白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

白洲正子文学逍遥記-「十一面観音巡礼」編 -008

2014-04-04 | 日本の伝統芸術

 

 

白洲正子文学逍遥記

十一面観音巡礼」編

 

登美の小河-005

 

 

 法起寺-01 

 

 

 

 

 

先回他のブログで花の咲く前の写真を掲載しておりましたが、やっと「ナニワイバラ」が満開になりました。本州にて植えていたよりも大きな花が咲いております。気候と風土が合うのでしょうか。このバラは原種に近いスピシーズとかいう種類のバラだそうで強いのかもしれません。

奄美の離島ですので、潮風や風雨が特に強いので、他のバラはなかなか上手く咲いてくれません。バラは本来手の掛かる花木ですから、無理もありませんが。でも、これだけ咲いてくれると嬉しい!

 

 

 

これからオールドローズ系のバラが咲く予定なのですが、いまいちでしょうか。それでも精々手入れをして見ましょう。

 

           

 

春爛漫のころと相成りました。 桜の満開の便りが聴かれるようになりました。とは言え、北海道ではまだ降雪の地域もある様子。北国の春は未だもう少し先でしょうか。

 

既にご承知かと思いますが、能面のブログは「新・サワラちゃんの加計呂麻島日記」で以前より掲載されておりますので、興味のある方は合わせてそちらもどうぞ。能面の面打ちも併せて掛かれてあります。少し細かい記述が多いかもしれません。

 

 

斑鳩の里のコスモス畑は有名なそうな

 

法起寺の三重塔を望む 

 

今回は法隆寺の北東に位置し、法輪寺の東に位置する「法起寺(ほうきじ)」を訪れてみよう。

十一面観音巡礼」の中では、この寺については余り触れておられないが、これは著者が執筆中のその当時、寺の建物そのものが再建途中であったことが、その理由のようである。

現存する日本最古の三重塔として名高い 

法起寺・三重塔。

 

 

昭和35年の発掘調査によれば、創建当初は塔を東に、金堂を西に、法起式と呼ばれる独特な伽藍配置であったという。

 

 

 三重塔は慶雲3年(706年)頃の完成で、高さ24mである。裳階(もこし)を持つ薬師寺東塔を除けば日本最大の三重塔である。

 

十一面観音立像

かって本堂に安置されていた仏像は、現在収蔵庫に納められている。 

木造・350.2cm ・ 平安時代10世紀 ・ 杉材一木造り

 

 

仏像は珍しい杉材である。所謂、立木佛なのであろう。著者の記述では・・お堂の中に祀られるだけでなく、車に乗せて町を練り歩いた「遊行像」の一種・・・と書かれている。法輪寺の十一面観音も同様の仏像であったらしい。神木をそのまま彫刻した「立木佛」なのであろう。

 

菩薩立像 ・ 飛鳥時代 ・ 20、1cm

 

個人の念佛であった小金銅佛である。法隆寺の「阿弥陀三尊像(白鳳時代」も別名「橘夫人念持佛」として有名である。おそらく相当の高位の方の念持佛であったのであろう。

 

橘夫人念佛 ・ 33.3cm

  

  

 

ちょっと 一服 

 話の喫茶店 

 

 

 

 

飛鳥時代のブロンズ像の特徴

 

飛鳥時代から白鳳、天平時代は仏像彫刻の素晴らしい逸品が数多く残る。鎌倉時代とは異なる作風、特に<止利派>を代表とする作品が多い。

 

菩薩立像・法隆寺

 

記の菩薩像は止利派の代表的な作品である。面長の顔立ちとアルカイックスマイルを浮かべている。上記の法起寺の菩薩像と同じく、

山形の宝冠・胸飾り・正面鑑賞性の強い左右対称の天衣・単弁の蓮華座

共通の特徴が現れている。お顔立ちが特に秀麗である。

 

観音菩薩立像

 

 

 

 

勝林寺

 

法起寺から中宮寺の西方向の高安にある「勝林寺」に向かう事とする。高安の集落の中央に建つ、融通念仏宗の寺院である。本尊の「薬師如来坐像」、「聖観音立像」、「十一面観音立像」が所蔵されている。現在は奈良国立博物館に寄託されている。

 

勝林寺 ・ 融通念仏宗

 

 

十一面観世音菩薩 

 

著者が 奈良国立博物館で見た仏像、「十一面観音立像」は和風壇像佛とも言われる、平安時代初期のカヤの木佛である。かっては飽波神社の神宮寺である、「高安寺」に祀られて居たとされている。

 

十一面観世音菩薩  ・167cm

 

 

白檀の代用品であるカヤを用いた仏像で、動きのある官能的な雰囲気を漂わした、現代彫刻でも充分通用するようなレベルの仏像である。壇像佛特有の複雑な彫刻を施されてはいないが、簡略な中にも非常に洗練された感じを与える。現代世界にも通用するような作品であろう。

惜しむらくは奈良国立博物館に何回か出向いた際には、お目にかかったことは筆者にはない。著者の眼にも恐らく一目ご覧になって、直ぐにその素晴らしさに驚かれたことと思う。

次回は著者の案内に従って、「金剛山寺」に向かう事とする。筆者は斑鳩近辺は法隆寺・中宮寺しか訪れたことがないので、なかなか上手く書けぬかもしれない。

 

 

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