白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

能面と能楽・仏像と仏像彫刻ー006

2012-06-04 | 日本の伝統芸術

 

日本の伝統芸術と芸能 

         能面と能楽佛像と佛像彫刻 

                         <その006

 

人形特集-001

 

          kurematisu

 * 野の花・薔薇には花咲きかおまさサンの著作権があります

 先日から奄美地方も雨が降り続いております。生憎台風3号が発生し沖縄近海まで近ずいております。結構強くなる予想で965hp位になるそうです。風も怖いのですが雨の量がどの位になるか心配です。

 先回は能面のお話の中で、市松人形について少し書いてみました。若い頃名古屋に住んでおりました。そのころ名古屋の近郊に吉浜という人形の生産地が有りました。京都、吉浜、岩槻と言ったらすぐ・・人形と言われる土地柄でした。その時、市松人形の技術を身に付けようかと思案したこともありました。その時、市松人形の魅力に取り付かれました。

 

 

 先回掲載した市松人形は何度見ても素晴らしい出来です。市松人形をお好きな方はすぐご理解いただけると思いますが・・・・なかなかこれ程の市松は手に入らないでしょう。

眼の切り方、口の切り方が素晴らしい。正に生き人形の技術の粋の域に達しておりますね。彩色も能面並みになされております。何よりも顔に品格があります。これは技術だけではどうにもなりません。製作者の人格が出てまいりますので、職人の域を超えた方ですね。

 

 * 「市松人形館」所蔵の市松人形・・・東京 巣鴨

 それで本日は、何種類かの人形の名品をお見せ致したいと思います。上の市松などは瘋癲老人にとってもはや孫娘同然で、何でも欲しいものは買ってやりたい・・・そんな気持ちにさせますね。 

 

A 市松 人形 平田 郷陽(二代目)・作

      

 

 ご覧になって如何でしょうか。これが名人の作というものです。初代に引き続いて二代目平田 郷陽師の市松人形の作です。<人形というのはこのように作るんだ>ということが伝わってきます。先にお見せしました人形と比べて遜色ないでしょう。

顔に癖がまったくありません。仏像の名品と同じです。 観音像でも如来でも名品と呼ばれている仏像のお顔にはまったく癖が有りません。人間の顔のレベルを超えているのですね。この市松の顔立ちもそれと同じですね。

右側のアップ写真を観ますと、髪が人毛である事が分ります。白髪になっている毛が見えますでしょうか。一本はくっきり見えてますね。

 

B 人間国宝 平田 郷陽 師

           

木目込み人形 朝の庭

           

 

鹿児島 寿蔵、堀 柳女、平田 郷陽 共に人間国宝(重要無形文化財保持者)皆さんもご存知の方です。この木目込み人形の横顔は良く見ると、作者の横顔に良く似ておりますね。この方の心のレベルが分るような気がします。

 

C  人形師・平田一族の作品

吉徳>所蔵の平田一族の人形

 

  人形の作者名 

右端・三つ折れ人形・・初代 平田 郷陽 / 中央後列の二体・・二代目平田 郷陽 / 左端と中央小二体 ・・・実弟 平田 陽光

お解りの通り、アップの二枚の写真は上記右から二番目の市松人形です。平田郷陽師は昭和二年、日米親善答礼人形の審査に第一位に選ばれた方です。・・・・日米親善答礼人形は「青い眼の人形」がアメリカから日本に送られた人形に対する答礼の意味合いを持つものでした・・・

 

第一位になった市松人形

 * C の写真の左から二番目の市松人形のアップです。

D 答礼人形 大和日出子 (スミソニアン国立科学博物館所蔵

 

 

E 答礼人形 ミス 広島 (メリーランド州 ボルチモア市所蔵

 

 この市松人形Eは東京製だそうですが素晴らしいです。気品が有ります。このブログでご紹介したレベルの市松人形は、現在の日本の市場ではなかなか手に入らないと思います。入ったとしても眼の飛び出るほどの価格になるでしょう。一般人形店の人形とは出来が違います。

最後に余談ながら怖いお話・・・Cの写真の左端の人形の顔の髪の毛を良くご覧ください。・・・・・左右の髪の長さが違うのです・・・・人毛を使用していますので、毛が自然に伸びる(成長)するんだそうです。この人形たちは吉徳という有名な人形専門店で所有されております。このような現象は時々起こるそうですね。

 ・・初代(右端・三つ折れ人形)・二代 平田 郷陽、については次回に再度ご紹介します。

次回は人形歴史を織り交ぜて、嵯峨人形、御所人形と仏像、能面について書いてみたいと思います。

 

         大くちなし (自宅)

 

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