白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

日本の伝統芸術と伝統芸能-046

2013-04-06 | 日本の伝統芸術

 

日本の伝統芸術と伝統芸能 

         

 

                     仏像と仏像彫刻 

          青い目の人形答礼人形 

                                            -046

 

 

 

 

遥かなるシルクロード」・HPより掲載

 

 黄砂が漸く治まったような季節になりました。 冷たい北風が吹いたかと思っていたら、急に南から蒸し暑い風が吹き渡り、それに併せて蚊が飛び始めます。暫くの間無縁だったのですが、またまたシンドイ日が来るのかと思うと、少々気が重くなってきます。

さて、先回までは中央アジアの砂漠の中に存在した仏教美術遺跡・敦煌莫高窟の壁画を紹介しました。日本では決して見る事が出来ない洞窟内の古代美術です。

ここで少し中央アジアの美術史について整理してみましょう。 

   

 

中央アジアは上下の地図で表されているとおり、トルキスタンという地域です。トルキスタン東トルキスタンと西トルキスタンに分かれております。東トルキスタンは地図でも分かりますとおり、現在は中国の新疆ウイグル自治区と呼ばれております。西トルキスタンはカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタンという旧ソ連地域を指します。テュルク系民族が住んでいる地域を指します。

 

 

 

古代史の時代からこの地域はさまざまな民族が群雄割拠し、興亡を繰り返してきました。現在は中国の自治区として存在しております。敦煌莫高窟は新疆ウイグル自治区と接する、チンハイ省(青海省)の接点に存在しております。以前NHKで<シルクロード>の番組が長く放送されておりましたので、記憶に残る名称も多いと思います。

楼蘭(ローラン)、玉門関、高昌、亀滋、というような歴史的な名称の故地が残っております。このように広大な地域でトルキスタン全域はインド亜大陸よりも大きな地域となります。西トルキスタンについては後日、ガンダーラ美術、バーミアン美術についてご紹介しましょう。

通常<西域>という名称は、天山山脈の南に広がる「タリム盆地」の一帯を指しております。敦煌から天山山脈の北側を<天山北路>、天山山脈の南側を<天山南路>。そして、天山南路は西域北道西域南道に分かれます。

 

 

 

天山北路はペルシャ(イラン方面)に、天山南路はガンダーラ、インドに連絡しております。この地域に仏教が伝来したのは遅くともBS一世紀頃で、北西インドからホータンを経由して天山南道西部の諸都市に伝えられました。仏教美術の始まりはクシャン朝のもとでガンダーラ美術が興隆した後の事です。現存する初期の遺跡群はミーラーン(チャルクリクの東にある)、ニヤ、ローラン(楼蘭)に多いされています。

                     ↑ ミーラーン

 今回は中央アジアの西域と呼ばれる一帯の古代文化について、仏教美術の観点からご紹介してきました。この辺りには<ミーラーン古城>、<楼蘭古城>、<ギジル石窟>、<ゼクリク石窟>などがあります。これらについては敦煌莫高窟のあとにご紹介しましょう。

 

 

では、答礼人形に移りましょう

 

              「

                      

                     Miss 茨城 (元 栃木

 

 

 今回の答礼人形は Miss 茨城 です。

製作者 ・・・・・・・・・滝澤 光龍斎

パスポート名称・・・ Miss Kasumi Tsukuba

所蔵都市・・・・・・・・ウィスコン州ミルウォーキー

所蔵館・・・・・・・・・・ミルウォーキー公立博物館

 

 

 

      人形紋    五つ唐花     道具紋   牡丹唐草山桜     

         

 

                       行方不明の Miss 茨城 

 

このMiss 茨城 も取り違えが有りました。調査の結果 Miss 栃木 でした。隣の県ですね。しかし、残念な事に上記のMiss 茨城(モノクロ 写真)は現在行方不明です。この写真は茨城県町村長会が出していた資料の中にありました。

博物館内のMiss 茨城( Miss 栃木

とても立派なケースに入って展示されておりました。良かったですね。

次回はMiss 関東州 とMiss 朝鮮 をご覧ください。

 

 

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