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仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ロンドン・ヒート

2018年12月08日 | ムービー
『ロンドン・ヒート(原題The Sweeney)』(2012年/ニック・ラヴ監督/イギリス)を見た。
物語は、「ロンドン警視庁犯罪捜査部(CID)に属する、優秀な者のみを集めた特別捜査チーム、通称スウィーニー。今回は、情報屋ハリー(アラン・フォード)のたれ込み情報から、50万ポンド、クルーガーランド金貨、金塊などを狙って倉庫に押し入った武装強盗を逮捕した。しかし、あまりにも規則をないがしろにするリーダーのジャック・リーガン警部(レイ・ウィンストン)を快く思わない内部監察部アイヴァン・ルイス捜査官(スティーヴン・マッキントッシュ)による内部監察を受けることになり・・・」という内容。
聞き込み捜査中も「俺の管轄で楯突くな」と言いながら、相手を投げ飛ばしたり、強引な捜査を続けるリーガン。
だが、一番厄介なのは、リーガンと不倫関係にある部下のナンシー(ヘイリー・アトウェル)がルイス捜査官の奥さんであることだ。
ナンシーは、「夫とはうまくいってなくて、ただ一緒に住んでるだけ」と、同僚のジョージ・カーター(ベン・ドリュー)夫妻との食事会でついに告白したし、リーガンは「一緒に店を始めてもいいし、お前のためなら何でもできる」と、二人とも後戻りする気はさらさらない。
事件現場で強奪されなかったはずの金塊が、情報提供者のハリーに報酬として渡されたり、組織というよりもリーダーのリーガンに随分と問題があるようだ。
せっかくの良いシステムなのに、個人の資質のせいで解体の危機にさらされるだなんて、もったいない。
これは、1975年から1978年までテレビで放送されたドラマ『ロンドン特捜隊スウィーニー』のリメイク版とのこと。
30年以上も経ってから映画化されるだなんて、根強いファンが多いということなのだろうか。
まぁ、それなりに面白い物語ではあった。


獄門島(その2)

2018年12月04日 | ムービー
11年ぶりに『獄門島』(1977年/市川崑監督)を見た。
物語は、「昭和21(1946)年。瀬戸内海に浮かぶ周囲二里ばかりの小島で、明治以前は流刑場だった獄門島に、探偵・金田一耕助(石坂浩二)がやって来た。帰国の途中、復員船の中でマラリアにより死亡した本鬼頭(本家)の長男・鬼頭千万太(武田洋和)の絶筆を千光寺・了然和尚(佐分利信)に届けるという依頼を友人・雨宮から受けたからだった。そしてもう一つ、自分が帰らないと殺されるという千万太の妹・月代(浅野ゆう子)、雪枝(中村七枝子)、花子(一ノ瀬康子)についてことの真相を確かめ、可能なら未然に防いでほしいということだった。しかし、本家に住んでいる分家の娘・早苗(大原麗子)に事実を伝えた夜、殺された花子の死体がノウゼンカツラの木に吊るされ・・・」という内容。
殺人事件の捜査に当たるのは、岡山県警の等々力警部(加藤武)、阪東刑事(辻萬長)と、駐在の清水巡査(上條恒彦)の三人なのだが、金田一を容疑者として留置する清水もそうだし、誰よりも等々力警部の早合点が酷い。
「よし!分かった!!」と言いながら、手をポンと叩くのだが、これがマッタク当てにならない。
(^_^;)
そればかりか、捜査を間違った方向に導いて時間ばかりを浪費してしまいそうな気がするし、何より冤罪を生み出す原因にもなりかねないのが、本筋とは違う妙な怖さがあるのだった。
これは、推理作家・横溝正史(1902年~1981年)による同題の探偵小説が原作で、"金田一耕助シリーズ"作品の一つとして、昭和22(1947)年から昭和23(1948)にかけ、雑誌に連載されていたという。
なかなかに難解な事件をいくつも解決する金田一だが、いつも殺人事件を未然に防ぐことが出来ないのが残念だ。

ブルー・ジャスミン

2018年12月02日 | ムービー
『ブルー・ジャスミン(原題Blue Jasmine)』(2013年/ウディ・アレン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨーク住まいだったジャネット・フランシス(ジャスミン/ケイト・ブランシェット)がサンフランシスコにやって来た。ハーバード大学のクラスで一番というのが自慢だった養子のダニー(オールデン・エアエンライク)、実業家のように振る舞っているが実は詐欺師だった夫ハル(アレック・ボールドウィン)とのセレブな生活が破綻して無一文となり、妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)を頼ってきたのだ。妹と一緒に暮らすつもりだったチリ(ボビー・カナヴェイル)とは気が合わず、インテリアコーディネーターの資格取得のために通ったパソコン教室の勉強もなかなか捗らないジャスミンは・・・」という内容。
妹のジンジャーは、当時の夫オーギー(アンドリュー・ダイス・クレイ)が起業資金にと考えていた20万ドルの宝くじ当選金をハルに騙し盗られたことが原因で離婚し、今はスーパーマーケットで働きながら二人の男の子を育てている。
二人とも養子だったので血は繋がっていないし、かつては前夫と共に邪険にされていた妹だったが、彼氏との新生活を延期してまでも姉を助けようというのだから、とても優しい人だ。
ジャスミンは、ADD(注意欠陥障害)を患っているとのことで、時々、宙を見つめたり、過去を思い起こして独り言を言う様子がなかなかに怖い。
(^_^;)
何度も回想シーンが出てくるが、高級ブランドの服を綺麗に着こなすニューヨーカーのジンジャーやスーツ姿のハルと、サンフランシスコから観光に来たジャンパー姿のオーギーとの対比が妙に面白く感じられた。
利回り20%の投資話だと聞かされ、それに乗ってしまうだなんて、あり得ないと思うのだが、豪華な暮らしや、着飾った姿形にすっかり騙されてしまったのは、詐欺師の思うつぼだったわけだ。

隠し剣 鬼の爪

2018年11月20日 | ムービー
『隠し剣 鬼の爪』(2004年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「東北の小藩・海坂藩の平侍・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、母・吟(倍賞千恵子)、妹・志乃(田畑智子)と貧しくはあるが笑顔の絶えない日々を送っていた。しかし、母が亡くなり、志乃は親友・島田左門(吉岡秀隆)のところへ嫁いでいった。16歳の時から妹のように可愛がっていた女中のきえ(松たか子)も商家に嫁ぎ、家の中は火が消えたように静かになった。三年後、降りしきる雪の中、町で偶然見掛けたきえに声を掛けた片桐は、まるで病人のように痩せた様子が気になった。"きえは幸せだか?旦那さんは大事にしてくれているか?"と聞くと、きえは涙を流したのだ。母の三回忌の法事を執り行った日、きえが嫁ぎ先の伊勢屋で酷い扱いを受けて寝込んでいることを知った片桐は・・・」という内容。
島田と一緒にきえの嫁ぎ先・油問屋の伊勢屋を訪ねた片桐は、陽の当たらない階段下の板の間に寝かされているきえを見て愕然とし、亭主に離縁状を書いておけと言って、きえを連れて帰った。
「寝てばかりいて何の役にも立たない嫁だ」と言い捨てるこの伊勢屋の姑(光本幸子)がただ者じゃない。
ちゃんと出入りの医者にみせていると言ってはいたが、島田家の取引先の番頭の話では、二ヶ月寝込んでいるがお金惜しさから医者にはみせてなく、実家の父親が見舞いに行っても我が家の嫁だからと門前払いだったとのことらしい。
奉公人に対して厳しい言葉で話しているようにも聞こえていたが、外面は立派でもその人間性は最悪のようだった。
この時代は幕末で、海坂藩には江戸から砲術の教官(松田洋治)が赴任してきていたが、海坂藩が主力としている火縄銃はすでに時代遅れ。
最新式のアームストロング砲一門と火縄銃500丁が同等の値段らしいが、時代遅れなのは武器だけではなくて、考え方も時代に着いて行けてない様子だった。
文久元(1861)年、海坂藩江戸屋敷で謀反が発覚し、幕府に知られるのを恐れた藩は関係者を隠密裏に処分したのだが、この藩の指揮を取った家老・堀将監(緒形拳)が、これまた酷い奴。
大目付・甲田(小林稔侍)と一緒に、謀反人の一人、狭間弥市郎(小澤征悦)と親交が深かった藩士の氏名を明かすように迫り、「仲間を密告するなんてことは侍のすることではない」と断ると、「平侍のくせに生意気な口をきくな。わしを一体誰だと思ってるんだ」と、殴る蹴るだ。
ただ、片桐と狭間は藩の剣術指南役・戸田寛斎(田中泯)の門下生ではあったものの、それほど気が合う関係には見えなかったから、氏名を明かすなど無理だったのではないだろうと思えた。
藤沢周平作原作の"海坂藩もの"の映像作品は、切ない物語がほとんどだが、映し出される風景は綺麗だし、時代考証もしっかりしている気がして面白い。

ベネファクター / 封印

2018年11月19日 | ムービー
『べネファクター/封印(原題THE BENEFACTOR)』(2015年/アンドリュー・レンジ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「親友ボビー(ディラン・ベイカー)と妻ミア(シェリル・ハインズ)の一人娘オリビア(プードル/ダコタ・ファニング)がフィラデルフィアを離れる日、彼等の家を訪ねた大富豪のフラニー(リチャード・ギア)は、クルマに同乗してふざけていた時に交通事故に合ってしまう。運転席のボビーと助手席のミアが死亡し、自身も後遺症が残る重症を負ってしまった。自分のせいで親友夫婦を死なせてしまったフラニーは、事故以来、世捨て人同然の日々を送っていたのだが・・・」という内容。
突然プードルからの電話が入ったのは、事故から5年後のこと。
結婚相手のルーク(テオ・ジェームズ)が職場の上司とトラブルを起こしたことと出産がキッカケで、フィラデルフィアに帰る決心をしたと言うプードル。
自分の子供のようにプードルを可愛がっていたフラニーは、夫ルークを自分の病院に雇い入れ、彼女の実家を買い戻して二人にプレゼントした。
そればかりか、数十万ドル残っているというルークの学費ローンを完済してあげもしたのだが、これにはプードルはともかく、ルークにとっては意味不明なことだったろう。
亡き義父の親友とはいえ、まったく知らない人なのだから。
富豪のフラニーにとっては端金なのかもしれないが、一般人にとってみれば、越したばかりのアパート契約のことを一切考えず、郊外の庭付き一戸建てをポンと買い与えるだなんて、感謝の気持ちより不気味さのほうが先に立ったことだろう。
「学費ローンの返済ではなく、人を救うことに力を尽くせ」と言うフラニーの考えも分からないことではないのだが、これはどうにも特別扱いが過ぎたようだ。
同じことをするにしても、もう少し時間をかけなければ、変に誤解されるだけの結果に終わってしまいそうで、これでは善意の空回りだ。
まぁフラニーには何も打算がなかったわけではないのだが・・・。
(^_^;)

バンコック・デンジャラス

2018年11月18日 | ムービー
『バンコック・デンジャラス(原題Bangkok Dangerous)』(2008年/オキサイド・パンダニー・パン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ジョー(ニコラス・ケイジ)は成功率100%の殺し屋。ターゲットのことは"誰かにとっては悪党"と割り切っている。自分に課している仕事の掟は、"質問するな。善悪は存在しない"、"堅気の人間と関わるな。信頼は存在しない"、"跡を残すな。匿名で行動し存在した印は消せ"、"引き際を知れ。長く続ければ腕が鈍り自分が標的になる"という四つだ。次の依頼者との取引を最後の仕事にして引退するつもりのジョーは、バンコクへと向かった。現地でチンピラのコン(シャクリット・ヤムナーム)を依頼者との連絡役として雇い・・・」という内容。
コンを雇ったのは、"少し英語が話せる"、"金で動く"、"使い捨てに出来る"という条件に合ったからだが、いつもこの条件で助手を雇い、そして最後には殺してしまうようだ。
ただ、どうしようもない奴を雇い入れることになるので、信号無視を警察官に見つかって止められたり、別のチンピラに襲撃され、そこから殺人の依頼が発覚してしまうというリスクまでは排除出来ない。
しかし、自分一人ですべてを賄えるわけではないから、どうしても助手は必要なのだろう。
これは痛し痒しだ。
厳格にマイルールを守り続けてきたジョーが変わったのは、ドラッグストアで接客してくれた聾唖者のフォン(チャーリー・ヤン)と知り合ってから。
とても親切に接客してくれた彼女のことが気になって仕方がないジョーはフォンを食事に誘う。
冒頭では、「食べるのも寝るのも一人。人恋しくもなるけれど根なし草だから仕方がない」と語っていたジョーだが、彼女と知り合ったことによって四つの掟が厳密なものではなくなっていくのが、彼女の存在によって人間性を取り戻してきた証なのだろう。
二人でトムヤムクンを食べながら、ハーブのパッブンという葉っぱを食べていだが、辛いタイ料理を食べながら水を飲むより、その葉っぱを食べたほうが辛さが収まるのだという。
(^_^)
そう聞くと、辛いタイ料理が食べたくなってきた。

ミニミニ大作戦

2018年11月17日 | ムービー
『ミニミニ大作戦(原題The Italian Job)』(2003年/F・ゲイリー・グレイ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ベネチア。チャーリー・クローカー(マーク・ウォールバーグ)は、父親のように慕っている伝説の金庫破りジョン(ドナルド・サザーランド)、運転操作のエキスパート、ハンサム・ロブ(ジェイソン・ステイサム)、爆破の専門家レフト・イヤー(モス・デフ)、天才プログラマーのライル(セス・グリーン)らを仲間にして3,500万ドル相当の金塊を盗み取る計画を立て、実行に移した。作戦は大成功。皆、分け前を何に使うか考えるだけでウキウキしていたのだが、スティーヴ・フレゼリ(エドワード・ノートン)が裏切り、ジョンを殺害した上で、金塊をすべて奪って逃げたのだった。そして、一年後。ロサンゼルスにジョンの娘ステラ・ブリジャー(シャーリーズ・セロン)を訪ねたチャーリーは・・・」という内容。
ベネチアでの金塊強奪作戦が成功した後、ジョンは「強盗には二種類いる。金が目当てで盗む奴と盗みを生き甲斐にする奴だ。後者になるな」とチャーリーに忠告するのだが、一年後の金塊奪回作戦は、金も目当てであったものの、復讐・仕返しの意味合いが強かったようなので、このジョンの忠告はチャーリーには届いていなかったようだ。
まぁ確かに、皆の分け前を奪い、独り占めしてのうのうと生きているスティーヴみたいな奴を許すことは出来ないだろうが。
許すことが出来ないといえば、ステラは父親を殺したスティーヴを許せないのは勿論だが、チャーリーのことも許すことが出来ない。
それは、一度引退をしたはずの父親を強盗の仲間に誘い、死に至らしめたのが彼だと考えるからだ。
しかし、そういう気持ちよりも復讐心のほうが勝るものなのだろう。
怒りのパワーは強い。

ファイナル・カウントダウン

2018年11月16日 | ムービー
『ファイナル・カウントダウン(原題The Final Countdown)』(1980年/ドン・テイラー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1980年。タイドマン重工の社員ウォーレン・ラスキー(マーティン・シーン)は、視察のため、マシュー・イーランド海軍大佐(カーク・ダグラス)が艦長を務める原子力空母ニミッツに乗り込んだ。ハワイ沖を航行中の同艦はその直後に突然の異常な嵐に遭遇し、巻き込まれてしまう。嵐が去り、海域は穏やかになったのだが、無線の送受信はできるものの交信は不能。偵察に出たF14トムキャットが撮影した写真には、日本海軍による真珠湾奇襲攻撃で沈没したはずのアリゾナ、テネシー、ウエスト・バージニア等が無事な様子で写っていた。偵察機は、2機の国籍不明機の正体が三菱A6M型零式艦上戦闘機であることを確認し、さらに偵察機E2は、6隻の空母と24隻の護衛艦艇からなる日本海軍の機動部隊を発見したのだが・・・」という内容。
なんとニミッツは、1941年にタイムスリップしていた。
1980年のアメリカ海軍の武装で1941年の日本海軍を相手にするのなら、空母一隻とはいえ、戦闘はおそらくアメリカ海軍の圧勝で終わり、真珠湾への奇襲攻撃を阻止することが出来るだろう。
先制攻撃を主張する副長のダン・サーマン中佐(ロン・オニール)に対し、イーランド艦長はさすがに冷静だった。
それではアメリカが日本に宣戦布告をすることになってしまい、歴史が変わってしまうのだから、いくらなんでも先制攻撃はできない。
しかし、すでに飛行隊長のリチャード・T・オーウェンス中佐(ジェームズ・ファレンティノ)は、歴史では行方不明になっているサミュエル・チャップマン上院議員(チャールズ・ダーニング)と秘書のローレル・スコット(キャサリン・ロス)を救助してしまっていたし、捕虜にした零戦パイロットの銃撃により空母乗員の数名が死亡してもいた。
慎重な艦長の考えに反して、実は歴史は変わってしまっていたのだから厄介なのだが、乗員の死亡はさほど問題視されないままに物語が展開してしまうのが、都合よすぎる気がした。

たそがれ清兵衛

2018年11月15日 | ムービー
『たそがれ清兵衛』(2002年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「幕末。東北の庄内地方にある七万石の小藩・海坂藩。御蔵役を務める井口清兵衛(真田広之)は、夕刻の終業の太鼓を聞くと同僚の酒の誘いも断り、真っ直ぐ自宅に帰ることから、影で"たそがれ清兵衛"と呼ばれていた。帰宅後は、認知症を抱える老母・きぬ(草村礼子)と幼い二人の娘・萱野(伊藤未希)、以登(橋口恵莉奈)の世話、そして労咳で死んだ妻の薬代や葬儀などで嵩んだ借金を返済するため、家事と内職にいそしんでいたからだった。日々の暮らしに追われる貧乏生活で身なりが薄汚れていく清兵衛だったが・・・」という内容。
着ている物は綻びや穴だらけで、風呂にも入らず臭いも酷い。
そんな様子を憂いた上司・久坂長兵衛(小林稔侍)に、清兵衛の同僚・矢崎(赤塚真人)が「清兵衛の祿高は五十石だが、お借り米を引かれて手取りは三十石。内職しに嫁に行くような所に後妻など来ない」と説明する。
それでも縁談を勧めようとする本家の井口藤左衛門(丹波哲郎)に、「この暮らしは、考えられているほど惨めだとは考えていない。二人の娘が日々育っていく様子を見るのは実に楽しい」と言う清兵衛。
夜、行灯の明かりと囲炉裏の火を頼りに鳥かごを作る内職をしながら娘達と本音で話す様子は、ほのぼのとして楽しそうに見えた。
いずれ天下が変わると言う飯沼倫之丞(吹越満)に、御所警護の人手が足りないから京都へ行こうと誘われても、天下が変わった時は侍をやめて百姓になると答えた清兵衛。
まるで欲がない男で、それが、飯沼の妹・朋江(宮沢りえ)とのせっかくの話を上手く進めることができなかった理由でもあったのだが、飯沼家は四百石、朋江が嫁いでいた甲田豊太郎(大杉漣)の家は千二百石。
その辺りの一連のエピソードも含め、どうにも切ない物語だった。

新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬

2018年11月14日 | ムービー
『新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬』(1971年/降旗康男監督)を見た。
物語は、「網走刑務所を仮出所した末広勝治(高倉健)は、結婚間近の妹・明子(江夏夕子)が待つ東京へと向かっていたが、静内駅前で食堂を経営している北野信造(南利明)の策略にあい、列車を降りたまま取り残されてしまった。仮出所の際に看守の犬飼(室田日出男)から酒に気を付けろと忠告された末広だったものの、静内食堂でビールを飲んだあげく、熊谷牧場の三男・三郎(谷隼人)らのグループと乱闘騒ぎを起こして店内を目茶苦茶にしてしまうのだった。宮坂直吉(藤田進)や的場貫一(玉川良一)らと関わり、喧嘩を起こした経緯から、加納秀男(三橋達也)が経営している加納牧場で働くことになった広末だったのだが・・・」という内容。
諦めて静内駅前を歩いている末広の目が止まったのは、アサヒビールのポスター。
竹林を背景にした高倉健が右手にアサヒの瓶ビール、左手には並々と注がれ泡がこぼれ落ちているグラスを持っていて、「いっしょに飲んで貰います!」と書かれている。
それを見て喉を鳴らせた末広が「いっしょに飲ませて貰おうか」と食堂に入りビールを注文するのだが、従業員(太古八郎)にビールを注文したものの、どうしようか迷い続ける場面が妙に印象的だった。
飲み出したら自分では止められないことが分かっていたのだろう。
それでも結局は酒を飲んで暴れてしまうのだから、どうしようもない。
牧場を手に入れた熊谷組の熊谷太郎(山本麟一)、熊谷源二(今井健二)、三郎の兄弟は何かと加納牧場に因縁をつけてくるのだが、それは加納牧場所有のカノーホマレという競走馬を欲しがってるからだという。
そこに加わる五代政雄(安藤昇)という渡世人が加わって、親分の仇だと末広をつけ狙うのだから、どんどんと面倒な話になっていく。
一度ハマった渡世の道から抜け出すというのはなかなかに大変なこと。
周囲の悪党どもが放っておいてくれないようだ。
それにしても、日高地方の静内町が舞台だというのに"嵐呼ぶ知床岬"とは、適当過ぎる題名のような気がする。
これは襟裳岬にしなければ駄目だろう。
(^_^)

ドライヴ

2018年11月13日 | ムービー
『ドライヴ(原題Drive)』(2011年/ニコラス・ウィンディング・レフン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロサンゼルス。昼はシャノン(ブライアン・クランストン)の自動車修理工場で働き、バイトで映画のスタントマンもしているキッド(ライアン・ゴズリング)は、自身の運転で強盗を逃がす裏家業もしていた。ある日、アパートの同階で幼い息子ベニシオ(カーデン・レオシュ)と暮らしている女性アイリーン(キャリー・マリガン)と知り合い、何かと手助けするうちに彼女と親交を深めていった。やがて、服役中だった夫スタンダード・ガブリエル(オスカー・アイザック)が出所したが、刑務所内での用心棒代にと借りた2000ドルの利息が違法に膨れ上がり、出所後すぐに強盗計画への加担を強要されてしまう。キッドはアイリーンとベニシオに危険が及ばないようにとスタンダードの仕事を手伝うことにするのだが・・・」という内容。
キッドはとても寡黙な男。
アイリーンもベニシオもよく喋るほうではないらしく、三人が揃っている場面でもあまり台詞がなくて、ひたすらに笑顔だ。
台詞は少ないものの、週末のドライヴを楽んだ場面では、揃ってアパートに帰り、キッドが抱き抱えたベニシオをベッドに寝かす画像だけで、充分に幸せそうな様子が伝わってきて、三人のそういった様子はまるで本当の家族のようでもあった。
アイリーンはとてもキュートで、運転中のキッドに手を重ねてくるなど少し罪作りな人。
出所後の夫スタンダードと離婚するつもりもないようだった。
可哀想なのはスタンダード。
自分の罪を恥じ、迷惑をかけただろう友人達への埋め合わせや第二の人生をスタートさせるチャンスについて熱く語っていたのに、再び犯罪者に貶められてしまったのだから。
カーチェイスはスピード感に溢れていて圧倒されるシーンが続く。
主人公がとてもクールで、なかなかに面白い作品だった。


ドリームガールズ

2018年11月12日 | ムービー
『ドリームガールズ(原題Dreamgirls)』(2006年/ビル・コンドン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1962年。音楽界での成功を夢見るディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィ・ホワイト(ジェニファー・ハドソン)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズ)の仲良し三人組は、女性ボーカルトリオ、"ドリーメッツ"として活動していた。エフィの兄C.C.ホワイト(キース・ロビンソン)が作詞作曲した楽曲で地元デトロイト劇場の名物企画"タレントコンテスト"に出場するものの惜敗。しかし、彼女達の可能性を見出だし、マネージメントを買って出たカーティス・テイラー・ジュニア(ジェイミー・フォックス)によって、人気歌手ジェームス・サンダー・アーリー(ジミー/エディ・マーフィー)のバックコーラスに起用された。それを機に、一躍スター街道を歩み始めることになった三人だったが・・・」という内容。
タレントコンテストのステージでの三人はとても自信に満ち溢れていて、彼女達の魅力が爆発していた。
(^o^)
それだけに勝ち残れなかったのがよほどショックだったのだろう。
ステージ前にはとても前向きだったディーナが、「12歳の時から歌を始めて、C.C.からも100曲以上の提供を受けたのに全然売れない。こんなことは無駄だ」というような弱音を見せたのだから。
しかし、運というのはどこで開けるのか分からない。
中古車ディーラーのカーティスが音楽産業に興味を持たなければ、彼女達のプロデビューはなかったし、アマチュアコンテストで選ばれなかった十数分後に、10週間のツアーに出て週給400ドルを保証されるなんてことにはならなかった。
ローレルに「浮き沈みのある仕事ね」という台詞があったが、それを実感することになるのはデビュー後相当の時間が経ってからになるのだろうし、エフィとジミーのほうが身に染みることになったかもしれない。
ジミーが歌っていたが、ショウビズ界というのは永遠に終わることがないゲームなのかもしれない。
ブロードウェイミュージカルが原作とのことだが、これは面白い作品だった。


リベンジポルノ LOVE IS DEAD

2018年10月30日 | ムービー
『リベンジポルノ LOVE IS DEAD』(2015年/羽生研司監督)を見た。
物語は、「大手建設会社・中島建設秘書課勤務の能登沙耶香(吉川あいみ)は男性社員から人気のアイドル的存在。今日もシステム管理部の岸田隆(なかみつせいじ)から高級ランチに誘われていた。しかし、大学時代からの友人で同社派遣社員の優木史子(島村舞花)をダシにして、いつものようにワガママ放題なのだった。そんなある日、史子の部署に大阪支社からイケメン営業マン尾崎義昭(石野理央)がプロジェクトの応援に来た。心ときめく史子だったが、学生時代同様、沙耶香に尾崎を奪われてしまう。だが、それも束の間、沙耶香は専務のジュニアとの縁談が持ち上がってあっさりと尾崎を捨ててしまい・・・」という内容。
"リベンジポルノ"は、社会問題化した時期もあったように記憶しているが、本作品は第二弾とのことで、シリーズとして何作品か作られたようだ。
かつて恋人にノリで撮影された自身の裸の写真が社内の一斉メールを使い、一瞬にして拡散してしまった沙耶香。
いかにワガママ放題の困ったちゃんだったとはいえ、これは可哀想だった。
しかも、それは草野康弘(椋田涼)にゆすられた後でのことだったのだから。
それにしても、復讐心に駆られて人の足を引っ張ったり、他人を貶めることで満足感を得ようだなんて、何とも卑劣だ。

羅生門

2018年10月28日 | ムービー
『羅生門』(1950年/黒澤明監督)を見た。
物語は、「平安時代。京の都の荒れ果てた羅城門で、杣売り(そまうり/志村喬)、旅法師(千秋実)、下人(上田吉二郎)の三人が雨宿りをしていた。あまりの退屈さから、とある事件の参考人として検非違使に出廷したという杣売りと旅法師の話を聞いていた下人だったが・・・」という内容。
その事件とは、洛中洛外に噂の高い多襄丸(三船敏郎)という女好きの盗賊が武士・金沢武弘(森雅之)を縛り上げ、妻・真砂(京マチ子)を手篭めにし、さらに金沢を殺したというもので、その死体の発見者が杣売り、金沢夫妻の最後の目撃者が旅法師だったのだという。
杣売りは、各々の見栄のために一切真実を証言しようとしない当事者達を嘆き、「分からない・・・、分からない・・・、どうしてなんだろう・・・」と悩み続けるのだが、杣売りの男は、実は事件のすべてを見て知っていたことから、悩み続けるはめに陥ってしまっていたのだ。
まぁ、その辺りは自業自得だ。
自分も関り合いになるのは御免だからと、本当のことを話していないのだから。
面白いのは、裁きの場に巫女(本間文子)が呼ばれ、霊媒師として殺された金沢の霊を呼び込み、証言をおこなう場面。
そんなの有りかよ・・・というエピソードだ。
(^_^;)
どうやら正直なのは、旅法師と放免(加東大介)の二人だけだったらしいのだが、検非違使の場では誰が嘘をついているか、正直に証言しているかなどは分からない。
平安の世も、昭和でも平成でも、人間なんてものは、自分に都合の良いことを真実としているのだろう。
この作品は海外で高く評価され、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を受賞したらしい。
日本映画として初めて海外映画祭でグランプリに輝いたのだという。
素晴らしい。
(^_^)


今そこにある危機

2018年10月26日 | ムービー
『今そこにある危機(原題Clear and Present Danger)』(1994年/フィリップ・ノイス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「CIA情報担当官のジャック・ライアン(ハリソン・フォード)は、エドワード・ベネット合衆国大統領(ドナルド・モファット)に、彼の親しい友人のハーディン家がカリブ海の船上で惨殺され、犯人2人がコロンビアの麻薬組織カリ・カルテルの人間であることを報告した。大統領は、"麻薬カルテルはアメリカにとって今そこにある危機だ"と、直ちに対処措置を厳命した。ライアンはガンに倒れた上司のグリーア提督(ジェームズ・アール・ジョーンズ)の依頼でCIA副長官代行を引き受け、ハーディン事件の背後の捜査に当たったのだが・・・」という内容。
もう一人いるCIA(作戦担当)副長官のロバート・リッター(ヘンリー・ツァーニー)。
コイツが悪い奴で、「あの男はボーイスカウトだ。忠誠心があり清廉潔白。バカ正直な男」と、ジェームズ・カッター大統領補佐官(ハリス・ユーリン)に言うほどにライアンを嫌っている。
おそらくは、大統領補佐官の下で、公表できない汚い仕事を担当し続けている人間なのだろう。
ライアンは、ハーディンが麻薬組織の資金洗浄係であったことを突き止め、その報告を受けたベネット大統領は愕然とし「ハーディンとの関係は否定してください」とカッター大統領補佐官から助言されたのだが、ライアンは逆に「私なら友達かと聞かれたら親友だと。親友かと聞かれたら生涯の友だと答えます。そうすればそれ以上追求されない」と助言する。
後日、事件を嗅ぎ付けたマスコミの質問に、ライアンからの助言を採用したのだから、カッターもベネットも面白くなかったことだろう。
(^_^;)
ただ、ライアンは更なる調査のためにコロンビアのボゴタまで行かされるはめになる。
飛行機から降りてすぐに「早くクルマに乗ってください。撃ち殺されますよ」などと言われる最前線に。
どこにでも、出る釘を打とうとする人間はいるわけだ。