「白洲正子文学逍遥記」
& 能面・仏像・日本人形・・etc
臨時公開
以前別のブログで掲載しておりました「能面と能楽」を8/末迄、数回程、再公開します。ご覧になっていない方はどうぞ参考にしてください。
「能面と能楽」
能楽の歴史と能面-008
「能面集・特集」-01
猩々
「能面集とは」
001~007で、能面に纏わる事柄を書いてきました。本日は少し視点を変えて「能面集」に特化してご紹介してみたいと思います。能面集は戦前から可なりのものが出版されてきましたが、何れも専門家が使用するような、廉価で一般向きのものは少ない傾向がありました。
最近、全国で能面ブームが一時起きまして、素人の方が趣味で文化スクールなどで、面打ちを学ぶような風潮が出始め、それに伴って能面集の出版も盛んになりました。しかし、能面集は廉価のものは少なく、一冊数万円もするものが大部分で、廉価のものは面打ちの製作資料にはとても無理でした。
能面は宗家に専一的に収蔵されており、原則として非公開が建前ですから、一般の方がおいそれと拝見できる種類のものではなかったのです。当然、能面集は宗家から発行という建前となりますから、結果的に高価な価格となって、一般人にはなかなか手に入らなくなっていたのでした。また、専門家がすぐ買い占めてしまいますので、印刷数の少ないこともあって、ますます取得が困難になりました。
有名な方の能面集や面打ち技術書などは、短期間に市場価格(古書価格)が4~5倍の価格に跳ね上がりました。かの有名な文化財技術保持者・長沢 氏春氏の能面集は、発行当時¥30.000円でしたが、現在の市場価格は東京・神田では¥100.000円となっております。また、この手の書籍は一度人の手に入ると、なかなか市場に出てこないという性質があり、それがますます市場価格を押し上げる結果になってしまいます。
実際に皆さんが近在の都道府県の図書館に行っても、なかなかこれはという能面集にはお目にかからないと思います。 因みに自慢話になるかもしれませんが・・・
最近まで住まっていた滋賀県でも同じことが言えました。県立、市立の図書館の所蔵している能面集・能面関係の著書は、私の所蔵の図書の方が良く揃っておりました。やはり、特殊な分野の図書なのですね。少ない予算の中で余り閲覧数の多くない、高価な能面集などは購入は控えるのが人情です。
著者の自宅の能面関係書
一見何でもない様に見えましょうが、能面集に多少の知識のある方は<生唾を飲む>ような感じになると思います。つまり、古書市場には余り出回っていない能面集が何冊も見えるからです。大凡8冊は有るでしょうか。
1- 面打ち 長沢 氏春 2- 古能面傑作五十撰 3- 能面 鐘紡コレクション
4- 池田家伝来 能面 5- 能面 中西 通 6- 三井家旧蔵 能面
7- 橋岡 一路能面集 8- 能面の美 中村保雄
上記の内、2・3・4・5・6・8は最近古書店でのHPであまり見たことがありません。(1) は最初の説明の通り¥10万円が市場価格となっております。兎に角「時間と金」が掛かるのです。
その他に能楽関係では、能楽論関係図書、VHF、DVDなど様々の商品が出回っております。
1- 岩波講座 能・狂言 2- 能面 中村保雄 も時間が掛かるかもしれません。
その他、VHFやDVDなども市販されておりますが、殆ど手に入れるのは困難なのもあります。能楽は特殊な日本の古典芸術なのです。
正に資金が幾らでも必要な世界でしょうか。それでは簡単に面打ち技法書、能面集をご紹介して参りましょう。
「初歩的面打ち技法書」
A- 「面打ち入門」 著者・長沢 氏春
誰でも知っているがなかなか手に入らない著書。定価・¥3.500円(東京・神田 古書価格¥18.000円)
参考 古書価格
http://takayama.jimbou.net/catalog/advanced_search_result.php?keywords=%E9%95%B7%E6%B2%A2%E3%80%80%E6%B0%8F%E6%98%A5
B- 「小面を打つ」 著者・倉林 朗
長沢氏春師の直弟子で、関東地方で現在活躍中です。定価・¥3.500円
初めて面打ちを手がける方には、値段も内容もてごろですが、「面打ち入門」はなかなか手に入るのが難しい。内容は下記の写真の通り。
その点、「小面を打つ」は手に入れやすく最適。通信教育も手がけているので、初歩の段階は最適かもしれません。
「中級的面打ち技法書」
長沢氏春氏の言葉として有名な言葉・・・「一面覚えるには十年掛かる」・・天才にしてこのような謙虚な言葉。 そう簡単にこなせるものでは有りません。
比較的簡単に手には入れやすい能面の入門書です。
次は、現代日本の能面師の最高峰「初代 堀 安右衛門師」が著した実作者の「面打ち技法書兼能面集」です。内容は「長沢 氏春 能面集」と同レベルで、これ以上のものはありません。古書は市場では可なり品薄かも。4冊の内、「能面を打つ」は比較的手に入れやすい。
各 230x310mm 200P程度
出来れば下記のVHFのライブラリーは是非用意したいのですが、これも運が良ければ市場で手に入るかも。 ¥5~70.000円程度でしょうか。(東京・神田 ¥70.000円)
そして、何度も出て来ました「長沢 氏春 能面集」・・・
上記の2冊は能面師は必ず所蔵している逸品ですが、なかなか市場に出てこない。また、非常に高い。「面打ち 長沢氏春」は定価は¥30.000円ですが、東京で¥10万、京都で¥8~9万、大阪では幾分安いでしょうか。因みにAMAZONでは¥39.800~98.500円です。
参考までに
http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/B000JBTY9I/ref=dp_olp_used?ie=UTF8&condition=used
「古能面傑作五十撰」は残念ながら、余程の運が良くなければ無理かも。 いずれにしてもHPで古書店やオークションで丹念に探していくと、時間は掛かりますが手に入ることもあります。根気の勝負です。
余談ですが、筆者がこの能面集(長沢 氏春能面集)を今までに3冊手に入れましたが、初版本は簡単でしたが人にあげてしまい、後日慌てて探したのですがOUTの連続。 手に入れるまでその後10年以上掛かりました。2冊の内1冊は専門の業者に探してもらい、1冊はオークションでした。
大事な本は決して手放さない事。 手放したら戻ってきません。後が大変!
それでは ブログをご覧の方にプレゼント
アンビバレンツな気持ちなのですが、兎に角今まで能面集の蒐集で苦労しました。ですから欲しい方の気持ちは良くわかるのです。現在、「長沢 氏春能面集」・「面打ち入門」を各2冊持っておりますので、能面を趣味でやられている方に、希望者には各1冊を今回に限り譲渡致します。
「品物のご紹介」
A・ 「長沢 氏春 能面集」
能面集の中に面打ち技法も併設しております。
写真の一部
ダンボールのケースは有りません。ケンドレイクの能面打ち道具のパンフレットをお付けします。
初版本 天小口に若干経年によるしみ、やけがありますが、中は汚れは有りません。新古本ではありませんので、その点ご了解ください。
↓ 265x370mm・カラー部分128p 型紙 11種 全ページ185P
B・ 「面打ち入門」
「面打ち入門」 ↓ 「小面を打つ」 ↓
「譲渡について」 ・・・ 8/31に締め切ります。
応募が複数の場合は、抽選で決めましょう。
譲渡価格・・
A・ 「長沢 氏春 能面集」 ¥30.000円 (商品送料は全国一律 ¥1.000円・ゆうパック便)
B・ 「面打ち入門」 ¥5.000円 (商品送料は全国一律 ¥1.000円・ゆうパック便)
C・ 「 A+B 」 ¥35.000円 (商品送料は無料)
オークションをする気持ちは有りませんので、本当に欲しい方に差し上げたい。価格はHPでいろいろお調べください。その上で納得した方のみ。ご希望の方はこのブログのコメント欄に
1-お名前 2-メールアドレス を投稿してください。 8/31にこちらからメールを差し上げます。尚、メールは8/31まで非公開とします。その後消去します。
また、勝手ながら再度希望者は募りません。これが最初で最後です。
「中・上級面打ち技法書」
先回にもご紹介した技法書はですが、内容的にも非常に幅広い名著です。仏像彫刻を専門に去れておられた面打ち師の著書で、専門家から初心者までのベストセラーです。価格も低廉で今でも手に入る最近再発行した名著です。
http://sawarachan.seesaa.net/article/343133471.html でご覧ください。
さて、次回も能面集・技法書をお送りします。
姉妹ブログ
<サワラちゃんの加計呂麻日記>
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