紅葉の森をただ美しいというだけではエコツアーガイドは務まりません。
うっとりしたい誘惑を抑えて、色の不思議についてです。
紅葉の色はよく見ると、みどり・きいろ・あかの3色とそのバリエーションといえます。
みどりの色素はクロロフィル、きいろはカロチノイド、あかはアントシアンです。
紅葉の基本的なメカニズムはこうです。
元のみどりの葉にはクロロフィルとカロチノイドの色素が含まれています。
秋になるとクロロフィルが分解されてカロチノイドのきいろが目立ってきます。
これが「黄葉」です。
また葉の中の糖分が行き場を失い、赤い色素のアントシアンに変わります。
この比率が高いと「紅葉」になります。
ひとくちに紅葉といっても、樹種による色づきは様々です。
それが集まった森の色合いも場所によって様々です。
尾根や谷、緩斜地や急傾斜、こちらの山と向こうの山によって特色が違います。
多彩な紅葉はそこに生えている構成木の多様さを示しています。
同時に自然環境を色で読み解くこともできるのです。