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ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

公教育の一斉学習は発達障害のある子に合わせるべきなの? 1

2009-02-17 08:49:16 | アスペルガー症候群
☆教育の窓・ある退職校長の想いのtoshi先生が、
『発達障害児と問題解決学習と』という記事の中で、

一斉学習を、発達障害の子にとって分かりやすい、すごしやすい授業にするには
どうすればいいのか…

という点を真剣に考えておられます。
この問題は簡単に正しい答えが見つかるわけではありません。

広汎性発達障害の子にとって落ち着いて取り組める…とされる

〇授業の冒頭に、本時の学習の流れを示すこと。

〇イラストや映像など、視覚的な手がかりを活用すること。

という授業のあり方の工夫も
あまりに形にとらわれると、
子どもたちから自分で考える力や想像力を奪いかねません。

授業は子どもの興味や疑問の高まりから
柔軟に変化していくものでなければ
真の学びにはなりにくいのです。

しかし一方でアスペルガー症候群などの『広汎性発達障害』に含まれる子たちが
こうした変化に富んだ授業の中でとまどい混乱し
本来の能力が発揮できないだけでなく
授業を妨害するような困った行為に走ってしまうことも
よく起こっています。

発達障害の子に一斉授業を合わせるべきか
発達障害の子は特別支援教室などで学ぶべきなのか
一斉授業は問題解決学習を基本とするべきであり、発達障害の子には
配慮をするにとどめるべきなのか

授業を大人からの押し付けにしたくない
ひとりひとりの子が大事

そんな風に子どものことを真剣に考える先生方は悩んでいます。

toshi先生は、(発達障害とはいえ、みなそれぞれ…)

だから、やっぱり、一人ひとりの個性をみていくしかないのだ。その子に合った指導法を考えるしかないのだよね。『発達障害のある子だからこう。』って決めつけるわけにはいかない。

という結論に達しておられます。

私はtoshi先生の記事を読んで、真剣に発達障害の子のことを考えてくださっていることをうれしく感じる反面、
多くの公立小学校の先生方が、名前からくる『障害児』というくくりの中で
発達障害の子について考えているのかな…と少し気持ちが曇りもしました。

実際、発達障害の子たちと接していると、
発達障害児と定型発達の子のちがいは
それは左利き、右利きといったちがいや
研究者気質と芸術家気質のちがい
日本人と西洋人のちがいに似た

あるものは完全であるものは不完全といった分け方ができないもの

だからです。

脳の癖や発達の順序や得意分野不得意分野のちがいとして
捉えるようなものだからです。

例えば、学習面で優秀で運動オンチの人が
体育大学に入れられたら、
配慮は必要でしょうが、体育大学での運動面の成績の良い人が「普通の人」で
学習面で優秀で運動オンチの人を「障害者」と捉えるのは
奇妙なことです。

同じように、一斉授業では困難があっても
発達障害のある子はそうした脳を持っているゆえに優れている部分もたくさん持っています。

そうした発達障害観といったものを
先生方がきちんと自分の中で整理してくださることが
とても大事だと感じています。

教室の中で定型発達の子らに同情してもらう子、気を使ってもらう子
としての位置を、発達障害の子に与えることは
発達障害を抱えて日々をいっぱいいっぱいに生きている子どもたちの尊厳を
深い部分で傷つけるように思います。
おそらくtoshi先生の指導のもとでは、
子供同士、互いに尊重しあう対等な関係がはぐくまれていて
子どもが子どもへの配慮を思うとき、
良い共生関係が生まれるのだと思います。

ただ、先生の資質によっては
定型発達の子どもの無意識内に、差別の心を育ててしまわないか…気にかかりました。

また広汎性発達障害の認知のあり方を
「個性」としてみることは、
少し難しいかもしれません。

アスペルガー症候群の子どもの典型的な特徴は、
変化が嫌いで、ほんの少しでもいつもと違うことがあると
混乱してしまうこと。
ひとつの物事にとらわれがちで
熱中しはじめると、他が目にはいらなくなってしまうことです。
アスペルガー症候群の子どものほとんどは、平均かそれ以上の知能を持ち、
記憶力に優れているようです。
そうした脳の癖に翻弄される子は
毎日、とても不自由な生活を強いられています。

個性として、その都度対応していると、

がまんしようと思えばできる。
でもそれが二次障害の原因ともなるストレスをためさせている

…となりがちなグレーゾーンの子たちが
追い詰められていきます。

やはり、視覚支援、授業の冒頭で流れを説明する

などできる範囲で、公教育で子どもに教える基本として
取り入れていった方が良いように思います。

それと何より、そうした形より、
先生方が、まず軽度発達障害について正確な知識を学んでくださること

は絶対大切だと思っています。



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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☆はじめまして♪ (☆まりりん♪)
2009-02-17 17:42:16
☆自分の子育ての経験からふりかえっても
とても簡単に答えがでるものではないとかんじています。 いつも考えつづけたいです。 そのこたちのしあわせのために なにができるか。いま 外国人に日本語をおしえていますが 試行錯誤 成長したいと思う毎日です。
 さらに おおくのしあわせを☆
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Unknown (toshi)
2009-02-20 11:30:42
わたしの記事を引用していただき、ありがとうございました。
 ただ、なおみさんの記事を拝見して、わたし自身、言葉が足りなかった点などが、多々あるなと感じ、また、あらたに、記事を起こさせていただきました。
 よろしくお願いします。
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