私たちは「奥能登 竹取物語」と称して鉢伏山のネマガリタケを刈り取っています。
それはなぜでしょうか?そもそもネマガリタケとは何ぞや?
ネマガリタケは一般名で「チシマザサ」と呼ばれます。
1.5~3メートルと大型のササで根元が曲がっているので「根曲竹」と言われるそうです。
日本海側の山地ではブナ林やミズナラ林などの林床にふつうに生えています。
春先に若い芽が山菜として楽しめます。
ところがこれが林床を埋め尽くすほど密生していることがあります。
こうなるとだれも中へは入れません。
山の恵みを得ることも歩くことも遊ぶこともできません。
ネズミと虫以外は動物も鳥も入れなくなります。
ブナ林の場合だと下層植生といわれるショウジョウバカマやオオイワカガミなどの草や
中低木のヒメアオキ・ヒメユズリハ・ハイイヌガヤ・オオカメノキなどが駆逐されてしまいます。
もっと深刻なのは森の木の苗が育たなくなることです。
こうしてネマガリタケの占有によって本来の多様な植生が失われてしまうのです。
「竹取物語」はネマガリダケを人の力で除くこと。
それによって本来の自然の植生を回復することが第一の目的です。
人の往来が回復して誰もが訪れる山になることが第二の目的です。
それには大きな意義があります。(続く)