ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・35

2013-11-28 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

ショッカンはスタッフが切れたと言っているがまだ分からない、今では中毒者の顔になっている。スタッフが切れればお金もないのだからただの気違いだ。毛布に包まって寝ているかと思うと突然大きな声で喚きだす。早くアシアナで治療を受けさせた方がベターだ、奴の為にもぼくらの安全の為にも。スリランカ人のアンクル・チャチャが時々きつい言葉でショッカンに注意をしているが奴は反発して聞こうとしない、スタッフは恐いな。今までここから出る為の様々な可能性について相談してきた人間とは思えない、前後の見境がなくなっている。たぶん後でぼくがスタッフを入れようとすると又、当てのないスタッフの入手を餌にして少しスタッフを回してくれと言い出すに違いない。
 フィリップスはぼくの為に良くやってくれている、と言うか奴自身の利益になるからだ。弁護士、マリーと連絡を付けてくれた。1月5日、裁判所出頭のとき弁護士、マリーと今後の裁判の進め方を話し合うことが出来るようになった。奴がやってくれたそれら全ては当然ぼくからの見返りを考えての事だ。親切な行為などここインド、ましてや刑務所の住人に期待する方が可笑しい。
 夜になってまたいつものショッカンの嫌味な愚痴が始まった。しかしどうして二ナはぼくに
「アフリカンを信用しないで、スリランカ人グループに受入れの手筈はとってあるわ」
と言ったのか。最後まで外にいたのはショッカンとサンダー、それ以前、既に逮捕されていたのはディクソン、セガそれにランジャンだ。二ナはその中の誰と組んでいたのか?彼女の国籍を知らない、聞く理由もなかった。ぼくが二ナと初めて会った時にはアフリカンのフレッドと組んでいた。フィリップスは二ナを評して
「あの女は金々々、そしてドラッグそれだけの女だ」と言った。
コメント
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