小沢民主党幹事長は1日の記者会見で、東京地検特捜部から1月31日に2度目の聴取を受けたことを明らかにした。
小沢氏は事件について「私は一切、闇献金とか裏金とか不正な資金は受け取っていない。その意味において刑事責任を問われるという事態は想定していない」としながらも、「もしそういうことが仮にあるとすれば責任は重いと考えている」と。
4億円の原資については、、「既に死亡している知人から預かった現金だった。引き出してすぐに返した」と説明したという。(小沢氏の弁護士の話)
3転、4転の話だが、まったく不自然な話だ。いよいよ、核心に迫っていく…。
4億円「知人から預かった」 jijicom
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、購入翌年の2005年に陸山会へ入金された4億円の原資について、小沢氏が東京地検特捜部の2度目の聴取に対し、「知人から預かった現金だった」と説明したことが1日、同氏の弁護士の話で分かった。
この4億円は、陸山会が土地を購入した翌年の05年3月に同会の口座に入金され、5月に全額が引き出されていたことが判明している。
小沢氏の弁護士によると、同氏は2度目の聴取に対し、この4億円の原資について、「既に死亡している知人から預かった現金だった。引き出してすぐに返した」と説明したという。
弁護士によると、この知人はかつて小沢氏の側近とされ、関連政治団体の代表者や会計責任者も務めていた人物。知人から預かったのは入金の直前で、入金するまでの間は事務所で保管していた。
小沢氏の指示を受けた衆院議員石川知裕容疑者(36)が入金し、一部は元私設秘書池田光智容疑者(32)も行った。2人は現金の出どころを知らず、引き出した現金は、銀行員が知人へ届けたという。
入金目的は、前年に一万円札のデザイン交換があり、角度によって像が変わるホログラムが新たに採用されたため、新札に交換するためだったとしている。
弁護士は「頼まれて口座を貸しただけで、不正な資金ではない。政治団体の収入にはならず、報告書に記載する必要はない」としている。
特捜部は、この4億円の入金時期が、中堅ゼネコン「水谷建設」元幹部が供述した小沢氏側への2度目の現金5000万円の提供時期と近いことから、関連を調べている。
関連記事:ゼネコン側、妨害恐れ献金
←応援よろしく
これこそ政官財癒着構造の一端である。胆沢ダムは小沢ダムと言われる由縁。天の声で巨大なダムにしたのが小沢一郎氏。

胆沢ダム工事に“鹿島人脈” 下請け5社に“天下り”
小沢氏団体に 献金も1757万円 2010年1月30日(土)「しんぶん赤旗
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部の強制捜査を受けたゼネコン最大手「鹿島」の複数の元社員が胆沢ダム関連工事の下請け企業幹部に“天下り”していたことが判明していますが、本紙の調べで新たな判明分をあわせると5社にのぼることが29日、わかりました。同ダム工事の入札に近い時期に東北支店幹部を務めていた人物が目立ち、“鹿島人脈”の存在が改めて注目されます。
東北地方における談合の“仕切り役”と西松建設の偽装献金事件で検察に指摘された鹿島が参加するJV(共同企業体)は、胆沢ダム「堤体盛立工事」を1期、2期とも受注しました。
本紙の調べによると、1期工事で鹿島JVの1次下請けとなった5社の幹部に鹿島OBがいました。そのうち、4社が、小沢氏側の政治団体に合計1757万円を献金していました。
19日に特捜部の家宅捜索を受けた「宮本組」(兵庫県姫路市)には、同工事の入札があった2004年当時、談合の仕切り役だった鹿島東北支店元幹部が08年1月に顧問として採用されています。元幹部の自宅も今月13日に家宅捜索を受けました。
宮本組関係者によると、元幹部はほとんど出勤せず、勤務実態はないといいます。
同社は、小沢氏が支部長の政党支部など同氏関連の政治団体にパーティー券購入や献金で1182万円(03年~08年)の資金提供をしています。
同じく家宅捜索を受けた「山崎建設」(東京都中央区)の現社長は、入札の前年の03年に鹿島東北支店長だった人物です。仕切り役とされる元幹部の上司でした。
山崎建設は150万円(同)を小沢氏側に献金をしていました。
宮本組や山崎建設とJVを組んだ「丸磯建設」(東京都品川区)には、03年に鹿島東北支店次長だった人物が同年9月に入社。同社の営業本部本部長になっていました。
200万円を献金した「梨子建設」(盛岡市)の専務も、鹿島東北支店OB。225万円を献金した「菊一建設」(東京都町田市)の取締役も鹿島OBでした。
![]() |

特捜部は、小沢氏の個人資産などがつくられた経緯を解明するため、10年以上前にさかのぼり、東北地方の大型公共工事の受注経緯について、ゼネコン各社から事情聴取。工事に絡み、小沢氏側への資金提供がなかったかについて、全容解明を進めているもよう。
それにしても、手の込んだ経理操作をしているもんだ。
http://www.jiji.com/jc/v2?id=20100123ichiro_ozawa_01
関係者によると、石川容疑者は特捜部の調べに、「10月11日または12日に、ビニールで包んだ状態の1億円を四つ、個人事務所で小沢先生から渡された」と供述しているという。
石川容疑者は同13日から27日までの2週間に、陸山会名義のりそな銀行の口座に、5000万円前後に分けて、計約2億円を入金。このほか、都銀2口座と地銀1口座に、4000万円、3000万円などの入金を繰り返し、最終的に4口座へ総額4億円を入れた。28日から29日午前にかけて、りそな銀行の口座に、ほかの3口座から1億数千万円を集約。さらに小沢氏関連の二つの政治団体の口座にあった約2億円もこの口座に移動した。分散入金前にこの口座にあった資金と合わせ、口座の残高は6億数千万円となった。
石川容疑者は29日午前、ここから約3億4000万円の土地代金を支払った。さらに同日午後、別の関連政治団体から数千万円を入金。口座残高は4億数百万円となり、うち4億円で定期預金を組み、これを担保に同額の融資を受けた。
これが単純な経理上のミスとでもいうのか、逆に闇のカネの真相がわかろうというものだ。国会への参考人招致絶対に必要だ。

購入資金4億円の原資は何なのか、報告書の不記載にどう関与したのか、小沢氏自身の明確な説明が焦点になる。
疑惑の核心は、土地購入の原資は、ゼネコンからの裏献金ではないか、ということ。小沢氏の地元、岩手県奥州市に建設中の国発注の「胆沢ダム」の下請け工事2件を受注した重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の元幹部が東京都内のホテルで、小沢氏側に紙袋に入れた現金1億円を5000万円ずつ2回にわたって渡したという、同建設関係者のリアルな証言を得ている。(しんぶん赤旗)
渡した時期は同社が受注した工事の入札が行われた後で、相手は、陸山会の事務担当だった民主党衆院議員の石川知裕容疑者(36)と、同会会計責任者だった公設第1秘書の大久保隆規容疑者(48)。(図参照)
1回目の石川容疑者への5000万円提供は、土地購入の直前でした。
水谷建設とともに下請け工事を受注した中堅ゼネコン2社も特捜部の家宅捜索を受けている。「胆沢ダムは小沢ダムだ」といってはばからない小沢氏側が公共事業の発注に「天の声」を行使していた“見返り”にゼネコン・マネーが小沢氏側に流れ込み、土地購入の原資になったのでは―という疑惑の構図が浮かんでくる。
一方、石川容疑者は調べにたいし、「大久保秘書から購入前に、代金の4億円を小沢氏から借りることを提案された。2人で小沢氏に相談し、貸し付けを受けることの了承を得た」と説明していることが21日、関係者の話で分かった。同容疑者は、4億円を借り入れた後、土地代金を支払うとともに、4億円で定期預金を組んで同額の融資を受けるなどの処理についても小沢氏に報告していたという。
小沢氏の関与は濃厚。なぜ、土地購入に必要な現金4億円があったのに、土地取引に利子払いの発生する預金を担保にした融資をわざわざ組み込んだのか、出所を隠すためではないのか―。この点の説明も必要。
風雲急を告げる……。
![]() 〈注〉しんぶん赤旗取材、各紙報道などで作成 |
関連記事: “天の声”より民の声聞け
土地購入の4億円どこから
公共事業がカネの力で歪められるーこんな金権腐敗政治はもうやめにして欲しい。原資の原資といえば税金だ。政党助成金の使途不明の疑惑もある。政治の責任で小沢氏を国会に招致してでも真相を明らかにしてもらいたい。剛腕が折れるまで。
←応援よろしく
「追及 闇のカネ」 ゼネコン裏献金焦点
小沢氏団体 土地購入の原資 水谷建設から流入か 2010年1月17日(日)「しんぶん赤旗」
民主党・小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入疑惑は、同会事務担当者だった衆院議員石川知裕容疑者(36)、同会会計責任者だった公設第1秘書の大久保隆規容疑者(48)など小沢氏の3人の現・元秘書が逮捕されたことにより、新たな局面を迎えました。「小沢疑惑」の様相です。土地購入に使われた4億円の原資は何だったのか、徹底的な解明が求められています。 (「政治とカネ」取材班)
東京地検特捜部は、小沢氏の関連事務所とともに、ゼネコン最大手の「鹿島」本社、東北支店などを強制捜査するなど、2004年10月の土地購入資金にゼネコンが提供した闇のカネが含まれているとみています。
注目されているのは、「しんぶん赤旗」が明らかにした重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の関係者の証言です。
同社は、国が小沢氏の地元、岩手県奥州市に建設中の胆沢ダムの下請け工事を2件受注していますが、その工事の入札が行われた直後に同社幹部が東京都内のホテルで各5000万円を小沢氏側に渡したというリアルなものです。渡した相手は、それぞれ石川容疑者と大久保容疑者です。水谷建設からの裏金が土地購入の原資の一部になった可能性が指摘されています。(図参照)
水谷建設関係者は、小沢氏側への資金提供は、胆沢ダム工事受注をめぐってのものだったとも証言しています。
仕事を取るために、巨額のカネを渡し、受け取った側は、それを闇で処理して、不動産を買う―。こうした不正を行っていたとすれば、公共事業をカネの力でゆがめるという重大な問題です。
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件の初公判(昨年12月18日)で、検察側は同事件の被告でもある大久保容疑者から「お宅がとった胆沢ダムは小沢ダムだ。忘れちゃ困るよ」と言われたとの「西松」東北支店幹部の調書を紹介しました。
また、検察側は、小沢事務所のパソコンから復元したという鹿島、大成建設などゼネコン8社の献金リストを紹介しました。公判廷で明らかにされた2000~06年の7年間で6億円前後にのぼるこのゼネコン献金はいっさい政治資金収支報告書に記載がありませんでした。
国発注のダムを「小沢ダム」と言ってはばからない公共工事への影響力を背景に、膨大な「闇のカネ」を集めてきた構図が浮かび上がっています。
小沢氏は16日、民主党大会で、土地購入資金について「何ら不正なおカネを充てているわけではない」と述べましたが、ゼネコン・マネーが原資ではなかったのか、みずからの関与について明確な説明はまだありません。
![]() |
関連エントリー記事:「すべて秘書に」とは小沢さん、鳩山さんの合言葉?
関連記事:小沢氏の国会招致を
重要な課題が山積する国会は明日から開幕する。ツートップにかかる疑惑、のりきることができるというのか。まあ、それにしても波乱含みの国会だ。
民主党の小沢一郎幹事長が16日の党大会であいさつした内容は次の通り。 毎日JP
本日は、党務報告を申し上げる予定でありましたけども、先ほど来もお話、ございましたが、皆様ご存じのような事態になりましたので、今までは捜査中ということも考慮いたしまして、私もものを言わずにできるだけ静かにしておったわけでございますけども、現職の国会議員が逮捕されるという事態にまで立ち至りましたので、私はこの機会に、皆様、そして国民の皆様、今までの経緯を、そして私の考え方と、今後の決意について申し上げたいと。そのことは党大会としてふさわしいことではございませんけども、皆様のお許しを頂きたい、そのようなお願いでございます。
この私の政治団体に関する問題は、昨年の春、総選挙の前に起こりました。私の秘書の大久保(隆規被告)が、ある日突然、呼び出しを受け、そしてその場で逮捕、強制捜査ということになりました。それ以来、今日までずっとその捜査が続いておったようでございますが、昨日、今日、石川(知裕)議員と同時に、私の事務所におりました者も逮捕されるということになりました。
私どもの事務所も、もちろん収支報告にあたりまして、計算の間違いや、あるいは記載の間違いやら、それはあったかと思います。しかしながら、このような形式的なミスにつきましては、今までのほとんどのケースで、報告の修正、あるいは訂正ということで許されてきたものであります。それにもかかわらず、今回の場合はなぜか最初から逮捕、強制捜査という経過をたどって今日に至りました。私はこの点につきまして、何としても納得のできない気持ちでおります。
さらには、最近の報道で、土地の購入にあたり、私どもが「不正の資金を入手して、その購入に充てた」というような報道がなされていると聞いております。私どもは、この資金について何ら不正なお金を使っておるわけではありません。このことについて実は、今月の初めだったでしょうか、検察当局から私の方に弁護士を介して、「このお金はどういうものですか」という問い合わせがありました。私は別に、隠しだてするお金でありませんでしたので、はっきりとこれは私どもが積み立ててきた個人の資金でございまして、金融機関の名前も、支店名もはっきりと申し上げて、「どうぞ検察当局でお調べください」と返答を致しておったのでございます。
その翌日、あるいは翌々日だったかと思いますけども、検察当局から「その預金口座の書類は入手した」という返答が弁護士を通じてありました。従いまして、私は「あ、これでこの資金についての疑いは晴れた」と、そのように考えて安心して、「良かったな」と思っていたところでございます。
それがまた突然、昨日、今日、現職議員を含む3人の逮捕ということになり、本当に私は驚いております。しかも、意図的かどうか分かりませんけども、わが党のこの党大会の日に合わせたかのようにこのような逮捕が行われている。私は到底、このようなやり方を容認することはできませんし、これがまかり通るならば、日本の民主主義は本当に暗たんたるものに将来はなってしまう。私はそのことを、私個人のうんぬんよりも、非常に憂慮しております。そういう意味において、私は断固としてこのようなやり方、このようなあり方について、毅然(きぜん)として自らの信念を通し、そして戦っていく決意でございます。
お昼前に、鳩山(由紀夫)首相ともお話をいたしました。ただいま首相から大変力強い言葉をいただきました。私は首相のお気持ちを自らの支えとして、今後とも与えられた職責を全力で果たしていくと同時に、当面こういう権力の行使の仕方について、全面的にきちんと対決してまいりたい。ただ当面は、そのことについて、私も力を入れ、時間を割かなければならないことが多くなるかと思いますので、当面の間は、表向きの仕事につきましては、輿石(東)幹事長職務代行にお願いする機会が多くなることと思いますけども、それはぜひとも皆様のご了解を賜りたいと思います。
いずれにいたしましても、本当に国民の皆さんの力でようやく日本に議会制民主主義が定着する、している矢先でございます。私は本当に40年の政治生活の中で、日本に議会制民主主義が、政権交代可能な本当の民主主義が定着すること、それのみを願って今日まで頑張ってまいりました。
先ほどからもお話がありますように、(今年は)参院選も予定されております。これに勝利することが、わが党の、鳩山政権の基盤を盤石にすると同時に、日本の議会制民主主義を定着させることになると信じております。どうか皆さん、当面、私、その戦いに力を注いでまいりたいと思います。夏の参院選、お互いに力を合わせて、本当に日本に「国民の生活が第一」の政治を、そして議会制民主主義の確立のためにみんなで力を合わせて頑張ろうではありませんか。
←応援よろしく
元秘書の石川衆院議員の逮捕、池田光智元私設秘書の逮捕。「秘書が、秘書が」の言い逃れはできない。小沢幹事長はきっぱりと政治責任をとるべきだ。昔ながらの自民党流のワイロ政治はもう、これっきりにしてもらいたい。「カネ」で政治が歪められる、こんな政治は小沢氏で終わりにしてもらいたい。これが国民の率直な声ではないのか。それにしても民主党の自浄能力の無さは情けない。
やっと、国会は「自公」政権退場の手術をしたのだが、どうも術後の経過は思わしくない…。
東京地検、石川議員ら逮捕 大久保秘書にも逮捕状 asahi.ccm
民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年に取得した土地の購入原資4億円が政治資金収支報告書に記載されていない事件で、東京地検特捜部は15日夜、いずれも小沢氏の元秘書で同会の事務担当者だった、衆院議員の石川知裕(ともひろ)容疑者(36)=同党、北海道11区=と池田光智容疑者(32)を、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕した。
会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(たかのり)被告(48)についても同容疑で逮捕状を取っており、16日以降に逮捕する方針。 (続きはこちら)
西松建設の違法献金、土地取引疑惑、新生党・自由党の解党時の政党助成金の処理問題など疑惑は累積。
「国民も理解しているから政権を与えてくれた」と、開き直りもはなはだしい。真摯に説明責任を果たそうともしない。自らの資金管理団体が強制捜査を受けたのだ。監督責任は免れそうもない。
首相と幹事長という政党のツートップが「政治とカネ」の問題で疑惑を抱えている。あなたまかせ、司法まかせで自浄能力がないようではこの党の先行きも暗い。まともな政党とはいえない。きちんと実態を調査し、国民に説明をすべきではないのか。
←応援よろしく
陸山会強制捜査 小沢氏の政治責任は明白 土地疑惑の徹底解明求める 産経ニュース
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地購入疑惑で、東京地検特捜部が会計事務担当だった石川知裕衆院議員の事務所や陸山会事務所などの強制捜査に踏み切った。
直接的には、石川氏が平成16年10月の土地購入資金を政治資金収支報告書に記載していなかった政治資金規正法違反(不記載)容疑によるものだ。
だが、この土地購入は小沢氏が指示し、個人資金も提供した。その原資は不透明だ。小沢氏の関与が疑惑の核心といえる。
陸山会に加え、東京都内の小沢氏の個人事務所への家宅捜索も行われた。土地購入に際して違法行為や脱法行為がなかったかどうか、検察当局には徹底した解明が求められている。
最大の問題は、小沢氏の政治責任である。自らの資金管理団体が強制捜査を受けたことの責任はきわめて重大である。違法行為の疑いをもたれたことへの監督責任は免れないからだ。
西松建設の違法献金事件でも、公設第1秘書が規正法違反罪で逮捕・起訴された。資金管理団体でありながら、陸山会が10カ所以上の不動産を購入してきた目的は国会でも疑問視されてきた。
そうした問題を含めて、小沢氏自身の政治資金に対する考え方や取り扱いの是非が問われ、強制捜査に至ったといえる。
与党の最高実力者として、幹事長職にとどまることが許容される状況だろうか。小沢氏を幹事長に起用した鳩山由紀夫首相には、適切な判断が求められる。
◆説明欠く「開き直り」
特捜部の捜査の焦点は、「政治家小沢一郎」をめぐる不透明な資金の流れにあり、そこにメスを入れようとしたものだと受け止められる。
土地購入に関連して、陸山会と関連政治団体との間で複雑な資金移動が行われていた。それが小沢氏の個人資金との関係で「資産隠し」とそのための「偽装工作」が行われていたのではないか、という疑惑さえ招いているからだ。
土地購入をめぐっては、総額10億円以上とみられる資金操作の疑いがあるうえ、石川議員はカネの出どころを隠すために虚偽の説明を行ったとされる。
特捜部はこれまで石川議員に任意の事情聴取を重ねてきたが、事件の徹底解明には強制捜査による家宅捜索が必要と判断したとみられる。石川議員に対する調べを任意から強制捜査に切り替えることも検討されている。
小沢氏は「捜査中だから」という理由で「政治とカネ」にからむ重大な疑惑に対し、正面から答えようとしていない。国政に多大な影響を及ぼす政治家としてきわめて無責任な対応であり、疑問を呈さざるを得ない。
それに加えて、小沢氏は特捜部による参考人聴取の要請に対して、「忙しい」との理由で拒んだままだという。
◆民主は自浄能力発揮を
4億円の個人資金の原資が何なのかなど、小沢氏からの聴取は欠かせない。ゼネコンからの裏献金疑惑も浮上している。
小沢氏は12日の定例記者会見で、陸山会の土地購入疑惑に関する具体的説明を避けた。鳩山首相も、巨額の偽装献金事件で「捜査中」との同じ理由で説明を拒み続けた。政府・与党のトップが2人とも相次いでそうした態度をとることは、政治家自身の倫理にとどまらず、国民の道義心に悪影響を与えないか。政治全体への信頼が失墜することが危惧(きぐ)される。
小沢氏は12日の会見では「私の政治団体の問題で国民に迷惑、心配をおかけして申し訳ない」と陳謝していた。
しかし、強制捜査を受けた13日夕、訪問先での会合では「法に触れることをしたつもりはない。国民も理解しているから政権を与えてくれた」などと語った。政治責任はないと開き直ったように聞こえる発言だ。
自分は「もっともオープンな政治家だ」と日ごろ主張していながら、事が起きると沈黙に徹するギャップは大きすぎる。やはり説明のつかない点があるのか、という疑問をぬぐえない。
この事態を迎えても、民主党は自浄能力を発揮できないのか。党のトップが、説明のつかない土地購入や資金管理で検察当局の強制捜査を受けている。
小沢氏からの説明さえ求めないような空気では、政治とカネに関する正常な感覚を党自体が失っているようにみえる。
関連記事:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100114/stt1001141326005-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100114/crm1001140030002-n1.htm
「すべて秘書にかまかせていた」とはどうやら鳩山首相と小沢幹事長の合言葉らしい。自らの資金団体のこと、このような言い訳はじつに見苦しいかぎり。世間では通用しない。
政権与党の現職幹事長が『政治とカネ』の問題で地検から事情聴取を受けるようなことになれば戦後政治史上、前代未聞のこと。
鳩山由紀夫首相の偽装献金問題を含め、「政治とカネ」の問題が通常国会の焦点の一つとして大きく浮上してきた。自公政治ノーの審判で誕生した民主党中心の政権だがどう乗り越えるのか、それにもまして「企業・団体献金の禁止」、「政党助成金制度の廃止」をだ。
←応援よろしく
05年にも4億円不記載=同時期にゼネコン「裏献金」-関連を捜査・東京地検 時事通信
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題で、土地を買った翌年の2005年春にも、政治資金収支報告書に記載のない4億円が同会の口座に入金されていたことが9日、関係者の話で分かった。同じ時期には、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元幹部が、小沢氏側に2度目の5000万円の裏献金をしたと供述している。
東京地検特捜部は、4億円が陸山会への寄付かどうかが不明なため、政治資金規正法違反罪での立件は困難とみているが、「裏献金」供述と入金との関連について捜査を続けているもようだ。
関係者によると、水谷建設元幹部は昨年の特捜部の事情聴取に対し、04年10月と05年4月に、小沢氏側に各5000万円、計1億円の裏献金を渡したと供述したとされる。(記事全文こちら)
紙袋で1億円 秘書2人に 小沢氏側へ水谷建設ヤミ献金 2010年1月10日(日)「しんぶん赤旗」
全日空ホテルで紙袋に入れた現金5千万円を2回、計1億円を秘書に渡した―。重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の関係者が赤旗日曜版編集部に、民主党の小沢一郎幹事長秘書にヤミ献金を渡した状況を詳しく証言しました。日曜版1月10日号で報道しています。
水谷建設は、小沢氏の地元、岩手県奥州市で国が建設中の胆沢ダム(総事業費2440億円)の2工事(堤体盛立、原石山材料採取)で下請け工事を受注しました。
水谷建設関係者によると、2工事の入札後の2004年10月20日ごろと翌05年4月末ごろ、水谷建設幹部が小沢氏の秘書(当時)にそれぞれ紙袋に入れた5千万円を渡しました。
渡した場所は2回とも東京都港区赤坂の東京全日空ホテル(現、ANAインターコンチネンタルホテル東京)の飲食店内。渡した相手は、1回目が当時、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の事務担当者だった石川知裕・民主党衆院議員。2回目が、当時、「陸山会」の会計責任者で現在、公設第1秘書の大久保隆規被告。大久保被告は、準大手ゼネコン・西松建設をめぐる違法献金事件で公判中です。
水谷建設関係者は「胆沢ダムは小沢事務所の影響力が強かったので、下請け工事の受注をじゃまされないようにあいさつにいった」と語っています。この水谷建設からの1億円について陸山会の政治資金収支報告書に記載はありません。政治資金規正法では、企業献金は政党と政治資金団体しか受けられず、陸山会で受けていた場合は、寄付の質的制限違反に問われます。
水谷建設からのヤミ献金は、疑惑が浮上している陸山会による土地取引との関係でも注目されています。
東京地検特捜部は、石川氏と大久保被告を任意で事情聴取をしています。水谷建設からのヤミ献金について小沢氏は記者会見で「そのような事実はない」と全面否定。水谷建設は「お答えすることはできません」としています。
人気ブログランキングへ←応援よろしく
小沢氏資金疑惑国民の疑問に答えていない 2010年1月7日(木)「しんぶん赤旗」
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金についての疑惑が、相次いで報道されています。東京地検特捜部は、同会の事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員や、会計責任者だった公判中の大久保隆規公設第1秘書から事情を聴取し、大手ゼネコン数社の取り調べも始めたといわれます。
疑惑をもたれているのは億単位の巨額の資金です。複雑な資金の流れや出所は解明されていません。なんといっても不可解なのは小沢氏自身から満足な説明が聞こえてこないことです。国民が納得できる疑惑の解明は不可欠です。
流れも出所も不明なまま
疑惑の発端は「陸山会」が2004年に東京都世田谷区深沢の土地を約3億4000万円で購入したのに、同年の政治資金収支報告書には記載されていなかった問題です。翌年の報告書には「陸山会」が4億円の定期預金を担保に金融機関から4億円を借り入れ、土地代金に支払ったように記載されていましたが、実際の取引は借り入れの前で、もともとの土地代金などの出所は不明のままでした。
昨年末、東京地検特捜部の任意の取り調べを受けたといわれる石川議員は、政治資金収支報告書への不記載を認め、土地代金にあてた資金はもともと小沢氏の「貸付金だった」と説明したもようです。政治資金の流れを透明にするための報告書に記載せず、うそを届け出ること自体、政治家として許されない重大犯罪です。
しかもことはそれだけにとどまりません。昨年末以来の一連の報道で明らかになったのは、「陸山会」が土地取引の前後、小沢氏関連の複数の政治団体を経由して数億円の現金を集めており、これらの資金の流れや出所も不明で、届け出られていません。同じように複数の政治団体を介在させた巨額の資金操作は土地取引の翌年にもあり、それも報告書には記載されていません。
これらの資金と石川議員が説明したといわれる小沢氏の「貸付金」との関連はどうなるのか。07年には「陸山会」が小沢氏に4億円を支出していたという報道もあり、借入金の返済だった可能性もありますが、なぜその時期だったのか。なにより小沢氏がどのようにしてそうした巨額の資金を集めたのかは、依然なぞのままです。
小沢氏をめぐっては大手ゼネコンなどからの巨額の献金疑惑が指摘されているほか、新生党から新進党、自由党と結党・解散を繰り返す間に、政党助成金を含む使い残した政治資金数十億円が「行方不明」になっているという指摘もあります。資金の流れや出所を明らかにすることは、国民に対する責任として、あいまいに済ますことは絶対許されません。
企業献金禁止の実行を
小沢氏は、準大手ゼネコン「西松建設」からの献金を、個人献金と偽装した疑いでも、大久保秘書が逮捕され、公判中です。その後も公共事業発注に絡むゼネコンからの裏献金などの疑惑が次々明らかになっていますが、小沢氏は説明を拒否してきました。
いまこそ小沢氏は、すべての疑惑を国民の前に説明すべきです。同時に、自ら約束した企業・団体献金の全面禁止に本気になって取り組むかどうか、与党の幹事長としてもその責任が問われています。