『たそがれ清兵衛』(2002年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「幕末。東北の庄内地方にある七万石の小藩・海坂藩。御蔵役を務める井口清兵衛(真田広之)は、夕刻の終業の太鼓を聞くと同僚の酒の誘いも断り、真っ直ぐ自宅に帰ることから、影で"たそがれ清兵衛"と呼ばれていた。帰宅後は、認知症を抱える老母・きぬ(草村礼子)と幼い二人の娘・萱野(伊藤未希)、以登(橋口恵莉奈)の世話、そして労咳で死んだ妻の薬代や葬儀などで嵩んだ借金を返済するため、家事と内職にいそしんでいたからだった。日々の暮らしに追われる貧乏生活で身なりが薄汚れていく清兵衛だったが・・・」という内容。
着ている物は綻びや穴だらけで、風呂にも入らず臭いも酷い。
そんな様子を憂いた上司・久坂長兵衛(小林稔侍)に、清兵衛の同僚・矢崎(赤塚真人)が「清兵衛の祿高は五十石だが、お借り米を引かれて手取りは三十石。内職しに嫁に行くような所に後妻など来ない」と説明する。
それでも縁談を勧めようとする本家の井口藤左衛門(丹波哲郎)に、「この暮らしは、考えられているほど惨めだとは考えていない。二人の娘が日々育っていく様子を見るのは実に楽しい」と言う清兵衛。
夜、行灯の明かりと囲炉裏の火を頼りに鳥かごを作る内職をしながら娘達と本音で話す様子は、ほのぼのとして楽しそうに見えた。
いずれ天下が変わると言う飯沼倫之丞(吹越満)に、御所警護の人手が足りないから京都へ行こうと誘われても、天下が変わった時は侍をやめて百姓になると答えた清兵衛。
まるで欲がない男で、それが、飯沼の妹・朋江(宮沢りえ)とのせっかくの話を上手く進めることができなかった理由でもあったのだが、飯沼家は四百石、朋江が嫁いでいた甲田豊太郎(大杉漣)の家は千二百石。
その辺りの一連のエピソードも含め、どうにも切ない物語だった。
物語は、「幕末。東北の庄内地方にある七万石の小藩・海坂藩。御蔵役を務める井口清兵衛(真田広之)は、夕刻の終業の太鼓を聞くと同僚の酒の誘いも断り、真っ直ぐ自宅に帰ることから、影で"たそがれ清兵衛"と呼ばれていた。帰宅後は、認知症を抱える老母・きぬ(草村礼子)と幼い二人の娘・萱野(伊藤未希)、以登(橋口恵莉奈)の世話、そして労咳で死んだ妻の薬代や葬儀などで嵩んだ借金を返済するため、家事と内職にいそしんでいたからだった。日々の暮らしに追われる貧乏生活で身なりが薄汚れていく清兵衛だったが・・・」という内容。
着ている物は綻びや穴だらけで、風呂にも入らず臭いも酷い。
そんな様子を憂いた上司・久坂長兵衛(小林稔侍)に、清兵衛の同僚・矢崎(赤塚真人)が「清兵衛の祿高は五十石だが、お借り米を引かれて手取りは三十石。内職しに嫁に行くような所に後妻など来ない」と説明する。
それでも縁談を勧めようとする本家の井口藤左衛門(丹波哲郎)に、「この暮らしは、考えられているほど惨めだとは考えていない。二人の娘が日々育っていく様子を見るのは実に楽しい」と言う清兵衛。
夜、行灯の明かりと囲炉裏の火を頼りに鳥かごを作る内職をしながら娘達と本音で話す様子は、ほのぼのとして楽しそうに見えた。
いずれ天下が変わると言う飯沼倫之丞(吹越満)に、御所警護の人手が足りないから京都へ行こうと誘われても、天下が変わった時は侍をやめて百姓になると答えた清兵衛。
まるで欲がない男で、それが、飯沼の妹・朋江(宮沢りえ)とのせっかくの話を上手く進めることができなかった理由でもあったのだが、飯沼家は四百石、朋江が嫁いでいた甲田豊太郎(大杉漣)の家は千二百石。
その辺りの一連のエピソードも含め、どうにも切ない物語だった。