辺野古のキャンプ・シュワブ陸上部に普天間基地を移すということを非公式とはいえ米政府に打診する鳩山政権の動きは、あれほど「県外、国外」と言っていたのにとても信じられない。
その真意を読み取れる発言を北沢俊美防衛相は、19日の記者会見でおこなっている。「基地の中に移設するということは、かつて楚辺発電所がキャンプ・ハンセンに移ったときに、沖縄のみなさんから大きな反対運動は起こらなかった。そういう歴史的なものに学ぶところある」と。
シュワブ陸上案は自公政権のもとで、たびたび浮上していた。もともと、現行案がシュワブ沿岸部のV字形滑走路となったのは、民家の上空を避けるという口実であった。しかも、米側も演習場施設の移転や山間地の大規模な整地が必要などという理由から拒否し、頓挫した。
シュワブ陸上案の米側への打診は、1月24日の名護市長選挙で示された民意を踏みにじる行為のなにものでもない。
そもそも、普天間基地は戦後、国際法を無視して米軍が住民の土地を無理やり奪ってつくられたもの。アメリカも「世界1危険」と認める普天間基地の「移設先」探しに政府が必死になることは、無法の下でつくられた危険な普天間基地の存在を肯定することだ。
北沢防衛相発言などはとんでもない発言だ。「危険な基地は即時撤去しろ」との立場で対米交渉に乗り出すべきだ。
いったい日本政府はどこに顔をむけているのかと言いたい。アメリカなのか、沖縄・日本国民なのか。
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名護 思惑越え反発 シュワブ陸上部に滑走路 沖縄タイムス
【名護】「本末転倒だ」「全市民が反対する」―。政府が米軍普天間飛行場移設問題で、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ陸上部に滑走路などをつくる案を検討していることが明らかになった。「海にも陸にも新たな基地はつくらせない」と訴えた稲嶺進市長の当選から一カ月足らず。ふってわいた「陸上案」に、移設計画で容認、反対と二分されてきた市民が一斉に反対の声をあげた。
辺野古移設を条件付きで容認してきた代替施設推進協議会の宮城安秀会長は「移設は宜野湾市民の危険性除去が目的だったはず。陸上案では米軍機が辺野古集落の上空を飛ぶのは間違いなく、宜野湾の危険性を辺野古に移しただけではないか」と指摘。「目的そのものを失った案で到底受け入れられない」と一蹴(いっしゅう)した。(記事全文はこちら)
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