「あえのこと」をご存知ですか?
奥能登特有の習俗でユネスコの無形文化遺産に登録されて話題になっています。
12月5日に田の神様(タノカンサーン)を農家へお迎えしてねぎらって、
旧正月の2月に田んぼへ送り出す行事です。
神様を田んぼから玄関へ連れて来て座敷に通し、お風呂に入ってもらってからごちそうします。
おもしろいのは家の主が神様が見えるかのように話しかけ、振舞うことです。
例えば
「湯加減はどうですか?背中も流して進ぜましょう」
「ごちそうはたんとあります。ごゆるりとめしあがってくだんせ」
といった具合です。
「おさがりをちょうだいしみんす」といって
神様へのごちそうを最後に家人全員で頂きます。
かつて農家はとても貧乏でしたが、「あえのこと」の夜は魚も含めたごちそうを
おなかいっぱい食べられた日でした。子ども心に楽しみだったそうです。
「あえのことの夜に火を吹く者がおるか」といわれたように前かがみもできないので
反り返りの晩と呼ばれました。素朴でつつましい農民の暮らしが感じられます。
金七さんが不動寺で体験した「あえのこと」について実物を使ってお話し下さいました。
ラブロ恋路にて「あえのこと」にちなんだご膳の食事をしました。
奥能登全域の各家々で今も続く農耕儀礼です。
詳細はこちら
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/hogojouyaku/unesco/pdf/sanko_04_7.pdf