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にしみの鉄道情報局付属ブログ

南禅寺別荘群

2022-02-06 | テレビ番組



先日、南禅寺の門前の料理旅館の八千代で食事をする機会がありました。この南禅寺の界隈は、明治維新後に広大な南禅寺の境内を接収して、工業用地にする計画がありましたが、すぐにその計画は頓挫して、その敷地は別荘地に転用されることになりました。この料理旅館の八千代も、元はその別荘の一つでした。

維新後、15の別荘が作られ、そのほとんどは7代目小川治兵衛の作による回遊式庭園を備えています。2010年に放送されたNHKのワンダー×ワンダー「京都!天下無双の別荘群」にて取り上げられ、それ以来注目しています。
近年ではブラタモリの東山でも取り上げられ、知名度は高いのではないかと思います。

広大な別荘は維持費がかかるため、2箇所を除いて所有者が変わっています。

1 碧雲荘(へきうんそう)
野村銀行創業者の野村徳七の別邸で、現在も野村證券やその関連会社が所有。現在も所有者を変えていない2つの別荘のうちの1つになる。

2 何有荘(かいうそう)
大阪船場の商社の稲畑産業創業者の稲畑勝太郎の別邸で、現在は日本通として知られるオラクル社CEOである、アメリカ人実業家ラリー・エリソンが所有。

3 対龍山荘(たいりゅうさんそう)
薩摩藩出身の伊集院兼常の別邸として建設され、呉服会社の所有を経て、現在はニトリが所有。比較的公開される機会が多く、ブラタモリでも紹介された。ニトリ創業者の親類が京都のこの界隈の出身という縁から、對龍山荘を保有している。

4 流響院(りゅうきょういん)
もともとは滋賀県出身の坂本與三次の別荘福地庵として建設され、2つに分割される。その後三菱財閥の所有となり、終戦後は米軍に接収される。その後、呉服会社に譲渡され、ショールムとして使われる。現在は真如苑の所有。

5 清流亭(せいりゅうてい)
分割された坂本與三次の別荘福地庵のもう1方。現在はアパレル呉服会社大松が所有。

6 有芳園(ゆうほうえん)
住友友純の別邸として建設され、現在も住友の関連会社が所有。碧雲荘と同じく、所有者を変えていない別荘の2つのうちの1つ。

7 真々庵(しんしんあん)
染谷寛治の別荘として建設され、戦後松下幸之助の別邸となる。現在はパナソニックが所有。

8 無鄰菴(むりんあん)
山県有朋の別邸で、無鄰菴会議など歴史の舞台になる。1941年に京都市に寄贈され、現在は京都市の管理で、公開されている。

9 居然亭(きょぜんてい)
日本紙パルプ商事創業者の中井三郎兵衛の別邸として建設され、一部は廃却されたが、一部は現存しているという。

10 桜鶴苑(おうかくえん)
もともと、美術商の山中貞次郎の別邸看松居として建設、現在はワタベウエディング所有で、結婚式場として使われている。

11 智水庵(ちすいあん)
もともとは鉱山や尾小屋鉄道(小松バス)の創業者の加賀藩家老の家系の横山隆興の別荘として建設。現在は諸説あるが、ZOZOタウン創業者の前澤友作氏が所有と言われている。

12 怡園(いえん)
もともとは熊本藩主の細川家の別邸。近年細川護熙氏は別荘を売却し、現在は京都市内の企業が所有していると言われている。

13 旧上田秋成邸 料理旅館八千代

14 旧藤田小太郎邸 洛翠(らくすい)
戦後長らく日本郵政共済組合が職員の保養施設として利用されていたが、2011年に日本調剤が取得し、研修施設として利用。現在はファーストリテイリング創業者の柳井正氏が所有。

15 旧寺村助右衛門邸 料理旅館菊水

このうち、無鄰菴、八千代、菊水、桜鶴苑以外の別荘は、公開される機会は少なく、公開時の抽選倍率はかなり高いようです。

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