さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

心豊かな「駅づくり」 竈山駅に見る、沿線住民の思い

2012-12-24 00:07:32 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

和歌山市和田に位置する竈山駅は、和歌山駅伊太祈曽駅からそれぞれ約7分の無人駅。

 

  

 

【写真】竈山駅に入線するおもちゃ電車

      

駅から北へ住宅地を歩くこと数分。和田川を渡ると大鳥居が見えてくる。

大鳥居をくぐりさらに歩くこと約10分。右手に広がる緑豊かな神社が竈山神社だ。

 

竈山神社の本殿には、大和平定の途中で戦傷した神武天皇の長兄にあたる彦五瀬命(ひこいつせのみこと)が祀られており、本殿の背後には宮内庁が管理する陵墓がある。

豊臣秀吉により社地や社領を没収されたが、徳川頼宣が和歌山城に入城後、再建され、国家安泰、世界平和や発展を守る神社として尊崇を集めてきた。

 

駅へ戻り電車を待つ。日中帯は1時間に2~3本のダイヤであるから、しばし待ち時間がある。

ホームを見回すと整然と並べられた沿線紹介のパンフレットが設置され、待合いスペースやベンチなども綺麗に管理。

無人駅だがどこかほっとできる感覚がある。

掲げられたポスターには「あと4回、貴志川線に乗ろう」の文字。

 

沿線住民などが立ち上げた「貴志川線の未来を”つくる”会」の方々が自分たちの移動手段を守り続けていこうと目標を掲げ、利用促進の呼びかけやイベント、定期的な駅の点検やパンフレットの補充などを自発的に行っている。

 

会員数は約2千名。筆者も同会に入会し定例会に参加しているが、月2回の定例会は毎回夜遅くまで開かれ、貴志川線を元気にする取組みを和歌山電鐵と協力し、考え、実施し続けている。

 

日本一心ゆたかなローカル線になる」という強い思い。竈山神社のお膝元にふさわしい「駅づくり」がここにある。

 

(次田尚弘/和歌山)

 

 

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