標準から外す意味があまり見いだせなかった。
基本的にはリスニング中はスピーカーの内側を見ている感じにはなるので、スピーカーの内側にのみ視覚的刺激の少ない暗い色を付けると良いのではないか。リスニング中の視界は落ち着いた色であった方がリスニングに集中しやすいが、部屋の内装の大部分を黒系統の色にすると圧迫感が強くなってしまう。
pinterestで黒を基調にしたエレガントな内装はいくつも例示されているが、基本的には大きな窓で採光することにより黒による光の吸収のデメリットを緩和させているように見える。
大きなガラス窓を沢山設置しづらいリスニングルームで黒まみれの内装はやりづらいのかなと思ってしまう。窓を付けずに黒の内装でラグジュアリーなイメージを持たせたホームシアターがあるにはあるが、そういったシアタールームでも居住性はどうなのか?映画見ないときでもこの空間にいたいのかと考えると微妙な気もする。


・音波の反射としては複雑な形態をしつつ派手な視覚効果は避ける。
これは壁の前に設置する音響調整材と背後の壁の色を同じにすれば音響的には複雑な反射をするが、光学的には比較的単純で平面的な効果を示すことが期待できる。
視覚的にのっぺりしたものであると、目障りにはならないのは良いことだが、奥行き感を十分に出すことができない。空間の奥行き感を出せれば、視覚的に広く感じることができ、視覚効果で音場を広くする効果があるので、そちらも両立させないといけない。それに平面的な視覚効果しかない部屋というのはあまり魅力的ではない。その部屋の居住性を良くするという意味でも平面的な見た目の内装というのがベストだとは思わない。
ただ平面的に見せた方が視覚的ノイズは減るし、立体的に見せた方が音場は広くなるということは両者が二律背反になってしまっている。ここは悩んだのだが、間接照明の照明効果で立体的に出せば良いという結論でそれを乗り越えることができそうだ。間接照明での奥行き感を出すと言うのは、邪魔であれば照明を消せば無くすことができるというメリットがある。
調節性を持たせるというコンセプトを大事にしたいと考えている意味でもこの解決策は上策であるように思える。

・リビングとして成立する意匠
これは以前に提示したような、リスニングルーム側からは音響調整材が見えないなど工夫すればそこそこのものになるのではないか。

・奥行きや開放感を感じやすい配色
これも上記のようなスピーカーの外側は白系統、スピーカーの内側は黒系統の色調にすることで、白=光が明るく見える場所=手前、黒=暗く見える場所=奥という錯覚を感じ安くなり、音場を作る部分が奥にあるように感じ易くなり、音場空間としても広さを感じやすくなることが期待できるはず。

といったところを考えた結果こんな感じの正面壁の案になった。

スピーカーの内側は奥行きを持たせるために黒に近いグレーで統一しつつ、スピーカーから外側は白に近い色として、スピーカー自体も白またはシルバーを想定した。
これによりリスニング時に視界に入るスピーカーの内側はリスニングに集中しやすい配色としつつ、外側は開放感を持たせつつ、スピーカー自体を保護色にして視覚的な存在感を軽減させる色になっている。
中心の窓は木製のドアで開閉式を想定している。ダミーのセンタースピーカーなども設置できればとは考えているが、開閉式左右対称のドアだと難しい。


スピーカーは保護色で存在感を軽減させているという意味では、スピーカーの存在を目立たせがちな一般的なオーディオマニアのコンセプトとは真逆のアプローチにはなっているが、リスニングポジション以外の視野では背景を黒い領域にして白またはシルバーのスピーカーの存在を際立たせることもできるので、リスニング時だけ保護色に出来れば良いというコンセプトでもある。


側面壁は一次反射面を二次元QRD風の棚としつつ、一次反射面以外は棚の中身をリスニングポジションから見られないようにした斜めの棚とした。


スピーカー側から見ると棚の中身が見える


ある程度、現時点で自分が望ましいと考えるリスニングルームの要件を満たした設計を入れられたとは考えているが、後は間接照明によって望ましい視覚効果が得られるかどうかという問題が残っている。
これは現時点でのシミュレーションアプリではできないので照明シミュレーションのソフトを利用する必要がある。DIALux evoというソフトで色々できるようなのだが、高性能なだけになかなか使いこなせるまで時間がかかりそうだ。今後このソフトを用いたシミュレーションをやってみたい。

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