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【ロンドンが舞台】「ルパン三世」Part 6 前半 各エピソード鑑賞メモ【ネタバレ】

2021-10-18 | TV/ルパン三世

前回の記事で触れたように、
現在も相変わらず「ルパン三世」のテレビスペシャルをコツコツ鑑賞中。

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【新シリーズを前に…】「ルパン三世」テレビスペシャル&スピンオフ一気見!【更新中】 - だから、ここに来た!

最近、映画化される「カーボーイビバップ」や9月に配信が始まった「パディントンの冒険」を見ようとNetflixを開いていたら、つい未見だった「...

【新シリーズを前に…】「ルパン三世」テレビスペシャル&スピンオフ一気見!【更新中】 - だから、ここに来た!

 

2021年10月10日からは、いよいよ「ルパン三世」テレビシリーズPart 6が始まりました。

近年のテレビシリーズは、Part 4はイタリア、Part 5はフランスが舞台でしたが、Part 6は英国が舞台
ルパンとシャーロック・ホームズが実は因縁の関係?で、
正義の側であるホームズと対立するルパンは悪人か、それとも善人か?
というのがテーマになってくるらしい。
また、今回のルパンは言えない秘密を抱えていて、後々それを明かすことになる、とも。

押井守、辻真先、芦辺拓、樋口明雄、湊かなえといったクリエイター・推理作家が
ゲスト脚本家として参加する点が注目されましたが、
今回は何よりも次元大介役の小林清志が勇退し、第1話で大塚明夫にバトンタッチすることが話題に。

ルパンを復習している者として、
またホームズのファンとしてどんな設定・物語になっていくのか気になるので、
各エピソードずつ印象を残していきたいと思います。
(絵は自分が趣味で描きました。まさかする人はいないと思いますが転載不可です。)

【第2弾PV】シリーズ最新作『ルパン三世 PART6』2021/10/9(土)24時55分より日本テレビ他全国放送!│"LUPIN THE THIRD:PART 6" New Trailer 2021

 

第0話 EPISODE 0 ―時代― (2021年10月10日放送)

小林清志さん勇退エピソード。

 

仕事の後に不二子と合流するはずが、またしても置いてけぼりをくらい、
AIドローンが放つアルコール粘着剤で捕まったルパン一行は、マグナムや斬鉄剣も奪われてしまう。
やる気を出せば警察に対抗できたはずだが、相手のプラスチック製の銃を見て幻滅してしまった次元は
自分の気概に釣り合わないこんな世の中じゃ泥棒稼業も潮時かと考え始める。

次元回、それもコバキヨさんを見送る回なので、
もっとハードボイルドなエピソードになるかと思ったら、
意外にもほのぼのした回で拍子抜けしまった。
次元が引退しようかと悩んでいた割にはすんなり一味の輪に戻っていて、
「プリズン・オブ・ザ・パスト」のサンドイッチみたいに
もう少し仲間の縁の気づきの演出なりセリフなりが欲しかったな。
ただ、ルパンと一緒に飲む酒が一番旨いと感じていることは
バーで上等な酒を飲んでも旨くない、というセリフでわかった。

ルパンが用意していた酒が、テレビシリーズが始まった1971年ものというのも良かったけど、
クリカンの声がいつも以上に山田康雄に寄せているところに胸が熱くなった。
最後はかつての声で花を添えたいと思ったのかもしれない。
ルパンが五ェ門に言った
「時代が変わりゃ自分も変わる 俺はそうやってきた
 けど次元大介って男だけはそんな俺を黙って受け入れてくれた
 あいつだけは変わらずにいてくれた
 だから俺は俺でいられたのかもしれねえ」の一連のセリフは、
座長の役割をひき継がざるをえなかったクリカンからコバキヨさんへ向けた、
もしくは番組を続けてきたスタッフたちからの感謝の言葉のよう。

そして最初の次元のセリフにも「ルパン三世」に自由な生き方を見出す
視聴者へのメッセージが込められている気がする。

「人生について考える
 そんな野暮なことをするのはこまっしゃくれたインテリ気取りか哲学者
 もしくは人生に飽きた暇人ぐらいなもんだ
 腹が減りゃうまいもん食って寝る それが人間」

人生に飽きた暇人…それ、私です。(笑)

コバキヨさん、約50年間お疲れ様でした。

 

第1話 シャーロック・ホームズ登場 (2021年10月17日放送)

フランス司法警察中央局長のアルベールがある密告を元に
英国の資産家フォークナー卿のオフィスに侵入。
そして一枚の絵を盗み出すが、
シャーロック・ホームズの推理によってロンドン警視庁のレストレード警部らに包囲される。
しかしMI6も同様に、彼の身柄を拘束しようとしていた。
双方に追跡され、絶体絶命のアルベールだったが、ルパン一味が救出。
ルパンは助け出したアルベールに、第二次世界大戦以降、英国政府を影から操ってきた謎の組織
「レイブン」のお宝を10年前から狙っていることを明かす。

その後、ロンドン警視庁では何者かによってフォークナー卿が取調室ごと爆破される。
爆破のニュースを聞き現場に向かうホームズは、
警視庁から断ち切られた絵の片割れを盗み出したルパンと遭遇する…

ルパンと不二子のバイクチェイス、一緒にロンドンの中心地を逃げ回っているみたいで楽しかったです。
あー、ロンドンの街が恋しい。私の第二の故郷…。
どの場所を走っているのかも、背景を見ていればだいたいわかる…。
しかし、ロンドンの街であんな戦車が出てきたらパニックですけどね。
実際には街の人出ももっと多いし。

大塚明夫さんが演じる次元の初回でしたが、セリフは少なめ。
でもことさら焦点を当てることなく、かえって当たり前にそこにいる存在になってて、
自然に戦闘シーンに馴染んでましたね。

まだ初回なので、これから明らかになっていくだろう謎のワードがたくさん出てきます。
ブラックドローイングへの侵入を許した」とか
「10年前ホレイショがどうなったか」とか
「私(フォークナー)を殺せばあの部屋はどうなる?」とか。

ホームズについては、ご近所さんを親しげに家に招き入れたりするような、
パッと見、犬ホームズのような気さくな?キャラクター設定になっていて、
おなじみのレストレート警部やハドソン夫人は出てきますが、
リリーという14歳の女の子と一緒に暮しています。
リリーは「ここ(221B)に来て3年」らしく、ホームズの関わる事件にも興味深々のようですが、
ホームズは彼女を面倒事に巻き込みたくはない様子。
レストレードに探偵料の追加を提案したり、
浮気調査のような面白くなさそうな(笑)案件を引き受けているのは、
このリリーの養育費を賄うためらしい。

ホームズといえば当然ジョン・ワトソンが欠かせない存在なので、
設定画を見た時から、ワトソンがいないことがずっと気になっていました。
しかし、それにもわけがあるらしく、ホームズが助手に関しての話題を避けたり、
ハドソンさんがホームズと出かけるリリーを見て「まるで彼が戻ってきたみたい」とつぶやいたり、
ホームズの部屋に一つだけ伏せた写真立てがあったり、
リリーが「もし、レストレードさん"まで"死んじゃったら…」と発言しているので、
ワトソン、もしくはそれに相当する人物(リリーの親?)が亡くなっているのだろうと推察されます。

そして終盤でホームズとリリーの姿を見たルパンが「リリー、大きくなったなぁ」とつぶやき、
彼の姿を見たリリーが叫んでいる様子から、
おそらく、その誰かの死の原因がルパンである…のかも
もちろんそこにレイブンも関わっているんでしょうね。
全ては10年前から始まった…のかな?

あー、まだプロローグでしかないから先が気になる!

第2話 探偵と悪党 (2021年10月24日放送)

銭形から逃げ果せたルパンはアジトで盗み出した絵に描かれた映画を確認するが
そこに隠されたレイブンに関わる謎は解明できていなかった。
一方、絵が保管されていた部屋、ブラック・ドローイングを訪れた銭形と八咫烏は
そこに現れたレストレードと協力し、情報共有することを約束する。
ホームズは昔の記憶を取り戻しつつあるリリーを置いて、ルパンのアジトへと乗り込んでいった。

今回ルパンが「その(レイブンに関わる)事件でホームズは大切な相棒を失った ジョン・H・ワトソンをな」と明かし、
リリーが倒れた父の傍で銃を持った男(ルパン)が立っている夢を見たと語っていることから、
10年前の事件でリリーの父であるワトソンが亡くなり、その現場にルパンが立ち会っていた
というところまでは、ほぼ明らかになりました。
ホームズもレストレードもリリーの記憶が甦ることを気にしていたので、
これまでその事件を思い出させないように気を使っていたんでしょうね。
(「SHERLOCK」で昔の記憶を取り戻さないようにマイクロフトに管理されてたシャーロックみたいな?)
ただ、ルパンが殺害したとは語られていないので、やはり真相はそう簡単ではなさそう。

絵が保管されていた照明もないブラック・ドローイング=黒の間は、前回のセリフから考えると謎が多そう。
バッキンガム宮殿にはホワイト・ドローイング=白の間があるってのも対になってそうで気になりますねー。

ルパンもホームズと直接対決するのは気が進まないらしくロンドンから一時撤退を決断
次元&五ェ門&不二子は納得いかず、一味のアジトを見つけ出したホームズと対決。
彼らはリリーの存在を知らないので、ホームズが絵の奪還に来たと捉えているかもしれませんが、
当のホームズは絵のことは関心がなく、リリーの前には現れないと約束していたルパンを自分たちから遠ざけたいだけ。
そして隙を見せた五ェ門はホームズにバリツ(!)で投げ飛ばされ、
タンデムで追跡する次元&不二子も、ホームズが乗り捨てたバイクと衝突して振り落とされてしまいます。
ホームズにお姫様だっこされた不二子が頬を染めてるのが珍しい!
五ェ門はそう簡単に投げ飛ばされたりしないと思うのですが、
ホームズを応援していいのか五ェ門を応援していいのか悩むわ(笑)。

今回の次元は先週よりも喋ってましたね!
「なーにがあったのか、洗いざらい喋っちまいなっ!」のイントネーションが次元ぽかったし、
「けっ!」の声がコバキヨさんが戻ってきたのかと思うほど似てた。
似てればいいというわけではありませんが、やっぱり明夫さんも意識して演じているんだろうなーと。

興味深かったのは、ホームズの名前が継承されるものと設定されたところ。
「その名を頂くものは世界でただ一人の諮問探偵とされる」
「どういう形で継承されてるかは俺も知らない」
ということは世襲ではなく、ホームズの名を冠するにふさわしいものが継いでいるということか。
でもルパンも、Part.5のアルベールとの争いで、
孫と言うよりその名にふさわしい活躍を続けているからこそ名乗っている描写に見えたので、
どちらもその方が設定的に自然かも。
過去のシリーズに出てきたホームズ三世が「まがいもん」呼ばわりされながらも言及はされていて笑いました。
しかし、ホームズが「人々を助け、弱いものを助けるのが使命」なんて言うかねー。
内心そう思っていたとしても言わないのが英国人ホームズっぽいけどなー。

結局、ルパン対ホームズの本格的な対決はお預けで、来週は辻真先脚本の1話完結回。
しばらくロンドンとはお別れだ…。
(最後のシーンでアルベールが一味のイチャイチャ旅写真を見ていて笑いました。
 あれにはアルベールもイラッとくるだろうなー)

第3話 大陸横断鉄道(嘘)の冒険 (2021年10月31日放送)

自身の庭園に鉄道を持つマーキス公爵のパーティーを南アフド共和国首相が訪問。
ルパンはリバプール&マンチェスター鉄道試乗会の貴重な切符を奪おうと首相に化けるが、
メイド姿で金庫に忍び込んだ不二子の身に危険が迫る。
一方、会場にはルパンの犯行を予測した銭形警部とニューヨーク市警のクイーン警視、
そして警視の甥であり不二子に目を奪われて紛れ込んだマンフレッドとフレデリックもいて…

Part 2のような1話完結のライトな泥棒劇。
以前マンチェスターで鉄道発祥の地を見たことがあったなー、と思い出しつつ鑑賞。
クイーン警視はエラリー・クイーンシリーズの父の名前、
マンフレッドとフレデリックは作家のエラリー・クイーンの本名から引用しているようです。
(ホームズ好きではあるけど推理小説には詳しくない私でありました。)
一瞬でメイド姿に変身する不二子が可愛い。
不二子は追っ手に囲まれて咄嗟に切符を食べちゃいますが、手の中にちゃんと隠し持っているのが見えます。
エキストラ調達係の次元と五ェ門がルパンの真似をして銭形のとっつあんを煙に巻くのが可愛い。
次「シャンパ〜ンならあっち」(←微妙に似てる) 五「フライパンなら向こう〜」(←全然似てないw)

今回気になったのは、次元がコンバットマグナムを「相棒」と呼んでいて、
ルパンを呼んでるのかどっちなのかややこしいかった点。
私にとっては次元の「相棒」はルパン、「女/恋人」はマグナムなんですけど。
(過去のテレビスペシャル参照のこと。)
でもエピソード0ですでに
次「相棒との人生について振り返っちまったよ」
ル「相棒?俺のことか?」
五「押収された拳銃のことであろう」
ル「あーそう…」
って会話があったんですよね。
拳銃を女に例えるのって性差別的な問題あったっけ。
個人的にはコンバットマグナムを恋人に例えて語る次元が好きだったんだけど。ちょっと寂しい。

来週は押井守脚本回。

第4話 ダイナーの殺し屋たち (2021年11月7日放送)

寂れたダイナーに2人組の男がやってくる。店にはすでに物騒な客が6人いた。
2人組は店員の女をからかいながら、ハムエッグサンドとベーコンエッグサンドを注文し、
標的であるアンドレ・アンダースンを待つ。

CIAがコードブックとして利用したヘミングウェイの短編「殺し屋」の草稿をめぐる話。
前半は「ゴドー待ち」状態で、後半が種明かしになっている。
私は短編そのものを読んだことはないけれど、後から内容を確認したところ、
ほとんどこの短編の筋書き通りのエピソードになっている。
短編の初稿をシェイクスピア書店が出版した、というのは創作か。
のちのCIA長官アレン・ダレスがヘミングウェイを好きだったかどうかはわからないけど、
検索したらヘミングウェイと遠縁っぽいページが出てきた。真偽はわからない。

2人組はルパンと次元なわけだけど、今回に関しては変装していても2人の個性がにじみ出てる。
双子みたいにお揃いの格好しているのが嬉しい。
不二子ちゃんが意外にも映画監督に詳しい?ことに驚き。
しかもフォン・トリアーとかカウリスマキとか。店員の個性に合わせての発言だろうか。

ホームズ回ではありませんが、単発回でもロンドンを舞台にしています。
海外のファンの方のツイートで判明してるのが、
ダイナーの舞台(外見)はブラックヒース近くのパブ"The Gratitude"。
アンドレ・アンダーソンの部屋はアイル・オブ・ドックスのブルー橋
(タワーブリッジみたいな跳ね上げ橋)そばのフラットで、
後半でルパン達が話していたのは、ブルー橋を渡ってサウスドックを挟んだ場所。
ということは、彼らの後ろに見えるのはカナリーワーフの夜景だ!
アジトがブラックヒース近くにあるせいか、東側が背景になることが多いですね。

ちなみにヘミングウェイの短編「殺し屋」を映画化したドン・シーゲルの「殺人者たち」
吹替版に小林清志に二階堂有希子が出演しているみたい。
(押井守はドン・シーゲル好きらしいからこのへんも狙っているかもしれない。)
Pt.1終了後の吹替版だから狙ったキャスティングだ。ちょっと見てみたいな。

押井作品は詳しくないけど、見直し甲斐のあるエピソードでした。
ところで、メシマズで喧嘩すな!3人とも!(笑)


お絵描き(模写)が楽しくなってきた。

第5・6話 帝都は泥棒の夢を見る(前・後編) (2021年11月14日・21日放送)

なぜか昭和初期の東京に飛ばされたルパンは、
「黄金仮面」として銭形そっくりな浪越警部に追われる身に。
そこで不二子そっくりの黒蜥蜴に助けられるが、
監禁されて中国大元帝国時代の吉凶を表すからくり時計を盗み出すために協力を要求される。
逃げ出すルパンに銃口を向けるのは次元そっくりの軍人だった。

推理作家の芦辺拓が脚本を担当した全2回。
江戸川乱歩作品へのオマージュに溢れており、
黄金仮面、浪越警部、黒蜥蜴、明智小五郎といった人物が登場。
元々アルセーヌ・ルパンシリーズのようなものを目指していた黄金仮面シリーズを、
今度は「ルパン三世」が引用するというのは興味深い。

ただ、ルパン三世のファンが皆ミステリー好きというわけではないと思うので、
その設定だけで皆を喜ばせようとすると無理がある気もする。
今回の第6シリーズは「ミステリー好きを楽しませるもの」を意識しすぎて、
アニメとしてのルパン三世のファンはちょっと置いてけぼりをくらいそう。

あと作家が脚本を手掛けるからといって、
素晴らしいアニメエピソードになるかというとそれは別の話ではないかとも思えてきた。
情報量が多い割にテンポがゆるく感じる。

あとあの世界を作り上げた人の後の組織(会社?)が
ルパンのアジトの解除パスを盗み取ろうとする理由がよくわからないし、
(何か特定の保管されたお宝があったのかもしれないが触れられてはいない)
あんな手の込んだ世界にルパンを落とし込んで、
どうやって解除パスを聞き出すつもりだったのか。
何だかモヤモヤするのでした。

とはいえ、軍服姿の次元(?)は新鮮だったし、
お宝を守るサラントヤちゃんが可愛かったので気分が盛り上がりはしましたが。
次元の正体は後編でわかりますが、「あの人が次元の祖先だったらいいな」と言ってる海外の方がいて、
確かに!と思いました。今まで次元だけは祖先の言及がされてないですからね。

来週はやっとホームズの話に戻るみたい。
第2話以降に別の話が入りすぎてちょっと気分が萎えちゃったな。
ホームズ好きですら期待感が薄れているのはいかがなものか…。


ファンの間で一番?盛り上がった、次元似の少佐

 

第7話 語られざる事件 (2021年11月28日放送)

以前のように再び未解決事件を手がけるようになったホームズは
次々とロンドンの事件を解決し犯人を警察に引き渡していた。
次元と共にロンドンに戻り、221Bの様子を伺っていたホームズは銭形と遭遇し、
空気銃を愛用するスナイパー、セバスチャン・モランに狙われる。
モランはホームズの命を狙い、新興の犯罪組織に雇われていた。
逃げ込んだ墓地でモランに狙われる中、ルパンはホームズとの因縁について銭形に語り始める。

やっと本筋に戻った第7話。
10年前の出来事もルパンによって明らかにされました。
ホームズが解決した脅迫事件の犯人の一人、ホレイショ・クローバーが
犯罪歴を帳消しにすればレイヴンについて知っていることを話すと取引を持ちかけ、
スコットランド・ヤードは取引に応じたが、身柄を匿われたホレイショは逃げ出し、
お宝目当てで後を追ったルパンがホレイショとその現場を目撃したワトソンが殺される現場に居合わせた
と言うのが真相。だいたいこれまでの予想通り。

駆けつけたリリーは熱を出していて、ルパンが現場に居合わせている場面だけを記憶に留めており、
殺し屋のことは覚えていないが、思い出せば命を狙われる危険がある。
後から現場に現れたホームズはルパンが犯人ではないとわかっていたが、
リリーの身の安全のため、ルパンと対決することなく、再び現れないよう忠告してその場をたちさらせた…。

気になるのは、ワトソンが後をつけたことから見て
レイヴンの殺し屋は「見知った人物」であるとルパンが語っていた点。
このあたりでますます「レストレードが怪しい」という声をよく見かけたのですが、
もしそうだったら個人的には悲しいなー。警部には善人であってほしい…。
(銭形のとっつあんたちとパブで飲んでるシーンが個人的に嬉しかった。夢の共演!
でも、休日にわざわざリリーの様子を学校まで見に来るのとか確かに怪しいよなー。

冒頭の字幕でスナイパーの字幕が「モラン」と出てきたので、
「セバスチャン・モランじゃねーか!!」とすぐわかりましたが、
モランを雇ったのが「教授」を名乗る人物、つまりもうモリアーティしかない!
しかし、レイブンと教授のつながりはないらしいので、
「ルパン VS ホームズ」というより、「ルパン&ホームズ VS レイブン、教授」という構図になりそうですね。

ルパンが10年経ってロンドンに戻ってきた理由が、
ホームズとリリーを10年前の事件と向き合わせるためだったってことだけど、
もちろんそれは、ルパン自身がレイブンのお宝に再挑戦する気概を持っているってことで、
ルパンの攻めの姿勢が表れていて好きです。
「本当のことはすぐにわかるさ。真実ってのは強いんだぜ?」

とっつあん(と見せかけて実はホームズ)と一緒にモランに狙われているルパンから、
「すんごく頼りになるヤツと一緒なのよぉ〜」と言われて
「頼りになるヤツ??(=俺じゃねーのか??)」と釈然としない顔の次元。
ちょっとPart 5のアルベールの件で拗ねてた時のことを思い出してしまった。
そんな頼りになる次元が来週の主役みたいで楽しみ!

バリツで投げ飛ばされたショックで修行に行ったまま戻ってこない五ェ門、
早く戻ってこーい!

テムズ川で船を操舵してる次元を見て、「7番目の橋が落ちるとき」でも船長みたいな格好してたのを思い出した。

第8話 ラスト・ブレット (2021年12月3日放送)

ルパンとホームズの再会から遡って3年前…
その頃、ワトソンの娘リリーは、スコットランドの寄宿学校で学んでいた。
リリーのことが気になる同級生のケニーは、
課外授業で訪れた美術館でリリーを連れ去ろうとする女装の男に立ち向かおうとする。
そこに「あしながおじさん」と名乗る男ルパンが現れ、男を退治。
ルパンはケニーにここで出会ったことはリリーに秘密にするように伝え、姿を消すのだった。
その後、リリーはロンドンへ戻ることになったが、
護衛するはずのロンドン警視庁の刑事たちは何者かに襲われてしまい…

大塚次元初のメイン回
リリーに惹かれている少年との交流を描くのと同時に、
S&W M19(コンバットマグナム)との関係を描いた回でもある。
ルパンだけでなく、シティーハンターだとか刑事モノのドラマを通じて
銃の種類はいくつか知ってはいるけれど、威力や耐久性についてなど全くの門外漢なので、
比較や製造の経緯を読んだり見たりするとなかなか面白い。(参考)
もともと小型のKフレームを使ったM19は、威力の大きい357マグナム弾を使うには負担が大きいんですね。

それでも何故次元はM19を使い続けるのか?というのは今までも今回もはっきりと明言されないけれど、
それが多くを語らない次元らしいこだわりだし、想像を掻き立てられます。

前述の通り、第0話・第3話で次元がコンバットマグナムを「相棒」と呼んでいるのが気になっていたけれど、
この話に合わせるためだったのかもしれないな。
ケニーに「これは俺の女なんだ」とは言えないだろうし(笑)。
ルパン相手ならともかく、男の子相手じゃあんまり格好がつかない。

リリーを守るために同じ子どものケニーを巻き込むのは危ないよ!という感想も見かけたのですが、
ケニーが必死で掛け合ってルパンが根負けしたんじゃなかろうかと想像してます。
もう会えないかもしれない好きな子を最後まで守りきろうとするケニーくん…
自分の生き方にこだわり抜く次元の生き様を目の当たりにして、
将来ますます素敵な大人になりそうですね。

「ガンマンってのはな、職業じゃねえ。生き方なんだ」なんて名言も飛び出したり、
次元はいつものようにカッコいいのですが、
「次元さんは怖くないの?」の質問に
「俺だって怖いさ。いつまで経っても慣れることはない」と答えていた場面も印象に残りました。
ケニーのような少年相手だからこそ素直に語ってるんだろうなー。
「あしながおじさん」ことルパンの優しい語りかけ方にもきゅんとしました。

ところで、気になることが。
冒頭でブラッド・ロークと次元が対決する場所はマルセイユ港らしく、
最後にルパンと次元が車で移動している時にもマルセイユのノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院が映るのですが、
時間軸がよくわからない。マルセイユ→スコットランド→ロンドン→マルセイユ?
それともこの後の物語でマルセイユを舞台にした回が出てくるのか…
そのへんがちょっとモヤモヤしています。

ちなみに、ケニーやリリーが通う寄宿学校は、スコットランドにあるゴードンストウンが外観のモデルになっているっぽい。
王族や著名人の子息息女が通う学校なので、ケニーもかなり裕福な家柄出身じゃないだろうか。
リリーを学校に入れたホームズが学費のために事件の種類にかまっていられないのも無理はないか。


次元とケニー。子どものケニーに銃は持たせられないので、クリケットのバットを持たせました。

第9話 漆黒のダイヤモンド (2021年12月10日放送)

トレジャーハンターのチェリーから招待状を受け取り、
海賊王ジークの財宝を出品する闇オークションに参加するルパン。
お目当ては「漆黒のダイヤモンド」のありかを示すこけし。
すでに手に入れていた地図の残りだけ中から入手し、
こけしを落札者のご婦人に返したルパンだったが、完成した地図を不二子に横取りされてしまう。

湊かなえ脚本回。
しばらく登場していなかった不二子、五ェ門、銭形も勢ぞろいして、
個人的に今のところ一番好きな回でした。
やっぱりルパンはお宝を盗む姿が一番かっこいい!
それに、睡眠中に突然あることに気づいて飛び起きるルパンにびっくりする次元や、
巨大イカを真っ二つにする五ェ門、スナック菓子を貪る五ェ門と次元など、
必ずしも必要ないけど楽しい一味の描写が大好物です。
(今回、ナイトキャップかぶってるのは次元じゃなくてルパンだった。)

お宝の正体には(そんな気はしていた)と思いましたが、
盗んでみたら現代にはそれほど価値のないものだった、ってオチはけっこう好き。
それに、視聴者としては、久しぶりに一味の怪盗らしい活躍を見せてくれてありがとう!の気持ちが強いです。

次元は「何しに来たんだ、俺たちゃ…」って言ってましたが、
その後、五ェ門が「だが、今宵の月は美しい」って言ってるのを聞いて、
この二人はしっぽりクルージングしに来たということでいいのではないかと思ってしまいました。

それにしても、とっつあんの「この銭形、(居場所が)臭いでわかったのだ!」の発言に、
臭い!?とびっくりしましたが、ルパンパウダーなるものがあるとは。
いやいや、ルパンパウダーって何だよ!(笑) じわじわツボる謎アイテム。

第10話 ダーウィンの鳥 (2021年12月17日放送)

謎の人物ミハエルから大英自然史博物館所蔵の始祖鳥の化石を盗む依頼を受けた不二子。
実行は不二子本人が担当し、ルパンには依頼主ミハエルとその主人の身元調査を任せるが、
ミハエルの正体はつかめず、不二子が依頼をされた屋敷も買い手のいない空き家だった。

押井守脚本回。
かつて手がけようとして頓挫してしまった劇場版のプロットに化石を盗む内容があったため、
今回のエピソードに関係してくるのではないかと内外の視聴者の間で話題になっていました。

自然史博物館は何度も行ってるし、上野で始祖鳥の化石が来日した時にも見に行った私ですが、
何故か手元に画像は残っておらず。何してんだ私!
それはそれとして、この回のオチは意外にも「依頼人は◯」と一言で済んでしまう内容でした。
十代の頃に見ていれば刺激的だったかもしれませんが、
もうすっかり大人になってから見ると、もうその手の話はお腹いっぱいかなーという感じ。

今回、初めて次元恒例の「俺は降りるぞ」が聞けましたが、
依頼人が依頼人だけに降りて正解でしたね。

そしてまたも五ェ門不在。五ェ門強すぎるから下手に出せないのはわかるけども。

来週はホームズがらみの話の最終章。
ホームズが登場と盛んに謳っていた新シリーズなのに、
第8話をおまけで入れても全部でたったの5話ですよ!?
半分にも届かない。
これは詐欺なのか!? 厳しい言い方ですけど、マジで。
私はホームズ好きでもあるしルパン三世を好きでもあるので我慢出来ますが、
もしホームズだけ目当てで見てる人がいたとしたら納得いかないのでは…。
いや、私もかなりがっかりですよ、今の所!
とりあえず、来週に期待です。

2019年に撮影した自然史博物館のマッコウクジラの標本。2017年以前はディプロドクスの化石標本が展示されていました。

第11・12話 真実とワタリガラス/英国の亡霊 (2021年12月24日放送)

不動産開発業者のアレックス・ジェンキンソンが殺される。
ホームズとリリーはレイヴン関連の事件と見て現場を訪れ、
地元の人たちの情報から、不二子がジェンキンソンと共にパブを訪れていたことを知る。
不二子はロンドン中心部の土地を持つフォークナーに取り入ろうとしていたジェンキンソンから
情報を探ろうとしていたのだった。
ルパンが盗み出した絵の半分に懸賞金をかけ、一味の動きを封じ込めるホームズだったが、
突然倒れ、レストレードの車で病院へと運ばれる。
その途中、停車した場所はワトソンが死んだ日にリリーが訪れていた場所だった。
一方、賞金稼ぎだけでなく銭形にも追われるルパンは、
道中フォークナーの絵を落としてしまうが、絵自体は重要ではないと気にとめない。

後日、銭形を誘い、ブラック・ドローイングを訪れたホームズはそこで待ち構えていたルパンと対面。
ルパンとホームズはフォークナーの出勤時間から、ブラック・ドローイングの秘密を暴くが、
その瞬間、部屋は爆発し…

ホームズ完結編2本立て。
レイブンの財宝とワトソン殺しの犯人が判明します。

…皆が予期していたことですが、やはりあの人が犯人でした…
見終わった後、かなり落ち込んで憤っていましたが、
この記事を書くために見直してちょっと気分が落ち着いたかも。

今回の犯行の流れは、

犯人がフランスに絵についての情報を流す
 →フランス司法警察中央局(アルベール)が絵を奪う
 →ホームズが調査する
 →絵の件でフォークナーが止むを得ず取り調べを受ける
 →財宝の隠し場所の鍵である指輪を外す
 →フォークナーを殺害
 →犯人が警視庁内で鍵入手

という計画の上で実行されたことがわかります。
ルパンとホームズは同時進行でこの真実にたどり着き、最後には協力して真犯人を追い詰めるのでした。

しかし… ルパンには次元も五ェ門もいるのに、ホームズにはワトソンもいないし、あの人も犯人だし。
ちょっと酷すぎやしませんか…(泣)
いくら様々な脚色をされた作品があるからって、何してもいいのかい?
スタッフにホームズ好きな人はいなかったのか? いたとしたらちょっとは心は痛まないのか?
とか、ショックで色々考えてしまいました。
予想はついていたけど、あまりに分かりやすすぎて、
「いやいや、実はそう思わせといて別の人物が出てくるはず…」と、どこかで受け止めきれずにいましたよ。
視聴者をビックリさせる犯人として予想外に明かされるのならまだしも、
もう十分怪しい上に犯人なんて… なんのサプライズでもなく…
むしろ彼が犯人じゃなかった方がサプライズになったはずだよ。
ルパン対ホームズと聞いて見に来たホームズのファンをなんだと思っとるのさ…
ホームズだけ生きてりゃいいとでも思っとるのか…
(もちろんシャーロキアンでもなんとも思わない人もいるかも知れませんけどね)

そもそもホームズのキャラも世間一般的な文武両道のかっこよさだけで、
ホームズ独特の切れ味も茶目っ気もないし、特別な魅力がないんですよ。
(ルパンが主役だから、目立つ個性が出せないのは分かるけど)
それに改めて伝記作家としてのワトソンあってのホームズなのに、そのワトソンがいないとか…
リリーがいるじゃないか、というフォローは悪いが受付られないぜ!

それと、他の方が触れていてそれそれ!書き忘れた!と思ってたことだけど、
ホームズは名前を「継承されるもの」=他のホームズが他にもいたと第2話で言及されているのに、
なぜかワトソンもハドソンさんもレストレードもモリアーティもモランも元の名前で存在している謎。
まさかこの人たち全員同じように名前を継承しているわけでもあるまいし、詰めが甘すぎませんか。
だったらホームズの名前だけ残して、全員全く違う名前のキャラクターを登場させればよかったのに。
かつて存在した初代のホームズと同じように、今のホームズにも相棒がいたけど死んでしまって…とか。
そうしたら今回の真犯人のモヤモヤも残らなかったのに。

最後にCV石田彰を出してきても、全く心の傷は癒されません
しかもまたルパンの知り合いとか… 風呂敷広げすぎでしょ…

結局、癒されたのは五ェ門の「ただいま」だけです。
居場所がなかった五ェ門(L峰参照)が今「ただいま」と言える場所がアジトなんだなって思うと胸熱。
一味がアジトを去る時の支度の風景(ex.肌着をカバンにしまう次元、車いっぱいに積まれた荷物)が見られたのは嬉しかったです。
(もっとチャチャっとコンパクトに支度して出て行くべき!っていう意見も見て、確かに!とも思った。)

不二子ちゃんがアルベールに銃を突きつけてルパンと去っていく姿も好きでした。
個人的にはアルベールはかつてルパンに惹かれてたところがあると勝手に思っているので、
ああいうところを見せられるとまたしてもイラッとくるんじゃないかなーと想像したりして。
ルパンとアルベールのやりとりってどこかヒリヒリしていて興奮します。

ということで、もうこの前半については今後「漆黒のダイヤモンド」「ラスト・ブレット」の見せ場
そしてコバキヨさんの勇姿としてのエピソード0を延々繰り返し見ることにしようと決めました。

後半は別途、記事を立ち上げるつもりです。
はぁ… もう後半に期待を込めるしかない…(泣)

↓↓↓続きはこちらです↓↓

【女がテーマ】「ルパン三世」Part 6 後編 各エピソード鑑賞メモ【ネタバレ更新中】


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