ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅         マリー・・・・・22

2012-02-15 | 2部1章 マリー
 保釈されて一ヶ月が過ぎた。裁判はどうなっているのかぼくには分からないが、何も進んでいない事だけは確かだ。バクシ弁護士への依頼は保釈までの仕事であって、その後の弁護の依頼はしていない。裁判を進め終わらせるには新たに弁護士を選任しなければならない。保釈までは良く働いてくれたフィリップスとマリーだがその件について今は何も言わない。
 大使館から引き取った約二十万ルピーのお金は、いつの間にか九万ルピーしか残っていない。日本からの送金を受取る為にはどうしてもパスポートが必要だ。裁判所に保管されているパスポートが返還されたとしてもパンチの穴があっては使い物にはならない。とにかく至急新しいパスポートを作ろう、そうしなければぼくは身動きがとれない。
 マリーは日本大使館に寄ったのだろう、日本のビザを収得する為には何が必要か相談してきたとぼくに言った。彼女はぼくの裁判に関して正式の代理人として大使館に出入りしBさんとも面識がある。Bさんはわざ々彼女に面会して下さり、アフリカ人が日本のビザを収得するのは大変難しいと説明された。だが日本滞在中の経済面を含めた正式の身元保証人がいれば可能だとして、ビザと身元保証人の申請書類を渡してくれたそうだ。最後にマリーは
「トミーはドラッグをやっているではないか?」 とBさんから聞かれたとぼくに伝えた。大使館への出入りは極力避けなければならない、ぼくは不信感を持たれている。
 

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