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仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

トランス・ミッション

2018年10月24日 | ムービー
『トランス・ミッション(原題THE BLACK MADONNA)』(2007年/ラッセ・スパング・オルセン監督/デンマーク)を見た。
物語は、「学費を稼ぐためにストリップのアルバイトをしている女子大生マリア・ハルトマン(ツヴァ・ノヴォトニー)の部屋に疎遠だった父クルト(モーテン・グルンワルド)から小包が届いた。中身は強盗団に盗まれた名画"黒い聖母"。強盗団一味のクルトは仲間を裏切って絵画を娘に送ったことがばれて、マフィアに監禁されていた。父を助け出すため、警察官と一緒にポーランドまで絵画を運ぶはめになったマリアだったが・・・」という内容。
ストリップの出張サービス先は、なんと大学の講師達のパーティー会場。
カツラをかぶり、ケバい化粧をしていてもすぐにばれてしまい、「学校新聞用に一枚!!」と、写真を撮られてしまったのは可哀想だった。
一方、コペンハーゲン警察のグスタフ刑事(アンダース・W・ベアテルセン)は仕事が忙しくて付き合っている彼女となかなか会うことが出来ないらしく、「もっと仕事を減らして」と言われる始末。
仕事を減らせと言ったって、そんなことは事件を引き起こす犯罪者に向かって言えよという話だ。
(^_^;)
二人がデートをしていたのは日本食を提供するレストランらしく、テーブルの上には醤油や銚子、お猪口が乗り、巻き寿司を食べていた。
日本人はデンマークのことをよく知らない(と思う)が、デンマーク人は日本のことをよく知っていたりするのだろうか。
物語に登場する犯人グループの連中はいつもサンドイッチを食べているのだが、デンマーク人はサンドイッチ好きな国民なんだろうか?
少し興味が湧いてきた。
(^_^)


蠢動 - しゅんどう -

2018年10月20日 | ムービー
『蠢動 -しゅんどう-』(2013年/三上康雄監督)を見た。
物語は、「享保の大飢饉から3年あまり。ようやく藩の財政が持ち直してきた因幡藩に幕府から治水助成金の供出をせよとの命が下った。時を同じくして、公儀剣術指南役として松宮十三(目黒祐樹)が派遣されてきたが、城代家老・荒木源義(若林豪)のもとには松宮に不審な動きがあるとの報告が上がってきた。城代家老付用人・舟瀬太悟(中原丈雄)が部下に監視を命じたところ、隠し田、隠し村の存在を嗅ぎ付けられてしまったと知るのだった。一方、他の藩での剣術修行を希望する藩士・香川廣樹(脇崎智史)は、因幡藩剣術師範・原田大八郎(平岳大)からの許しは得られたものの、松宮からは許されなかった。そして、ある夜・・・」という内容。
ひたすら剣術を極めたいと願う香川の剣はとても荒々しく、荒木が見ている寒稽古の場でさえも、相手の草加貞平(金子栄章)に足を掛けて倒し、木刀で喉元を突こうとする。
それは勝負があったにも関わらず、友人・木村一浩(花田昇太朗)がその草加に痛め付けられたことに対しての対抗からだったが、これは誰からも許されなかった。
唯一、原田だけが香川の理解者であるようだったものの、城代家老や公儀剣術指南役に対しては強い意見など言えるはずもないのだった。
まぁこれは、封建時代ではなくても組織の中では仕方がないことだろうとは思うし、「己を守ることができるのは己だけだ」と言う香川はとにかく強引だ。
姉・香川由紀(さとう珠緒)は、「あなたは真っすぐすぎます」と言ってはいたが、少し度を越しているのかなぁという感じではある。
控えの場でもまるで犬が息をしているかのような息づかいなのには笑ってしまったくらいだ。
(^^;)
「修行をしたいのであれば今は我慢だ。我慢こそが真の強さ。お前を見ていると熱くなるばかりで燃え盛る火のようだ。火ではなく水だ。どのような時にでも澄みきった水のような剣。水のような澄みきった心でなくてはならない」との原田の助言も香川には届かないようだったのが残念だった。
これは、三上康雄監督自身の作品『蠢動』(1982年)をモチーフとして再構築した物語だそうだが、後半は、なかなかに迫力がある場面が連続していて、見ごたえがある作品だった。

アルティメット

2018年10月18日 | ムービー
『アルティメット(原題Banlieue 13)』(2004年/ピエール・モレル監督/フランス)を見た。
物語は、「近未来。パリ郊外に位置するバンリュー13地区は、治安の悪化により隔離された地区。この街で生まれ育ったレイト(ダヴィッド・ベル)は、街中に蔓延しているドラッグを一掃したいと願い、タハ(ラルビ・ナセリ)が率いているギャング達と争っていた。奪った大量のドラッグを処分したことで恨みを買ったレイトは、妹のローラ(ダニー・ヴェリッシモ)をギャングのK2(トニー・ダマリオ)らによって拉致されてしまう。ローラを助けるため、単身アジトに乗り込んだレイトは・・・」という内容。
"バンリュー13"は無法地帯と表現しても過言ではない地区で、街の出入口にはたくさんの警察官が配置され、交通がチェックされる。
これはまるで"関所"だ。
頼りであるはずのその警察もまったくのあきらめムードで、タハを人質にすることでようやく助け出すことができたローラと共に警察署へと逃げ込んだまではよかったのだが、なんとこの警察署は本日をもって閉鎖されるからと、タハの身柄を拘束してもらえない。
これは何とも驚きの無茶苦茶な対応だ。
しかも、反対にレイトが檻に入れられ、一人になってしまったローラは、またタハに連れ去られてしまったのだ。
首輪を付けられ、ロープでつながれ、人間扱いをされないローラが可哀想すぎるエピソードだった。
(-_-;)
そして、6ヶ月後には、政府の作った時限爆弾がタハによって盗まれるという大事件が発生するのだから、面倒を避けてタハを解放した警察の責任は重大だ。
爆発を阻止するためバンリュ-13に潜入することになったダミアン刑事(シリル・ラファエリ)だが、この俳優さんはスタントマンとしても活躍しているのだそうで、格闘シーンは激しくて、スピード感もあり、動きがとても素晴らしい。

ワイルド・ファイト エックス

2018年10月16日 | ムービー
『ワイルド・ファイト エックス(原題FORCED TO FIGHT)』(2011年/ジョナス・カステル監督/カナダ)を見た。
物語は、「自動車修理工のシェーン(ゲイリー・ダニエルズ)は、妻コニー、息子ジェームスと共に平穏に暮らしていた。ある日、悪徳プロモーターのダニー(ピーター・ウェラー)が主催する闇ボクシングに出場していた弟スコッティが八百長試合に従わないというトラブルを起こしてしまう。逃げようとしたスコッティ(アーキー・リース)はダニーにより瀕死の重傷を負わされたが、彼は八百長の不成立によって被った損失を肩代わりするようシェーンに迫る。悩んだ末、かつてチャンピオンとして君臨し、伝説と化していた闇ボクシングの世界に復帰することにしたシェーンだったが・・・」という内容。
復帰後、10試合に出場して勝つことができれば、そのファイトマネーで弟が作った負債をチャラにできるのというのだが、シェーンが現役で戦っていたのは遥か昔の話なので、まずは試合に出場することができる身体づくりから始めなくてはならない。
伝説のチャンピオンとはいえ、これが大変だ。
ようやく出場できることになったものの、ダニーはさすが悪徳プロモーターだけあって、シェーンに八百長を持ち掛けてくる。
持ち掛けるというよりそれは命令で、シェーンは拒否することなど到底できないし、八百長とはいえ、負け試合でのファイトマネーはゼロだという。
10試合勝てば即終了という話ではなくなってしまったのだが、これはダニーの最初からの計画だったのだろう。
悪い奴の考えることというのは本当に卑怯だ。
試合出場が増えていくにつれ、シェ-ンの性格がみるみるうちに破綻していくさまが強烈に描かれている。
そうなると、夫婦間も親子間もぎくしゃくしていくし、弟などはシェーンの憎しみの対象になってしまい、「俺も家族の一員だと思っていたよ・・・」という台詞が何とも悲しく聞こえてくるのだった。
単純な構図の物語ではあったが、まぁまぁ面白かった。

ドラフト・デイ

2018年10月14日 | ムービー
『ドラフト・デイ(原題Draft Da)』(2014年/アイヴァン・ライトマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカンフットボールのプロリーグNFLに所属するクリーブランド・ブラウンズ。ジェネラルマネージャー(GM)のサニー・ウィーバー・Jr.(ケビン・コスナー)は、近年の情けないチーム成績に責任を感じていたし、地元のラジオ番組からも容赦なく責められていた。2014年のドラフト会議を12時間後に控えた朝。サニーは、シアトル・シーホークスのGMトム・マイケルズ(パトリック・セント・エスプリト)から、シーホークスが持つ今年の全体1位指名権とブラウンズの今後3年間の1位指名権をトレードしないかと持ち掛けられる。思い通りのチーム編成ができずにいる事情を見透かされたサニーは・・・」という内容。
NFLのドラフト会議は、所属32チームによる7巡の指名で計224人の新人選手が選ばれるとのこと。
ドラフト会議を約12時間後に控え、オフィスのソファーで仮眠をとっていたトム・マイケルズGMが午前4時にオーナーの来訪で起こされる。
これがこの後に起きるドラマのすべてのきっかけだったのだが、多くのファンが獲得を熱望し、テレビのスポーツ番組でもシホークス入りが確実とされ、さらにはGMも指名するつもりでいたウィスコンシン大学のボー・キャラハン(ジョシュ・ペンス)を、このチームのオーナーが必要としていなかったのが何故なのか。
ハイズマントロフィーを獲得した大学屈指のクオータバックとのことだったが、このオーナーの考えが謎だ。
ブラウンズのオーナー、アンソニー・モリーナ(フランク・ランジェラ)は、オハイオ州立大学のヴォンテ・マック(チャドウィック・ボーズマン)やフロリダ州立大学のレイ・ジェニングス(アライアン・フォスター)を指名し、守備力重視のチーム補強をしたいと考えていたサニーに意見をし、クビをちらつかせてキャラハン指名を促す。
ヴィンス・ペン新監督(デニス・リアリー)に対しては言っていたが、「自分の仕事をさせろ」というのがサニーの正直な気持ちだっただろう。
チーム所属の弁護士アリ・パーカー(ジェニファー・ガーナー)の気の強さは登場人物中で一番だった。
優勝させるために来たとチャンピオンリングを見せる監督に「世界一マッチョなスポーツの最高の栄誉がジュエリー?」と言い放ち、険悪な雰囲気になったGMと監督の間に入った時には「コーヒーでもどう?」と聞きはするものの、「もらおう」、「砂糖とミルクを」と返事をする2人に「誰が淹れるか」と突き放す。
ところが、オフィスを訪ねてきたサニーの母バーブ・ウィーヴァー(エレン・バースティン)からはわざとに"エイミー"と違う名前を言われ、「コーヒーを頂戴」と秘書扱いされるのだから、サニーを取り巻く人間関係はいろいろと複雑のようだ。
(^^;)
やりがいを感じている自分の仕事の領域を守りたいGMと、何としても自分の意見を受け入れさせたいオーナーや監督、さらには母親、同僚兼恋人。
これはなかなかに面白いドラマだった。

新網走番外地 / 吹雪のはぐれ狼

2018年10月10日 | ムービー
『新網走番外地 / 吹雪のはぐれ狼』(1970年/降旗康男監督)を見た。
物語は、「仮出所を控えた末広勝治(高倉健)は、弟分の小松五郎(南利明)と看守の対立に巻き込まれ、あえなく独居房入りとなったのだが、ウイリー・ジョンソン牧師(岡田眞澄)により、稲上(若山富三郎)と共に助けられた。牧師と共にカムイベツ教会へと向かう途中、煙草を買いに入った店で親分子分の盃を交わし、末広は牧師を親分と呼ぶことになる。教会で恵比須竹三郎(由利徹)と一緒にいわゆる寺男として働くことになった末広は・・・」という内容。
カムイベツ教会は"ウイリージョンソンホーム"として不良少年達を預かり、ボクシングジムを開いていたが、やはり仮出所中の大関一郎(谷隼人)が、北日本新人王決定戦を控えていた。
その大関の強さに地元暴力団の親分でボクシングジムのオーナー、五十嵐徹(山本麟一)が目を付け、引き抜こうとしたことから様々なトラブルが生まれる。
大関も五十嵐のジムに行きたくて仕方がないのだが、ウイリージョンソンホームにいることが仮出所の条件らしいので、どうしようもないようだ。
トレーニングの途中、通りかかった神社に手を合わせて「あの野郎、アーメンなのに手を合わせやがったよ」と言われる末広だが、「何を拝んだっていいんだよ。心だよ、男は!!」と断言するのが頼もしい。
(^o^)
教会での暮らしが舞台になっていることもあって、主題歌「網走番外地」(矢野晃作詞、八木正生作曲編曲)が讃美歌風にオルガンで演奏されているのが何とも面白いのだった。
(^_^)

海よりもまだ深く

2018年10月08日 | ムービー
『海よりもまだ深く』(2016年/是枝裕和監督)を見た。
物語は、「15年前に小説の島尾敏雄文学賞を受賞した経歴を持っている篠田良多(阿部寛)。その後は鳴かず飛ばずで、現在は小説のリサーチと称し山辺(リリー・フランキー)の興信所で探偵業をしていた。同僚の町田(池松壮亮)に金を借りながら競輪をするほどのギャンブル好きな篠田は、出版社からギャンブルものの漫画の原作をやらないかと勧められたが、純文学作家というプライドから二の足を踏んでいたのだった」という内容。
離婚した元妻の響子(真木よう子)には毎月50,000円の養育費を支払うことを条件に息子の真悟(吉澤太陽)との面会を許されている良多だが、実際その金額を用意するのも大変で、姉の千奈津(小林聡美)や、年金暮らしの母親・淑子(樹木希林)を頼ることも度々。
興信所の調査で掴んだ情報を元に、対象者をゆすることもする仕事の仕方は何とも酷い。
これは長くは続かないだろうと想像できる生活ぶりだ。
響子に出来た恋人・福住(小澤征悦)のことも調べあげ、まるでストーカーのようにも見えて、気持ち悪くもあるほどで、どうしようもない人間に見えてくるのだった。
(^_^;)
母親が住む団地のベランダに、良多が高校生の時に植えたミカンの木の鉢があり、「花も実も付かないんだけどね、あんただと思って毎日水をやってるのよ」と言われる時のエピソードは少し情けない。
また、疎遠だった父親の話をしてくれる質屋の主人・二村(ミッキー・カーチス)が良い感じだった。

太秦ライムライト

2018年10月06日 | ムービー
『太秦ライムライト』(2014年/落合賢監督)を見た。
物語は、「"日本のハリウッド"と呼ばれていた京都・太秦(うずまさ)。日映撮影所に所属する香美山清一(福本清三)は、斬られ役一筋のベテラン大部屋俳優で、ひたむきに稽古に励むその姿勢は、俳優仲間や撮影所の長沼兼一課長(本田博太郎)らからの厚い信頼を得ていた。しかし近年、時代劇の撮影が減少し、ついには時代劇スター尾上清十郎(松方弘樹)が主演するテレビ時代劇"江戸桜風雲録"まで打ち切られることになってしまった。その後も斬られ役の仕事はどんどんとなくなっていき・・・」という内容。
いくら優れた演技力があったり、殺陣の素晴らしい技術があったとしても、撮影が無いのであれば俳優さん達はどうしようもない。
しかも、かつて時代劇俳優をしていた身ながら、昔ながらの時代劇を毛嫌いしている川島(合田雅吏)のようなプロデューサーが会社の経営にも関わる状況では、事態の好転は見込めない。
質の高い作品作りにこだわっている人のようにはまったく見えなかったが、「それでは、あなたがスポンサーを説得してきてください」などと、よく言ったものだ。
刑事ドラマの仕事が入ったものの、監督の和田(市瀬秀和)との間にトラブルが起き、撮影現場から干されてしまうし、背に腹は代えられぬと、映画パークのチャンバラショーに出演するも、仕事に見切りをつけた後輩・松本雄策(柴田善行)が役者をやめたり、若手が新境地を求めて東京に移籍したりと、香美山にも大部屋俳優達にも明るい未来というものが見えてこない展開はどうにも切ない。
(-_-;)
香美山を殺陣の師匠と慕ってくれる新人女優・伊賀さつき(山本千尋)が、"新感覚時代劇ODANOBU"に主演しているアイドル工藤淳(尚玄)の下心のおかげもあってチャンスを得られたことが唯一といってもよい明るい話題で、自身が先代・尾上清十郎(小林稔侍)から贈られた思い出の木刀を彼女に託すほどだった。
これは、斬られ役俳優福本清三氏が、55年間の俳優人生で初の主演作となった作品だそうで、劇中、香美山が尾上清十郎にかけられた台詞は、自身が実際に俳優・萬屋錦之介(1932年~1997年)にかけられた言葉なのだそうである。
そこそこ面白い物語ではあったのだが、予告編の内容がそのまま100分になってるだけにしか思えなくて、それが少し残念に思えたのだった。

フォーカス

2018年10月04日 | ムービー
『フォーカス(原題Focus)』(2015年/グレン・フィカーラジョン・レクア監督/アメリカ)を見た。
物語は、「一流詐欺師集団のリーダーであるニッキー(ウィル・スミス)は、ある日、女詐欺師ジェス(マーゴット・ロビー)と出会う。彼女はニッキーを同業者と知らずに、美人局を仕掛けてきたのだ。あまりの未熟さに、ついコーチをしてしまうニッキー。ジェスは彼の華麗なテクニックを知り、仲間にして欲しいと頼み込むのだが・・・」という内容。
一人で食事をしていると、カウンターで男に言い寄られて迷惑そうにしている女性が近づいて来て、「今だけ彼氏のふりをして」と席に座りこんでしまう。
それがニッキーとジェスの出会いで、この類いの物語としては何ともベタなエピソードだとも思ったのだが、これは美人局の作戦。
しかも、それが分かっていて部屋まで行くことができるのは、百選欄間の詐欺師ならではのことなのだろう。
親子三代にわたっての詐欺師だなんて無茶苦茶な設定だ。
(^。^)
ニッキーが率いている詐欺師集団は30人ほどいるらしいのだが、空きビルの1フロアに拠点を構えて、成果の宝石や腕時計、パソコン、札束を数える。
手早く稼いで撤退するのが彼らのモットーらしく、そのスペースもまっとうな契約で使わせてもらっているとは到底思えない。
逮捕された時のための保釈金を確保しておくというのだから、すっかり手法が確立された組織のようだ。
カードのスキミングという手口もあるし、詐欺師だったり、スリだったり、物語は犯罪のオンパレードなのだが、一人も警察官が出てこない。
何とも都合のよい物語だった。

ペギー・スーの結婚

2018年09月30日 | ムービー
『ペギー・スーの結婚(原題Peggy Sue Got Married)』(1986年/フランシス・フォード・コッポラ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「父の電器店の仕事を継ぎ、地元のケーブルテレビ局のショッピング番組で調子良く仕事をしているチャーリー・ボーデル(クレイジー・チャーリー/ニコラス・ケイジ)。浮気をした夫が許せなくて、彼との離婚を決意した妻のペギー・スー(キャスリーン・ターナー)。二人は別居中で、ペギーは娘ベス(ヘレン・ハント)と暮しているのだった。そんなある日、ペギーは娘に堰き立てられて気の進まないブキャナン高校1960年度卒業生の同窓会に出席した。学生時代は馬鹿にされていたものの事業で大成功したリチャード・ロビック(バリー・ミラー)が同窓会キングに選ばれ、クイーンにはペギー・スーが選ばれた。彼女を称える大合唱が始まり、あまりの興奮状態から気絶してしまったペギー・スーは・・・」という内容。
目覚めるとそこは1960年。
クラシックカーが走り、ラジオから流れる曲はオールディーズだ。
(^_^)
25年前の我が家に帰り、久しぶりに会った母親イヴリン(バーバラ・ハリス)に「ママがこんなに若いなんて」と感慨深く言うものの父親ジャック(ドン・マレー)にはほとんど無反応。
やはり父親というのは悲しい存在のようだ。
(^_^;)
妹のナンシー(ソフィア・コッポラ)がチョコレートを食べようとした時に「赤いのは食べないで。身体に悪いの」と言った時には、高校生に戻ったとはいえ、やっぱり母親が染み付いてるんだなぁと少し笑ってしまった。
(^_^)
また、25年後の世界では死んでしまっている祖父バーニー(リオン・エイムズ)と祖母エリザベス(モーリン・オサリヴァン)の存在も悩んでいるペギー・スーにとっては大きかったようだ。
ベスの助言は素晴らしかったし、自分の子供に祖母の名前をつけただなんて本当に大好きな存在だったのだろう。
これはなかなか面白い作品だった。

インサイド・ルーウィン・デイヴィス

2018年09月28日 | ムービー
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(原題Inside Llewyn Davis)』(2013年/ジョエル・コーエンイーサン・コーエン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1961年のニューヨーク。ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は、歌はうまいがなかなか売れないフォーク歌手で、知人の家を泊まり歩く日々が続いていた。大学教授ミッチ・ゴーフェイン(イーサン・フィリップス)の家に泊めてもらった朝、ドアの隙間から飼い猫が外に出てしまい、オートロックの家の中に戻すことが出来なくなってしまった。仕方なく、猫を抱いて地下鉄に乗り、ジーン・バーキー(キャリー・マリガン)の家を訪ねたのだが、彼女は留守。非常口から中に入り、猫を置いて外出するルーウィンだったが・・・」という内容。
用事を済ませてジーンの家に戻ると、ドアを開けるなり「何よ、あの猫!?」と言われるルーウィン。
メモも残していかなかったものだから、ジーンは「私達に世話をさせる気?」とプンプン。
だが、彼女がご機嫌斜めなのには、別の理由があった。
"私達"と言ったのは、彼女には大好きなジム・バーキー(ジャスティン・ティンバーレイク)という男性がいるからなのだが、ジーンの妊娠はルーウィンとの間のことかもしれないからなのだった。
中絶手術の費用を負担すると言いながらも、ジムに金を貸してくれと言うルーウィン。
もう何だか最低な展開だ。
プロデューサーに呼ばれ、ジムとアル・コーディ(イーサン・フィリップス)との3人で急きょレコーディングし、ヒットと縁遠そうな楽曲だと思ったルーウィンは、印税収入よりその場での200ドルを選択したのだが、そのケネディを歌った曲がヒットしそうだと聞くエピソードは、つくづく見放されてしまっている皮肉屋の彼を象徴しているようにも思えた。
マイナスはマイナスを引き付け続けるのだろう。
これは、実在したフォーク歌手デイヴ・ヴァン・ロンクの自伝をヒントにして制作された作品とのことだが、どうにもやりきれないエピソードの連続。
第66回カンヌ国際映画祭(2013年5月19日)のコンペティション部門で上映され、審査員特別グランプリを受賞したらしく、それなりに高い評価を得ているようだが・・・。
んー・・・。

花のお江戸の無責任

2018年09月26日 | ムービー
『花のお江戸の無責任』(1964年/山本嘉次郎監督)を見た。
物語は、「古屋助六(植木等)は、母親や親戚に促され、父親の仇討のため江戸へと向かうことになったのだが、背中に刀傷があると聴いただけで、相手の素性も名前も一切分かっていなかった。それでも、"さっさと勝負をつけて半年ばかり江戸で遊んで来よう"と意気揚々と出発したのだった。ところが途中で無一文になってしまい、偶然知り合った白井村の権八(谷啓)と共に、侠客・播随院長兵衛(ハナ肇)、女房おぎん(草笛光子)の所に厄介になるのだが・・・」という内容。
幼馴染みの小紫(池内淳子)を身請けするために田舎から出てきた権八は金にうるさく細かい男だが、助六は反対に、何とも大雑把で大胆不敵な性格。
水野十郎左衛門(田崎潤)の屋敷に乗り込んで、青山播磨(有島一郎)、白柄組の加賀爪四郎(藤木悠)に拉致されたお菊(藤山陽子)の救出に成功する。
恐ろしいほどに度胸がある。
これは、クレージーキャッツのメンバー達が出演する喜劇映画(1962年~1971年/確か全30作品)の一つで、1964(昭和39)年制作・公開という初期の作品。
まるで入場行進のように吉原を行列する場面は、東京オリンピック(1964年10月10日~10月24日)を意識したものだったのだろう。
(^。^)
助六はどうにも調子の良い、超前向きな男なので、はじめのうちは厳しかった唐犬の権兵衛(犬塚弘)も、つれない素振りだった揚巻太夫(団令子)も、やがて協力的になっていく。
このように周囲の人を引き付ける魅力、そして、どんどん良い方向への流れを作っていく、導いていくというのも人間として大事な能力の一つなのだろうと思う。
(^_^)
先が読める展開ではあるのだが、そこそこ面白い作品だ。

プリデスティネーション

2018年09月24日 | ムービー
『プリデスティネーション(原題Predestination)』(2014年/マイケル・スピエリッグピーター・スピエリッグ監督/オーストラリア)を見た。
物語は、「1970年3月。爆弾処理に失敗し、顔に大火傷を負った男がタイムトラベルをして未来へと戻る。治療により別の顔に生まれ変わったその男(イーサン・ホーク)は、再び1970年に戻り、バーテンダーとして働くが、11月のニューヨークは連続爆弾魔フィズル・ボマーにより大混乱していたのだった。ある夜、ジョン(サラ・スヌーク)という客がバーに来た。自分の話が面白いか、つまらないか、バーテンダーとボトル一本の賭けをする。告白本のライターをしているというジョンは、"私が少女だった頃・・・"と、身の上話を始め・・・」という内容。
ジョンと名乗るその男は、「元はジェーンという名の女性だった」、「孤児院育ちの天涯孤独の身だ」、「宇宙に行くはずだった」等、随分と突拍子もないことを話し始める。
21世紀ならそう珍しい話ではないのかもしれないが、何しろ1970年だ。
「昔は女だったけれど、今は男になった」だなんて、充分過ぎるほどに衝撃的な話だったろう。
この物語の舞台はニューヨークだけれど、作品の製作はオーストラリア。
両国の物価がどれくらい違って、アメリカでの制作とオーストラリアでの制作にどれくらいの費用の差が出るのかなんてことは知りようもないのだけれど、今どきの映画作品は、背景がほぼCGなのだろうし、安上がりになるのなら、どこのスタジオで作ろうと構わないのだろう。
昔は、"マカロニウェスタン"なんてのもあったわけだから。
(^_^;)
この物語に登場するタイムマシーンは、開発年をゼロ年として、プラスマイナス53年しか移動出来ないというものらしい。
セットに困らなそうな良い条件だ。
(^。^)

バーニング・クロス

2018年09月20日 | ムービー
『バーニング・クロス(原題Alex Cross)』(2012年/ロブ・コーエン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「デトロイト市警察の刑事アレックス・クロス(タイラー・ペリー)は、犯罪心理学の学位を取得し、知識を担当事件の捜査に役立てていたが、密かにその学位を活かせるFBI(連邦捜査局)への転職を考えていた。そんなある日、妻マリア(カルメン・イジョゴ)から3人目の妊娠を告げられ、大喜びのアレックスは、思い切ってマリアに転職のことを打ち明けるのだが、彼女は転居しなければならないことに消極的で、転職に反対するのだった。その夜、4人が殺されるという殺人事件が起き、幼馴染みで相棒のトミー・ケイン刑事(エドワード・バーンズ)と捜査に当たったアレックスは、無惨な姿で殺されたファン・ヤオ・リー(ステファニー・ジェイコブセン)の家で発見した、犯人が描いたと思われる一枚のイラストから、次の殺人予告のメッセージを読み取り・・・」という内容。
犯人ピカソ(マシュー・フォックス)の犯行は何とも猟奇的で、被害者の指9本がハサミで切り落とされているという異様な現場だった。
その現場に次の犯行予告ともいえるイラストを残していくのだから、相当に自信過剰だ。
そんなプロの殺し屋に狙われているよと、警察がわざわざ警護にやって来たというのに、当のエリク・ヌネマッカー(ヴェルナー・ダーエン)は、こちらも職場のセキュリティシステムに自信満々で、警護を迷惑がる嫌な雰囲気の男。
事件後、命の危険にさらされたモニカ・アッシュ刑事(レイチェル・ニコルズ)が、「助けなきゃよかった」と冗談めかして話してはいたが、刑事とはいえ感情のある人間なのだから、そう思ってしまっても当然だったかもしれない。
ただし、思ったとしても、言葉にしては駄目なわけだが・・・。
(^_^;)
自分の仕事を邪魔されたからと、担当刑事の家族までをもつけ狙う犯人。
用意周到に準備をしている緻密さと、犯行の残虐さは異様で、何とも恐ろしい展開に思えた。

復讐者

2018年09月18日 | ムービー
『復讐者(原題Recoil)』(2012年/テリー・マイルズ監督/カナダ)を見た。
物語は、「カナダ。ブリティッシュコロンビア州最大の都市バンクーバーの東にホープという小さな町があった。一見平和に見える田舎町だが、ATFの指名手配犯ドレイク(ダニー・トレホ)が率いている組織"サークル"が麻薬と暴力を使い、町を完全に支配していた。ある日、ライアン・ヴァレット(スティーヴ・オースティン)という寡黙な大男が町にやって来る。町外れの店で、ダーシー(セリンダ・スワン)という女性が経営しているモーテルを紹介された彼は、二泊分の支払いをする。ライアンとサークルの間には早速揉め事が起きていたため、ドレイクの弟レックス(ノエル・グーリーエミー)がモーテルを訪ね、ライアンの正体を知ろうとする。しかし、何も答えようとしないダーシーに腹を立てたレックスは彼女に乱暴を働いたのだった。そこに現れたライアンは、レックスをいとも簡単に気絶させてしまい・・・」という内容。
地元警察の保安官はドレイクに買収されているので、組織の連中は警察などお構いなしに好き放題だ。
「保安官。あんたは俺の許可でこの町にいられる」だなんて言われて何も言い返せない情けない保安官。
賄賂を受け取らない警察官は組織に殺されてしまうらしく、真面目に生きることができない警察官も、まぁ可哀想な存在だ。
町の境界には、"WELCOME TO HOPE"と書かれた看板が立っているのだが、"LESS"という文字が落書きされていて、"WELCOME TO HOPE LESS"になっている。
そう書きたくなるのも分かる気がするくらいにどうしようもない町のようだ。
さて、主演のスティーヴ・オースティンは主に1990年代に活躍していたプロレスラーだったらしく、日本では新日本プロレスのリングにも上がっていたそうである。
ベアナックルで殴り合う場面がぴったりとハマりすぎる。
(^_^)