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仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

男はつらいよ 寅次郎忘れな草

2021年07月31日 | ムービー
シリーズ第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「車寅次郎(寅さん/渥美清)が故郷柴又のとらやに帰ってきた。仏間で御前様(笠智衆)がお経をあげているのを、家の誰かが死んだものと勘違いしたり、妹さくら(倍賞千恵子)がピアノも買えないのはタコ社長(太宰久雄)が諏訪博(前田吟)に払っている給料が安いからだと毒づいたり、早々に騒動を起こしてしまう。居ずらくなって初夏の北海道へ向かった寅さんは、網走行きの夜汽車で、外の暗闇を見ながら一人涙を流す女性が気になった。翌日偶然にそのリリー(浅丘ルリ子)と出くわし、言葉を交わした二人だが・・・」という内容。
息子の満男にピアノを買ってやりたいと言うのを聞いた寅は、早速おもちゃのピアノを買ってきて得意満面の様子だが、これは誰でも分かる勘違い。
そこになかなか気がつかないのが寅さんなので、竜造(おいちゃん/松村達雄)、つね(おばちゃん/三崎千恵子)など周囲の人達が何かと気を使う。
さすがに寅さん本人もハッと気がついた時には、引っ込みがつかなくなってしまってどんどんとおかしな雰囲気になってしまうのは、お約束のようなものだ。
(^_^)
しかし、自分に照らし合わせて考えられることだとすんなりとよく分かるのか、寅さんがリリーの気持ちを察するのは早かった。
リリーも寅さんにはシンパシーを感じていたのか、二人はなかなか良い雰囲気になるのだが、うまく行かないのが寅さんシリーズ。
ハッピーエンドはシリーズの終了を意味することなので、そうはならないのだ。
(^_^;)
残念。

スピード

2021年07月06日 | ムービー
『スピード(原題Speed)』(1994年/ヤン・デ・ボン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロサンゼルス。高層ビルのエレベーターに爆弾が仕掛けられ、乗客13人が閉じ込められたまま30階近辺で停止した。犯人は身代金として300万ドル(1ドル110円とすると3億3,000万円)を要求してきたが、現場に駆けつけたロサンゼルス市警察のSWAT隊員ジャック・トラヴェン巡査(キアヌ・リーブス)は、先輩ハリー・テンプル巡査(ジェフ・ダニエルズ)と共に人質の解放に成功する。犯人は爆発により死亡したとみられていたのだが、2人が表彰された翌朝に、回送中の路線バスを爆破して運転手を殺害。さらにもう1台にも爆弾を仕掛け、乗員・乗客を人質にとって再び身代金を要求し・・・」という内容。
エレベーターの細工に2年を費やしたという身代金強奪計画をおじゃんにされた犯人ハワード・ペイン(デニス・ホッパー)は、相当にジャック達を恨んだようで、わざわざジャックに電話をかけ、計画を知らせる。
第一の目的は370万ドル(約4億700万円)の身代金を得ることなのだろうが、同時に恨みもはらしたいようだ。
可哀想なのは、この犯行に巻き込まれてしまうバスの乗員・乗客達だろう。
運転手のサム(ホーソーン・ジェームズ)は、自分が逮捕されると勘違いした本件とは無関係のバスの乗客に撃たれて重傷を負ってしまうし、アニー(サンドラ・ブロック)は、スピード違反での免停中に仕方がなく乗ったバスで、その運転席に座る羽目になる。
エレベーターでの事件を解決した後、「ついてたよな」、「運がいいな」等と言っているジャックやマクマホン隊長(ジョー・モートン)だが、ハリーだけは職場の仲間による祝賀会の席でも「勘に頼り過ぎず頭で考えろ。ツキなんて続きやしない」とジャックに忠告するほど慎重。
しかし、ジャックはそんな忠告にはお構いなしで、しかも、すべてが上手く行ってしまうのだから困ったものだ。
さすがハリウッド映画の白人の主人公は特別な存在だ。

お茶漬けの味

2021年06月30日 | ムービー
『お茶漬けの味』(1952年/小津安二郎監督)を見た。
物語は、「海外展開もしている丸の内の会社に勤務しているエリート社員・佐竹茂吉(佐分利信)と妻・妙子(木暮実千代)は見合い結婚。ブルジョア階級出身の妙子は、長野出身の夫の質素さが野暮に見え、学生時代からの仲間、雨宮アヤ(淡島千景)、黒田高子(上原葉子)、姪の山内節子(津島恵子)らと遊び歩いては、夫を "鈍感さん" と呼び、笑っているのだった。節子の見合いの日。母親・千鶴(三宅邦子)と叔母・妙子が同席していた歌舞伎座での見合いの席から逃げ出した節子は茂吉の所へ行くが、一旦は歌舞伎座へと帰され・・・」という内容。
何とも気楽な妙子は、茂吉に節子の具合が悪いとか友達が病気だとか嘘をついて温泉に出掛け、高子の旦那が海外出張だと聞くと、「うちの旦那様もどこか遠い所へ行っちゃわないかな。私の見えない所に」とまで言うのだが、節子は叔母のそんな所が好きになれないようだ。
見合いの席を抜け出して叔父の茂吉の所を訪ねたのは、朴とつな茂吉に何となく惹かれていたからかもしれない。
茂吉は戦死した友人の弟・岡田登(鶴田浩二)に誘われては、競輪やパチンコに出掛けるのだが、"甘辛人生教室" と書いてある大きな赤提灯のパチンコ屋は、軍隊で部下だった平山定郎(笠智衆)の店で、「こんなものが流行っている間は、世の中はいかんです」と、平山がしみじみと語っていたのが印象的だった。
「ごきげんよう」と挨拶し、列車の一等席や高級煙草を好む妙子と、ご飯に味噌汁をかけて食べ、三等席や安い煙草あさひを好む茂吉。
「インティメート(親密)な、もっとプリミティブ(粗野)な、遠慮や気兼ねのない、気安い感じが好きなんだよ」と言う茂吉のおおらかさと寛容が理解できない妙子の身勝手さに、友人も姪もあきれ返ってしまった様子なのは、当然のようにも思えた。
ほぼ70年前の随分と違う時代の作品なのだが、なかなかに面白かった。

はなちゃんのみそ汁

2020年10月25日 | ムービー
『はなちゃんのみそ汁』(2015年/阿久根知昭監督)を見た。
物語は、「松永千恵(広末涼子)は乳癌を宣告され、腫瘍の摘出手術を受けた。担当の加山医師(鶴見辰吾)から将来の出産を諦めなければならないと説明を受けたが、安武信吾(滝藤賢一)は千恵との結婚を望み、千恵の父親・松永和則(平泉成)と自分の父親・信義(北見敏之)、そして子供が産めない千恵との結婚に大反対の母親・美登里(高畑淳子)の説得に成功する。抗癌剤治療の影響で卵巣機能が低下し、出産を諦めていた千恵だったが、妊娠していることが分かり・・・」という内容。
出産は癌の再発リスクを高め、ひいては自分の命にかかわることになるのだが、信吾は千恵の妊娠に大喜びだし、和則も「産め。お前は死んでもよかけん。死ぬ気で産め」と大興奮だ。
まぁ、最終的には加山医師も反対しなかったので千恵は出産を決意したのだが、これもなかなかにヘビーなエピソードだ。
はなと名付けられた女の子は、その成長の過程で千恵からみそ汁をはじめ、いろいろな料理を教わっていくのだが、まだまだ保育園児なのに凄い子供だ。
(^_^)
伊藤源十(古谷一行)という医師のエピソードは興味深かった。
自然食にすることだけで病気が完治することはないのだろうが、「36.5℃以上の体温を維持できれば自然治癒力も上がります。今まで好きなものばかりを食べてきたこと、不規則な生活とは決別してください。自然治癒力を最大限高めるために正しい食と心の持ち方で、元に戻る力を引き出すんです」との台詞には妙に説得力があったし(その甲斐があったのかは不明だが)、実際に腫瘍が無くなったようなのだから。
これは、実話を基にした作品とのことで、3人の生活を記録したブログ『早寝早起き玄米生活』を書籍化したものが原作らしい。
実際にあったことがどの程度脚色されているのかは分からないが、結末がハッキリしている物語を飽きさせずに見せるというのは、スタッフ、キャスト共に大変なことなのだろう。
コンサートの場面以外は、なかなかに良く出来ていた作品だったと思う。


スーパー・チューズデー / 正義を売った日

2020年10月23日 | ムービー

『スーパー・チューズデー / 正義を売った日(原題The Ides of March)』(2011年/ジョージ・クルーニー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカ合衆国大統領選挙の民主党予備選。残っている候補者は、アーカンソー州出身のプルマン上院議員とペンシルベニア州知事のマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)の二人だった。オハイオ州予備選 "スーパー・チューズデー" が一週間後に迫り、全米の注目が集まっていたある日、モリス陣営の広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)に、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が電話をかけてきた。極秘の面会を求められたスティーヴンは・・・」という内容。
選挙事務所に電話をかけたダフィは、父親だと嘘をついてスティーヴンを呼び出したのだが、そうでもしなければ彼とコンタクトを取ることなど出来ない。
スティーヴンは驚いただろうが、陣営の責任者であるポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)宛ではなく、自分に連絡がきたことが少し嬉しかったはずだ。
しかしそれはおそらく、劣勢なプルマン陣営の罠。
同じ政党とはいえ、選挙で対立している陣営の責任者がコンタクトを取ってくるだなんて、あり得ないだろう。
選挙には様々な人間が関わっている。
新聞記者のアイダ・ホロウィッチ(マリサ・トメイ)は、「庶民の生活は何一つ変わらないわ。朝起きて仕事に行って、帰って寝るだけ。モリスが勝てばあなたはホワイトハウス勤務。負ければDCのコンサルタント会社に戻るだけ」と冷めているし、オハイオ州のトンプソン上院議員(ジェフリー・ライト)は支持表明の見返りについての両陣営との交渉に余念がない。
しかも、選挙事務所には若くて魅力的なインターン、モリー・スターンズ(エヴァン・レイチェル・ウッド)もいて、男達を惑わすのだから困ったものだ。
「オハイオを制する者は国を制す」とも言われる大事な局面を前に展開する何ともエグいエピソードの連続で、なかなかに面白い作品だった。



カクテル

2020年10月22日 | ムービー

『カクテル(原題Cocktail)』(1988年/ロジャー・ドナルドソン監督/アメリカ)を観た。
物語は、「除隊したブライアン・フラナガン(トム・クルーズ)は、長距離バスでニューヨークへと向かった。愛読書は "アイディアを大金に変える方法"だ。しかし、就職活動は思い通りにはならず、どこも採用してくれない。仕方なく、求人の張り紙を見て飛び込んだ店でバーテンダーのアルバイトを始めたブライアンは、雇われ店長のダグラス・コグラン(ダグ/ブライアン・ブラウン)からバーテンダーの仕事のイロハを教わって・・・」という内容。
「ここで働けば幸運が転がり込む」と自信たっぷりのコグランとはうまくいっていた筈だったが、取材で知り合ったカメラマンのコーラル(ジーナ・ガーション)をめぐる賭けで仲たがいし、ブライアンは一人、ジャマイカのビーチでバーテンダーとして働き出した。
そこで偶然再会したダグと再び賭けをしたことがきっかけで、せっかく知り合えたジョーダン・ムーニー(エリザベス・シュー)と破局を迎えるのだから、ブライアンは学習能力無さ過ぎだ。
(^_^;)
ダグの過去については詳しく描かれてはいなかったものの、口八丁手八丁で生きてきた男だろうことは見てとれる癖のあるキャラクター。
真っ直ぐな気質のブライアンと対極にいる存在のようだ。
ダグのような人間にはハッピーエンドは似合わないのか。
彼の行く末について祈りながら観てしまうというのは、これは良くできた作品ということなのだろう。
原作は、元新聞記者だというヘイウッド・グールド著作の同名小説だが、同氏はバーテンダー経験があるとのこと。
自らの経験と取材の成果が生きた物語のようで、そこそこ面白い作品だった。



続・深夜食堂

2020年10月14日 | ムービー
『続・深夜食堂』(2016年/松岡錠司監督)を観た。
物語は、「ある夜のめしや。忠さん(不破万作)以外の常連客は皆、喪服姿だった。小寿々(綾田俊樹)達は付き合いのあったママさんの通夜。竜(松重豊)とゲン(山中崇)は某大物の通夜。マリリン(安藤玉恵)も小道(宇野祥平)も別の場所での通夜の帰りだったが、赤塚範子(河井青葉)だけは事情が違う。出版社で編集の仕事をしている範子は、ストレスが溜まると喪服を着て街をぶらぶらし、最後にめしやでマスター(小林薫)が作った焼肉定食を食べて帰宅するのだという。その数日後、担当の作家宅で死体の第一発見者となってしまった彼女は、通夜の手伝いで石田(佐藤浩市)という男と出会ったのだが・・・」という内容。
石田は亡くなった作家の担当をしていたことがあるとかで、範子と妙に会話が弾み、通夜のあと一緒にご飯を食べに行く。
それから交際が始まったものの、この二人がうまくいかなかったと聞いた忠さんと小道は「バチが当たった」等とずいぶん手厳しかった。
前作のたまこさん(高岡早紀)もそうだったが、映画版にはめしやの常連客に受け入れられない女性キャラクターが登場するようだ。
(^_^;)
寒い季節になると妙に観たくなるし、映画版第3弾を期待してしまうのである。
是非!!
(^_^)


ニッポン無責任野郎

2019年01月20日 | ムービー
『ニッポン無責任野郎』(1962年/古澤憲吾監督)を見た。
物語は、「失業中の源等(植木等)は、とにかく調子がよくて無責任な男。自分の不注意から道でぶつかった見ず知らずの男、長谷川武(ハナ肇)を、"先輩!先輩!"と呼び、まんまと只酒にありついた。長谷川が営業部長として務めている明音楽器では、宮前社長(由利徹)が引退するにあたり王仁専務(犬塚弘)と幕田常務(人見明)が後釜を狙って派閥闘争を繰り広げているのだが、それを知った等はチャンスとばかりに両方の派閥をおだてて、なんと社員として採用されるのだった。同僚の丸山英子(団令子)に結婚を申し込み、バーTOKAGEのマダム・静子(草笛光子)と長谷川、中込晴夫(谷啓)と石沢厚子(藤山陽子)の仲も取り持つ。そして、図々しさを見込まれて、長谷川から未集金1000万円の回収担当に抜擢された等は・・・」という内容。
若手で一番早く出世した中込だが、常務が新社長になれば、専務派である中込の将来はないからと、石沢は彼を袖にして常務派の会津(世志凡太)になびく。
中込晴夫「今晩いつもの所でね」
石沢厚子「私、今夜は忙しいのよ」
中込晴夫「どうして」
石沢厚子「暇じゃないから忙しいのよ」
と、とりつく島もないのだが、「そりゃあ女の幸せは結婚で決まっちゃうんですもの。慎重なのは当たり前よね」と、厚子のルームメートである英子もそれにはすっかり同意だ。
本作は昭和37年劇場公開ということで、この辺りはズバリ昭和ど真ん中の感覚なのかもしれないが、「弱い人間の中で情熱と理性が争えば、情熱が勝つに決まってるよ」と言う等には、晴夫と厚子を結びつけるそれなりの勝算があったようだ。
(^_^)
ただ、結婚後に母親うめ(浦辺粂子)と同居を始めた厚子は、結婚退職したことをすぐに後悔する。
二人の洗濯物を洗われたことが気に入らなかったようで、「働いたのに文句を言われることはないと思うよ」と、ウメとの世代間ギャップは埋まらないのだった。
まぁ、こういったエピソードもどんどん利用して自分の利益を積み上げていく等のバイタリティーには驚くばかりなのだが。
(^。^)
これは昭和37年7月に公開された植木等主演『ニッポン無責任時代』(1962年/古澤憲吾監督)が大ヒットしたことを受けての第2作目らしいのだが、第1作の主人公・平均(植木等/二役)が登場するのも面白い。

武士の一分

2019年01月18日 | ムービー
『武士の一分』(2006年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「幕末、海坂藩。藩主の毒見役を務める三村新之丞(木村拓哉)は祿高三十石の貧乏侍ながら、妻・加世(檀れい)と慎ましく暮らしていた。早く隠居して道場を開きたいと考える新之丞は毒見役という役目に関心がなく、ため息ばかりついていると加世から言われるほど。ある日、いつも通り毒見を終えた新之丞は身体の異常を訴え・・・」という内容。
藩主の命を狙った一大事とも思われたが、赤つぶ貝の毒による食中毒というのが真相のようで、調理人たちは一切の咎めを受けることはなかった。しかし、この時期に選ぶ食材ではないとの老中の意見があり、広式番の樋口作之助(小林稔侍)が切腹して責任をとることで事件は終息をみる。
職務中に居眠りばかりしている隠居間近の樋口だったが、部下の失態により切腹する羽目になってしまうだなんて、武士の世界とは何て厳しく、不条理なものだったのだろう。
役目とはいえ、貝毒で失明してしまった新之丞も可哀想だ。
家祿の三十石はそのままなのか?
家を出ていかなければならないのか?
今後の処遇についての正式な沙汰があるまで、夫婦はもちろん、使用人の徳平(笹野高史)も不安だったことだろう。
そして、そこにつけこむ海坂藩番頭の島田藤弥(坂東三津五郎)。
こういう最低な人間はいつの時代にもいるのだろう。
さて、これは藤沢周平原作の小説『盲目剣谺返し』が原作で、『たそがれ清兵衛』(2002年)、『隠し剣 鬼の爪』(2004年)に続く山田洋次監督作品。
三作品の中では『たそがれ清兵衛』が一番評価が高いようだが、興行的には本作のほうが成功を納めたようだ。
やはり、海坂藩が舞台の物語は面白い。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス

2019年01月16日 | ムービー
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(2015年/本広克行総監督・塩谷直義監督)を見た。
物語は、「"シビュラシステム"とは、人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つプログラム。犯罪に関しての数値は"犯罪係数"として計測され、罪を犯していない者でも規定値を超えれば"潜在犯"として裁かれていた。2116年7月、シビュラシステムの監視体制をくぐり抜け、武装した集団が日本に侵入した。システムが導入されて以降、前代未聞の密入国事件に常守朱公安局刑事課一係監視官(花澤香菜/声)は・・・」という内容。
シビュラシステムには輸出プログラムがあり、長期内戦状態にある東南アジア連合SEAUn(シーアン)は、紛争中心部の首都シャンバラフロートにこれを導入したのだが、この運用がどうにも怪しい。
治安の維持は依然として国家憲兵隊に委ねられているというのだから、日本は内戦の片側にいる勢力に強力な武器となるシステムを提供したにすぎないのではないかと思える。
権力側が紛争の中心地を制圧しているので、一見平和に見えるというわけだ。
「良い機会だ。外の世界ではどれ程平和というものが希少な価値を持つものか、その目で確かめてくるといい」との禾生壌宗公安局局長(榊原良子/声)の台詞があったが、確かに平和というものは、リアル世界においても、日本国内にいるだけではその有り難みが分からないものなのかもしれない。
また、「ねぇ、シーアン政府はあなた達の正体を知っているの?」という禾生局長に対する茜の台詞があったが、劇場版以前にテレビシリーズ全33話(2012年~2014年)があったらしいので、それも見なければ、この物語の全体像は分からないようだ。
残念。

ナチュラル

2019年01月14日 | ムービー
『ナチュラル(原題The Natural)』(1984年/バリー・レヴィンソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1939年。メジャー・リーグのナショナル・リーグに所属しているニューヨーク・ナイツに35歳のルーキー、ロイ・ハブス(ロバート・レッドフォード)が入団してきた。彼は16年前、サム・シンプソン(ジョン・フィネガン)にスカウトされ、シカゴ・カブスの入団テストを受けるはずだったのだが、謎の女ハリエット・バード(バーバラ・ハーシー)の銃弾に倒れ、メジャーリーグで活躍する夢を叶えられずにいたのだった。ナイツの株主でもある無能な監督ポップ・フィッシャー (ウィルフォード・ブリムリー)のせいもあって、ナイツは常に下位を低迷している弱小チーム。資金繰りのため、所有株式の一割を判事(ロバート・プロスキー)に売却したことから、判事が筆頭株主となっていたが、チームが優勝すれば株を買い戻し、それ以外の時は監督が解雇という契約になっていた。監督は、判事がロイを送り込んだと思い込み、ゲームへの出場どころか練習すら一切させなかったのだが・・・」という内容。
ロイがその素晴らしい才能と実力を発揮できるチャンスを得て、ナイツは連戦連勝するようになったのだが、自身を疫病神と称するポップと同様に姪のメモ・パリス(キム・ベイシンガー)も男の運を下げる疫病神のようだった。
伯父が自分の姪をそう言ってしまうのだからどうしようもない。
(^_^;)
野球選手としては超一流のロイの弱点は、そこだったのだろう。
かつてプロポーズしたアイリス・ゲインズ(グレン・クローズ)と疎遠になって、すっかり女性運が尽きたようなのだ。
そうでなければ、16年前にハリエットなどという犯罪者と知り合うこともなく、メジャーデビューを果たせていたはずだし、ナイツ連戦連勝後のスランプとも無縁だったはずだ。
「人込みがあるとあなたがいそうで、いつも捜したの」という再会時のアイリスの台詞と表情は切なかった。
呪いということではなく、"ワンダーボーイ"ではあったものの、天はそこを許さなかったのかもしれない。
しかも、マックス・マーシー(ロバート・デュヴァル)やガス・サンズ(ダーレン・マクギャヴィン)などという質の悪い新聞記者につきまとわれてしまったのも良い兆候ではなかった。
プロスポーツを題材にしてはいたが、何だか神秘的な展開で面白い作品だった。

スラップ・ショット

2019年01月12日 | ムービー
『スラップ・ショット(原題Slap Shot)』(1977年/ジョージ・ロイ・ヒル監督/アメリカ)を見た。
物語は、「プロのアイスホッケーリーグに所属しているチャールズタウン・チーフスはマイナーリーグの弱小チーム。マネージャーのジョー・マグラス(ストローザー・マーティン)は、コーチ兼任のレジー・ダンロップ(ポール・ニューマン)やネッド・ブレイドン(マイケル・オントキーン)等の選手をテレビ局やラジオ局の番組に出演させたり、モデルとしてファッションショーに無理矢理引っ張り出したり、ファン獲得に余念がないのだが、選手たちには不評だった。そんな折、地元企業が従業員1万人を解雇し、工場を閉鎖するとした。観客動員が見込めなくなったチームも今シーズン限りでの解散を発表し・・・」という内容。
地元の工場閉鎖は晴天の霹靂だった。
オーナーの意向を聞いたジョーは備品購入の注文を取り消し、反対にスケートの研磨機、マッサージ台、移動用のバス等の処分を始めなければならなかったし、選手も、移籍が出来ればいいが、出来なければ引退して就職先を探さなければならない。
それは選手もマネージャーも一緒だ。
しかし、そんな中に新しく加わったハンソン兄弟は強烈なインパクトを与えた。
まるで三つ児のようなその三人の荒々しいプレースタイルが観客を沸かせ、チームの人気が急上昇するのだが、それは、将来が見えなくなったチャールズタウンの人々の鬱憤を彼らが代わりに晴らしてくれていたからなのだろう。
(^_^;)
冒頭の場面で、「美味しい天然水をご自宅までお届けします」とのテレビCMの音声が流れていたが、水道水以外の水を買うだなんて、アメリカはともかく、本作公開当時の日本では考えられないことだったのではないかと思う。
お笑いコンビ、タカアンドトシの「欧米か!!」ではないが、何十年もかけて、日本はどんどん欧米化していってるんだろうなぁと、本筋と無関係なところで妙に感心してしまったのだった。
それにしても、ハンソン兄弟の存在感は圧倒的だった。
彼等のような、子供じみているのだけれど、実はとてつもない過激な行動をしてしまう存在というのも、リアル社会に登場して久しいのかもしれない。
妙な所がいろいろ気になった作品で、面白かった。

クリスマスのその夜に

2018年12月24日 | ムービー
『クリスマスのその夜に(原題HJEM TIL JUL)』(2010年/ベント・ハーメル監督/ノルウェー・ドイツ・スウェーデン)を見た。
物語は、「ノルウェーの冬の夜。ヨルダン・ヒャルマンセン(レイダル・ソーレンセン)が物乞いをしていた。しかし、クリスマスイブとあって、人もクルマもほとんど通らない。彼の願いは年老いた両親がいる故郷のスコグリに帰ることだが、お金がなくて電車の切符も買えないのだった。無賃乗車が発覚し、途中の小さな町の駅で降ろされてしまったヨルダンは・・・」という内容。
クリスマスイブのその小さな町にはいくつものドラマがあった。
結婚生活が破綻して妻トネ(クリスティーネ・ルイ・シュレッテバッケン)に家を追い出され、子供とも会えないでいるパウル(トロン・ファウサ・アウルヴォーグ)は、友人クヌート(フリチョフ・ソーハイム)を夜勤中の病院に訪ね相談するが、彼とてエリサと幸せに暮らしている訳でもない。
病院の隣の店のショーウィンドウで鉄道模型のジオラマを眺めていたトマス少年(モッテン・イルセン・リースネス)は、家族団らんの食卓よりも、クリスマスを祝わないイスラム教徒の上級生ビントゥ(サラ・ビントゥ・サコール)との時間を楽しむ。
また、不倫相手クリステン(トマス・ノールストロム)の言う「クリスマスが終わったら離婚する」という約束を信じていたカリン(ニーナ・アンドレセン=ボールド)は、彼の不誠実さに呆れ果てるし、殺されるので二度と故郷コソボには帰れないというアルバニア人の妻(ニーナ・サンジャニ)とセルビア人の夫(イゴル・ネセメル)という二組のカップルのエピソードはとてもヘビーだ。
だが、それら登場人物の中でもヨルダンは格別につらい境遇だったと思う。
雪の中をさ迷い歩いて、一台のトレーラーハウスの前に辿り着き、傍らに駐車してあるトラックのドアに手をかけたのだが、すぐに警報が鳴り響き、威勢のいい同年代の女性ヨハンヌ・ヤコブセン(イングン・ベアテ・オイエン)が飛び出して来て、さらには警備員も駆けつけてきた。
なんと彼女は、かつて自分と良い仲だった人だった。
まさか、こんな状況でそんな人に出くわしてしまうとは。
シャワーを使わせてもらい、弟の古着をもらい、食事とワインをご馳走してもらったヨルダンの切なさといったらなかったことだろう。
♪小さな通りの名前まで全部覚えている場所♪
♪家へ帰りたい♪
♪故郷へ帰りたい♪
♪クリスマスに今年こそ♪
やたらと悲しさを煽る主題歌だ。
「文字通りに終点だったな」という台詞が何ともブラック。
予告編では人間讃歌というコピーが使われていたのだが、そうは感じない作品だった。


網走番外地 北海篇

2018年12月22日 | ムービー
『網走番外地 北海篇』(1965年/石井輝男監督)を見た。
物語は、「網走刑務所。殺人と傷害の罪で懲役8年の刑に服している橘真一(27番/高倉健)は仮釈放が近かったが、体調が悪い同房の葉山(13番/千葉真一)のために特別食を作ってもらおうとしたことがキッカケで、炊事班長の19番(山本麟一)と揉め事を起こしてしまう。仮出所取り消しをちらつかせる看守・小暮(関山耕司)に拳銃で威嚇されながらも橘を助けたのは、8人殺しの鬼寅(42番/嵐寛寿郎)だった。命を懸けた鬼寅の行動でどうにか難を逃れた橘は、翌朝に仮出所をしたのだが・・・」という内容。
橘は葉山の頼みごとに親身に耳を傾け、彼の願いの通り、まずカムイコの王子運送・志村(沢彰謙)を訪ねる。
約束通りに葉山の母親への送金をさせようとするのだが、金を作るためにペンケセップまでのチャーター便の運転手を引き受けることになり、様々なトラブルに巻き込まれるというなんとも濃い展開だ。
しかも、登場人物すべてのキャラクターも濃い。
炊事班長の19番、オカマの夫婦(?)11番(由利徹)と108番(砂塚秀夫)、荷主の安川(安部徹)と金田(藤木孝)、突然の乗客の浦上(杉浦直樹)、貴子(加茂良子)、雪江(宝みつ子)、弓子(大原麗子)といった訳有りの連中だけで別の作品ができそうだ。
(^_^)
"網走番外地シリーズ"が全10作品(1965年~1967年)、"新網走番外地シリーズ"も全8作品(1968年~1972年)が作られ上映されたようで、相当の人気作品だったようだが、これだけのシリーズ化も納得できる実に面白い物語だった。

かあちゃん

2018年12月10日 | ムービー
『かあちゃん』(2001年/市川崑監督)を見た。
物語は、「ある晦日の日。長屋住まいの大工の熊五郎(石倉三郎)は、空き巣に入られたことを口実に、店賃の集金に来た大家(小沢昭一)に支払いを待ってもらった。盗まれた物を品書きして、お上に届出を出さなければならないと言われ、すっかり盗られたと言うのだが、空き巣に入った勇吉(原田龍二)は何も盗んでいなかった。勇吉が次に狙ったのは、おかつ(岸恵子)のところ。居酒屋で印半纏の男(中村梅雀)、老人(春風亭柳昇)、左官の八(コロッケ)、商人風の男(江戸家小猫)の話を盗み聞き、随分と金を貯め込んでいると踏んだのだ。そして深夜・・・」という内容。
市太(うじきつよし)、次郎(飯泉征貴)、三之助(山崎裕太)、おさん(勝野雅奈恵)、七之助(紺野紘矢)はぐっすりと眠り込んでいたが、おかつは夜なべ仕事をしていた。
おかつのところにあったのは、けちんぼ一家と言われながらも家族総出で、足掛け三年かけて稼いだ五両あまり。
これは、切羽詰まって二両の盗みを働き、牢屋に入れられた市太の友人・源さん(尾藤イサオ)のために貯めた金だと説明し、家族を誰も起こさず、温かいうどんを一杯ご馳走すると、勇吉の心から邪心はなくなった。
天涯孤独の人間がこんなことをされてしまっては、そりゃぁ涙も出てくるだろう。
おまけに、遠い親戚の人間だということにして、一緒に暮らしはじめるのだから、このかあちゃんという人は凄すぎる。
考えが足りないということではなく、豊かな発想と行動力の持ち主なのだ。
長男・市太は少しおっとりした男だが、この男もナカナカに人間性溢れる奴。
素晴らしい家族の物語だった。