日本の伝統芸術と芸能
能面と能楽・佛像と佛像彫刻
<その026>
人形特集-020
台風21号が通過すると、一挙に晩秋に突入したような陽気になってきました。大陸から乾燥した空気が吹き込んできて、大気の温度も下がり始めました。半月程もすると北国は冬の季節です。早いところでは今月末にも初雪が観測されます。季節は一足飛びです。
さて、M清子さんのコレクションの市松人形のご紹介も残り少なくなりました。本日は作者不明のものも含めてご紹介します。
寶玉斎 やまかさね吉(東京 吉徳)・43cm(明治)
M清子さんによれば、抱き人形と市松人形の中間のような人形だそうです。胡粉の白さが際立っております。今までご紹介した市松の顔の中では、一番白さが目立っております。彩色が薄く胡粉の研ぎ出しが強いのでしょう。
表情にも個性があります。<おゆきさん>という名前が唯一付いているそうです。いかにも何か言いたげな表情ですね。着物の上に着せられている被服の色が鮮やかに浮き出ています。すっきりとした感じです。アクセントの組みひもは素晴らしいです。
丸平 大木平蔵人形店・作者不明・(昭和)43cm
答礼人形製作にあったては、京都に依頼された7体全てを大木平蔵人形店が扱ったそうです。調べた限りでは Miss 大日本、Miss京都市、Miss新潟、Miss名古屋市、Miss 大阪市などがあります。しかし、Miss 大日本以外は画像がありません。残念です。
Miss 大日本・スミソニアン美術館・ワシントンDC
丸平 大木平蔵人形店・作者不明・(昭和)43cm
市松人形には関東市松と京市松の二種類が有るそうです。前の市松と共に確かに特徴的な顔立ちをしています。なかなか微妙なんですが、眼の切り方、鼻の造りと口の切り方に特徴があります。撮影の角度にもよりますが、下の写真の市松の顔立ちはとても上品で美しい。絶品です。言葉では表現が難しいですね。
ただ、筆者は市松人形は素人ですから作者は特定できません。コレクターの亡き祖母から亡き姉に贈られた思い出の品だそうです。亡き祖母は京都三条室町に住んで居られたそうです。
「昔人形 青山」というアンティークのお店が以前は、記憶では前は三条室町だった筈ですが・・・?・・・祖母といわれた方はなかなか目利きの優れた方と推察します。恐らくこのレベルの市松人形は現在では手には入りますまい。
着物の袖の襦袢の布はコレクターが子供の頃に着た襦袢から仕立てたそうです。藤色の着物地に紅葉、楓の葉の図柄でしょうか。
上の市松人形はGankoさんといわれるコレクターの方のブログから転載させてもらった大木 平蔵商店の市松人形だそうです。作者は光龍斎です。いずれにしても、M清子さんのお持ちの市松は、名だたる市松人形師の中でもトップクラスの方(XXX)ですね。 BEST 4は平田 郷陽(二代目)、瀧澤 光龍斎(二代目)、初代・松乾斎東光、XXX の4人です。
初代・松乾斎東光(先回掲載した市松人形)です。比較してみてください。
この方は関東の人形師の筈ですが?? 表情が良く似てますね。ただ、断定は出来ません。
次回をまた、お楽しみに!
それでは<答礼人形>に移りましょう。
「答礼人形」
Miss Totori ・ 岩村松乾斎
元Miss Miyagi でした。
作者 | 岩村松乾斎 |
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所蔵都市 | サウスダコタ州ピア |
所蔵館 |
サウスダコタ州歴史協会文化遺産センター
|
人形の紋 |
九に三つ葉葵 |
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道具の紋 |
桜 |
調度品も幾らか残って居るようです。人形研究家高岡美知子氏によれば、この人形はMiss Miyagi であるとしております。しかし、別の情報によると、2009年にマレーシア在住の方がオークションでMiss Tottori を落札したとされ、作者は瀧澤 光龍斎とされています。
そうなると、いったいこの市松人形はどこから贈られた人形なのでしょうか。
Miss Miyagi
この市松人形は Kansas.・カンザスシティー 、Topeka, カンザス州で発見されました。その後宮城県に里帰りをしております。2008年12月現在の記録。
所有者は個人所有。
資料が錯綜していてはっきりした事が分かりません。少し時間が掛かりそうです。
左側面
それでは次回をお楽しみください!
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