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2014年12月16日

2014-12-19 23:56:38 | 腸内細菌

遺伝子は『腸』の細菌に影響して、クローン病と潰瘍性大腸炎を引き起こすかもしれない
People's genes may influence 'gut' bacteria that cause Crohn's disease, ulcerative colitis



Genome Medicineで発表された国際チームによる新しい研究によると、ヒトの遺伝子はクローン病と潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患; IBD)を引き起こす腸内細菌の一部に影響する可能性がある。抗生物質は腸微生物のアンバランスを悪化させ得ることも確かめられた。



アメリカのクローン病大腸炎財団によれば、およそ160万人のアメリカ人がクローン病または潰瘍性大腸炎を患う。これらの疾患の原因を理解することは、予防と処置に向けた新たなステップである。

「腸内細菌(腸マイクロバイオーム)は若い時に形成され、生きている間ずっと健康に大きな影響を及ぼし続ける」、ミネソタ大学のコンピュータサイエンス・エンジニアリング学部、バイオテクノロジー研究所の助教授で、研究の筆頭著者でもあるDan Knightsは言った。

「我々は、不均衡な腸微生物の発達の形成に関与する可能性がある遺伝子のグループを発見した。」

ミネソタ大学のKnightsたちは、ハーバード、MIT、トロント大学、フローニンゲン大学医療センターと協力して研究を実施した。これはこの種の研究では最大規模のものである。今回の研究では、マサチューセッツ州ボストン(米国)、オンタリオ州トロント(カナダ)、フローニンゲン(オランダ)に住む合計474人の成人IBD患者から成る3つの独立したコホートを調査した。医師と看護婦は被験者のDNAと腸内細菌のDNAを約2年間採取し、何千もの微生物とヒトの遺伝子を調べた。

その結果、ヒト被験者のDNAは腸内細菌と関連があることが示され、それは二つまたは全てのコホートで再現された。IBD患者は細菌の生物多様性(biodiversity)が低く、そして日和見性の細菌が多かった。

細菌の腸内コミュニティは複雑であり、ヒトの遺伝的性質だけでなく、年齢、性別、薬剤など他の様々な因子によって影響を受ける。例えば本研究では、抗生物質の使用が腸内細菌コミュニティのアンバランスさと関連することを確認した。先行研究では、腸内細菌と多種多様な疾患リスクの増加との間の関連が示されてきた。例えば糖尿病や自閉症、心疾患、そしていくつかのタイプの癌もである。

「多くの場合、我々はこれらの細菌がどのように疾患の我々のリスクに影響するかについて今もなお学んでいる、しかし、ヒトの遺伝の構成要素を理解することは謎を解明することにおける必要なステップである」、Knightsは言う。

学術誌参照:
1.複雑な宿主遺伝は、炎症性腸疾患におけるマイクロバイオームに影響する。

Genome Medicine、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141216123831.htm



<コメント>
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease; IBD)の患者の腸内は生物多様性(biodiversity)が低く、その一部は遺伝子の多型によるというものです。

Abstractを見ると、前回の記事にも登場した腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の相対存在量(relative abundance)は、NOD2のリスク多型と関連が見られたとあります。腸内細菌科には、大腸菌が属するエシェリキア属、腸チフスや急性胃腸炎を起こすサルモネラ属、細菌性赤痢を起こすシゲラ属、ペストや結節性紅斑を起こすエルシニア属などが含まれます。実際、ガンマプロテオバクテリア綱(Gammaproteobacteria)は炎症を引き起こしてCDとUCでの腸管上皮の通過が増加するとされています。

>We identified increased Enterobacteriaceae in subjects with higher NOD2 risk allele dosage (FDR = 0.11, controlling for multiple taxa tested) (Figure 2b; Additional file 7).

>An increase in Gammaproteobacteria is a known component of IBD dysbiosis and is associated with inflammation in mice and humans [4,33] and with increased epithelial penetration in CD and UC [34].

さらに、NOD2はクローン病のリスク増加にのみ関連するにもかかわらず、NOD2と細菌叢の関連はクローン病/潰瘍性大腸炎の診断とは独立していたそうです。

>NOD2 also had one of the most strongly reproducible associations with microbiome composition when comparing cohorts.

>Although NOD2 is only associated with increased risk of CD, NOD2-microbiome associations we observed were generally independent of CD/UC diagnosis, with high overlap between CD and UC when tested separately.

>This implies that the association may be disease-independent, and may play a role in pathogenesis only in subjects with other risk factors.

>For example, NOD2 SNP rs5743293 is associated with complications in ileo-anal pouch patients despite their original diagnosis being UC [35-38].

他にもIL-12、IL-23、JAK2-STAT3経路といったTh17などとの関連が示されたようです。こちらの動画を見ると理解しやすいと思います。