広島の朝はスムーズだ。和歌山市の大橋建一市長がLRT(次世代路面電車システム)や、BRT(バス・ラピッド・トランジット)の導入に前向きな答弁をしたという話題から、バス通勤で気づいたことを紹介したい。
自宅がある安佐南区から中区の職場までバスで約15分。走行する国道183号線の左車線(片側2車線)には、午前7時から9時まで、バス専用レーン(通行帯)が設けられている。指定の時間帯はバスやタクシーなどの公共交通や二輪車のみの通行に限られる。路上駐車は皆無に等しい。左折時などを除き、一般車は車線を譲り、バスは渋滞なくスムーズに走行できるのだ。
【写真】広島の朝の光景=広島市安佐南区西原4
広島市の人口は約117万人。市内中心部にオフィスが多く、駐車場が少ないという街の構造から、公共交通の輸送力が求められている。路面電車の存続も理由のひとつで、市民の共通認識として、公共交通の存在が重要視されている。
和歌山市でも国道42号線などで、バス優先レーンが設けられている。本来、路上駐車は愚か、バスが近づけば車線を譲らねばならないのだが、それを励行するドライバーは多くない。市民のモラル向上や、公共交通の再認識など、交通政策への共通認識の芽生えから、LRTやBRTの導入を市民から求められるようになれば、街の活性化に大きな効果が期待できると思う。
(次田尚弘/広島)