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2014年12月18日

2014-12-24 23:53:05 | 代謝

イブプロフェンはいくつかの種で寿命を伸ばす
Ibuprofen use leads to extended lifespan in several species, study shows



Texas A&M(agricultural and mechanical)AgriLife Researchの科学者によると、薬局で普通に買うことができる解熱鎮痛剤は長寿と健康の鍵を握るかもしれないという。PLOS Genetics誌で発表される研究でイブプロフェンは標準的な投与量で複数の種の寿命を延長した。

「我々は最初に加齢モデルとして確立されているパン酵母を用いて、イブプロフェンを投与した酵母の寿命が長くなることに気がついた」、カレッジ・ステーションのAgriLife Researchの生化学者であるMichael Polymenis博士は言う。

「次に我々はワームとハエで同じプロセスを試みて、同じように寿命の延長を観察した。さらにこれらの生物はより長く生きるだけでなく健康そうに見えた。」

ヒトで推奨される投与量に相当する量を与えられた生物は、約15パーセント寿命が延長した。ヒトで言えばそれは健康な人生が十数年ほど増えることに等しいだろう。



イブプロフェンは1960年代の前半にイギリスで生み出された比較的安全な薬である。最初は処方箋が必要だったが、1980年代には世界中でOTCで購入できるようになった。WHOの基本的な健康システムのために必要とされる「必須の薬剤のリスト」にはイブプロフェンが含まれる。イブプロフェンには解熱鎮痛作用があり、炎症を抑制するための「非ステロイド系抗炎症薬」と説明される。

Texas A&M 大学の生化学と生物物理学部の教授でもあるPolymenisは、Buck Institute for Research on Aging(カリフォルニア州ノヴァト)の社長兼CEOであるBrian Kennedy博士と、さらにロシアとワシントン大学の研究者たちと共に研究を進めた。Polymenisたちの3年をかけたプロジェクトにより、イブプロフェンはトリプトファンを取り込む酵母の能力に干渉することが示された。トリプトファンはあらゆる生命が利用し、ヒトにとっても必須のアミノ酸である。我々はそれを食事中のタンパク質から得ている。

「これがなぜ作用するかについては不明だが、これはさらに調べるに値する。本研究は、ヒトにおける一般的で比較的安全な薬がきわめて多様な生物の寿命を延長することができることを示す原理証明(proof of principle)であった。ゆえに、イブプロフェンのような他の薬が見つかる可能性は存在するはずである。それは寿命を延長する能力がさらに高く、健康に過ごす時間を増やす目的で使うことができる。」

記事出典:
上記の記事は、Texas A&M AgriLife Communicationsによって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.イブプロフェンによる寿命の延長は複数の種で保存され、それは酵母ではトリプトファン取り込みの阻害を通して生じる。

PLoS Genetics、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141218141004.htm

<コメント>
解熱鎮痛剤のイブプロフェンが長寿の薬のヒントになるかもしれないという記事です。

本文によれば、イブプロフェンはトリプトファンに親和性が高い輸送体(aromatic amino acid transporter/permease)を不安定にして分解させることで作用します。

ただしイブプロフェンによって寿命が延長した酵母のトリプトファン濃度の低下は15%から20%で、細胞内のアミノ酸が極端に欠乏する程ではありません。

>Finally, we would like to note that when ibuprofen was added at the dose that extended RLS (replicative lifespan), the drop in tryptophan levels was 15–20% (Fig. 2B and S3 Table).
>Hence, the cells were not severely limited for tryptophan, or any other amino acid (Fig. 2B and S3 Table),

少ない投与量での細胞周期(G1)の適度な遅れが、寿命の延長に効果があると推測されているようです。

>Perhaps a moderate delay in G1 progression produces such beneficial effects in lifespan.

>At low doses, ibuprofen causes a moderate cell cycle delay, mimicking the profile of LL mutants (Fig. 5), and extends lifespan (Fig. 1A).

>At higher doses, however, ibuprofen delays cell proliferation more severely (Fig. 5).

過剰なタンパク質の摂取は癌や糖尿病のリスクを高めるという記事や、トリプトファンから変換されるキヌレニンがうつ病の一因になり得るという記事が過去にありました。タンパク質の摂取は控え目にしておくのが今のところは良いと思われます。