日本の伝統芸術と芸能
能面と能楽・佛像と佛像彫刻
<その014>
人形特集-009
平田 郷陽 -003
長閑
夏休みもいよいよ始まり、厚い夏本番となりました。今回は平田郷陽の市松人形を中心にして、その他の作品もご紹介していきます。
A・ 衣装人形、木目込み人形
桜梅の少将 制作年:1936年
「親子」
白粉
B・ 市松人形
1 吉徳人形 蔵
2
3 元・内藤ルネ人形美術館 蔵
4
マリア書房より掲載
5
Kazaru410さんブログよりお借りしました市松人形です。静かな顔立ちで遠い昔のひとコマを思い出しているような感じが漂ってきます。
「答礼人形-004」
MISS FUKUSHIMA
福島 絹子
全身像
お道具の紋は全て「九曜」ですし、日
傘には「福島県」のデザイン文字ま
で見られ、台座の徽章も「福島懸」で
す。
台座
しかしこの子のご紋は「上がり藤」です・・・・つまり、結論を申しますと、この答礼人形はMISS FUKUSHIMAでないことになります。でも、保存状態が非常に良く、とても素晴らしいですね。
← 上り藤の紋
記録によると、MISS 福島の人形の着物は「蜜柑茶の縮緬の袷に薄小豆の長襦袢」というものでした。現在の所有者は大変日本通で日本文化の教授でもあり熱心な人形コレクターでもある Alan Scott Pate さん(在モンタナ州)です。理解のある方が居られたので、抜群の保存状態になっているのでしょう。
Miss Fukushimaの着物は縮緬、五つ紋、白足袋の正装です。バラの花の刺繍の半襟、緑地に刺繍で彩られた貝、たなびく霞、細い線は背中のくす球から伸びて全体に流れる七色の糸です。
人形生地は光龍齊の木型から提供され、生地師、小林岩四郎
いったい、本当のMiss Fukushima はどこへ行ってしまったのでしょうか?
写真を見ても、今出来上がったばかりのような状態です。コレクターの保存の際の注意深さに感心しますね。1927製の人形です。驚嘆に値します!
「九曜」の紋所
人形は三つ折人形の形式を取っており、アメリカに贈るということで日本人形に上下つなぎのコンポジションという洋風下着が着せられました。これだけでも大変な作品です。
ぽっくりと草履、 裏に「高島屋」の商標
番傘
日傘 紋白蝶と牡丹の図 「福島けん」のデザイン文字
しかし「九曜」の紋章の入ったMiss Fukushima はどこへ行ってしまったのでしょうか。アメリカの何処かの個人のコレクターが保存しているといいのですが。あるいはヨーロッパにもう渡っているという可能性も無くはありません。これだけの素晴らしい作品ですから。 見る眼のあるコレクターは幾らでも居ります。
本日はこの一体の答礼人形をご紹介して、終わりとします。次回もご期待ください。
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