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にしみの鉄道情報局付属ブログ

ゆうづる→北斗星

2020-03-13 | ブルートレイン

本日3月13日は青函トンネル(1988年)の開業日です。青函トンネルの開業と同時に運行を開始したのが、ブルートレインの北斗星。最大3往復運転され、青函トンネルを通過する列車の代名詞にもなりました。
北斗星は新設列車のように思われていますが、JR的には青函トンネル区間を除いては、既設の列車の時刻変更扱いとなっています。
具体的には本州内がゆうづる2往復、北海道内が北斗1往復からの変更扱いとなっています(北海道内の1往復は新設扱い)。

ゆうづるは1985年3月の改正で、それまでの5往復から583系1往復、24系客車2往復の計3往復に削減されました。さらに翌年、1986年11月の改正で24系客車の1往復は季節列車に格下げになっています。この1986年11月の改正で、ゆうづる1往復が季節列車に格下げになったのは、この時期にすでに北斗星の運行計画があったためだと言われています。
多客期を除いて、ゆうづる1往復を運休して、24系客車を工場に入場させて、ドアの引き戸化や暖房強化などの北海道対策と、青函トンネル通化のための防火対策の改装を順次行っていました。国鉄時代に、一部車輌は完成して、ゆうづるに組み込まれて使用されていました。その中にはオロネ25形500番台ツインデラックスも含まれていました。
1987年に国鉄が分割民営化されると、ゆうづる用の24系客車はJR東日本とJR北海道に分割して継承されました。青函トンネルが開業するまでの1年間は、JR北海道の車輌も、JR東日本への貸出扱いで青森をベースでゆうづる2往復(1往復は季節列車)に運用されていたようです。(JR北海道車は日本海やあけぼので使われていた可能性もあります)
国鉄時代の改造は、各地の工場で行われ、食堂車のスシ24は松任幡生で、ツインデラックスオロネ25形500番台は土崎大宮で、電源車カニ24形500番台は土崎で行われています。

JR化後の客車の改造は、JR東日本の大宮工場(現大宮総合車両センター)とJR北海道の苗穂工場、五稜郭車輌所で行われています。ツインデラックス以外の個室寝台、ロイヤル・ソロ・デュエットやロビーカーなどの北斗星オリジナル車はすべてJR化後の改造ですので、苗穂工場や五稜郭車輌所でも、24系客車がかなりの両数が改造されたようです。ただ、通常の開放B寝台の北海道仕様への改造は、改番を伴わないので、時期や場所はよくわかりません。
このJR化前後の時期に、青函連絡船の航送で24系客車が本州と北海道の間で回送されたと思われるのですが、具体的な情報を見たことは今の所ありません。



青函トンネル開業直前には変則運用で、札幌発の北斗星の車輌を送り込んでいます。
1988年2月号の時刻表を見ると、上野青森間の東北本線及び常磐線経由の寝台特急はゆうづる1・6号とはくつる1・4号が583系電車での運転、ゆうづる4・5号が24系客車での運転、またゆうづる2・3号とはくつる2号が季節列車で運休中となっていました。(はくつる3号については後述)
電車2往復、客車1往復というわけですが、ダイヤ改正前々日の3月11日から変則運行が行われます。青森発3月11日のゆうづる4号と、上野発の3月12日のゆうづる5号が583系電車の臨時列車扱いで運転されています。

3月10日上野発のゆうづる5号で青森へ向かった24系客車は、青森到着後、11日に青森運転所でロイヤルや食堂車など組み込んで、青函トンネル開業前日の3月12日に試運転中の青函トンネルを経由して、札幌まで回送されています。これがJR東日本持ちの3月13日の札幌発の北斗星6号の1番列車になりました。
JR北海道持ちの3月13日の上野発の北斗星1号の編成は、11日に札幌からロイヤルと食堂車などを本州に回送して、尾久でJR東日本に貸出中のゆうづる編成を組み替えて北斗星編成を組み立てたようです。
このとき、札幌から尾久に回送されたのは、オハネフ25 3、スシ24 501、スハネ25 501、オロネ25 502、オロハネ25 552の5両です。
なお、JR北海道持ちの札幌発の北斗星2号については、直前に回送が走った記録がないので、予め青函連絡船の航送で車輌が札幌に来ていたようです。
JR東日本持ちの季節列車北斗星4号は、青函トンネル開業当日の13日に青森から札幌まで回送列車が運転されています。オールB寝台編成のため、直前まで日本海で使われてた編成のようです。
JR東日本持ちの13日の上野発の北斗星5号は、12日青森発のゆうづる4号の編成に、改正当日、尾久で食堂車やロイヤルを組み込んで運行しています。

またあけぼのもこの改正で北斗星への車輌捻出のため、3往復から2往復になっています。あけぼのは改正前上野~秋田間1往復、上野~青森間2往復で、3往復とも秋田運転区の開放A寝台を連結した24系客車で運転されていました。青森あけぼの1往復は秋田あけぼのと、青森あけぼののもう1往復は出羽と共通運用となっていました。
このとき廃止された秋田あけぼのも秋田発3月11日のあけぼの2号と上野発3月12日のあけぼの5号が583系電車での運転、3月12日秋田発のあけぼの2号は青森の車輌でA寝台なしの24系客車で運転されました。これがそのまま3月13日の上野発のJR東日本持ちの季節列車北斗星3号になりました。



ところで、改正前日の3月12日には、上野発青森行きのはくつる3号が583系電車で運転されています。おそらく青函トンネルの開業需要に対応するため、臨時で運転されたようです。
東北の583系電車は国鉄JR時代を通じて、青森に配置されていましたが、対になる団体列車があったのか、青森から回送されたのかはよくわかりません。

また、JR東日本のゆうづる用の24系客車は青森運転所(現盛岡車両センター青森派出所)の所属でしたが、北斗星運転開始で、青森運転所は日本海を運用分を除いて、尾久客車区(現尾久車両センター)に転属、秋田運転所(現秋田車両センター)のあけぼの用の24系客車ははあけぼのや出羽運用を尾久や青森に移管の上、青森と尾久に転属しています。


撮影 2010年5月22日 大宮総合車両センター
2006年5月3日 上野駅

参考文献 JR時刻表88年2月号
鉄道ファン 1993年12月号 特集:惜別ゆうづるの28年
Rail Magazine 2013年10月号 特集:いまこそ北斗星
鉄道ピクトリアル 2015年8月号 特集:寝台特急「北斗星」

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1 コメント

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Unknown (AsaPi!)
2023-09-18 21:30:35
> 東北の583系電車は国鉄JR時代を通じて、青森に配置されていましたが、対になる団体列車があったのか、青森から回送されたのかはよくわかりません。
3月11日発 回9106M 青森(2123)→大宮(928)
で送り込まれたようです。
(ダイヤ情報より)
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