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2014年12月29日

2014-12-30 21:52:06 | 

糖分子はマウスで赤身肉の消費と高い癌リスクを関連づける
Sugar molecule links red meat consumption and elevated cancer risk in mice



多くの赤身肉を食べる人は特定の癌のリスクが高くなることが知られているが、他の肉食動物はそうではない。そのような観察から、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究者はNeu5Gcという糖分子が腫瘍の形成に関与する可能性を調査するに至った。Neu5Gcはほとんどの哺乳類で自然に見られる分子だが、ヒトには存在しない。

PNASの12月29日のオンライン速報版で発表される研究によれば、ヒトと同様に糖分子Neu5Gcが欠けるよう設計されたマウスにNeu5Gcを与えたところ、自然発生癌(spontaneous cancer)が著しく促進された。

※自然発生癌: 誘発癌(induced tumor)に対応する言葉

この研究は発癌物質、つまり人工的に癌を引き起こす物質への曝露はしておらず、Neu5Gcを赤身肉消費と癌との間の重要なつながりとしてさらに関連づけるものである。

「これまで、Neu5Gcと癌を関連づける我々の証拠の全ては、状況証拠かまたはいくぶん人為的な実験的構成から間接的に予測されたものだった」、医学部・細胞分子医学の特別教授(Distinguished Professor)で主任研究員のAjit Varki医学博士は言う。彼はカリフォルニア大学サンディエゴ校ムーアズがんセンターの一員である。

「ヒト以外のNeu5Gcを与えて抗Neu5Gc抗体を誘導するという『ヒトの正確な状況』を模倣することが、マウスで自然発生癌を増加させることを直接示したのはこれが初めてである。」



Varkiの研究チームは初めに一般的な食品のシステマティックな調査を実施し、赤身肉(牛肉、ポーク、ラム)にはNeu5Gcが豊富であり、そのような哺乳類由来の食品がヒトの食事におけるNeu5Gcの主な供給源であることを確認した。

この分子は生物が利用可能(bio-available)であることも明らかにした。それはつまり体内に吸収されて血流に乗り、体全体の組織に分配されることを意味する。研究者は以前、ヒトの組織は動物のNeu5Gcを吸収できることを発見している。

今回の研究で彼らは、もし食べた動物に由来する異質な分子であるNeu5Gcに対して体の免疫システムが常に抗体を生じると、赤身肉が炎症の原因になり得ると仮定した。慢性的な炎症は腫瘍形成を促進することが知られている。

この仮説を確かめるため、研究チームは自身のNeu5Gcを持たないという点でヒトを模倣するマウスを設計した。このマウスはNeu5Gcに対する抗体を産生する。このマウスにNeu5Gcを与えると、全身性の炎症が引き起こされた。自然発生腫瘍の形成は5倍に増加し、Neu5Gcは腫瘍に蓄積した。

「ヒトにおける最終的な証明を得るのはずっと難しいだろう」、Varkiは言う。

「しかしより一般的な注釈(general note)をすると、本研究は赤身肉の消費と他の(腫瘍以外の)疾患との潜在的な関係を説明するのを助けるかもしれない。疾患とは例えばアテローム性動脈硬化症と2型糖尿病のような、慢性炎症によって悪化するような疾患である。

「もちろん、適度な量の赤身肉は若者にとって優れた栄養の供給源となるだろう。我々の研究が、この八方ふさがりの状態(catch-22)にとって実際的な解決策へと最終的につながることを我々は望んでいる。」

記事供給源:
上記の記事は、カリフォルニア大学サンディエゴ校健康科学によって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.赤身肉由来の多糖(glycan)は、炎症と癌進行を促進する。

PNAS、2014年12月;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141229152226.htm

<コメント>
赤身肉(red meat)は哺乳類の成体(adult mammal)の肉のことです。牛や豚の肉に含まれているNeu5Gcという分子はヒトには存在しないため、体内に入ってくると抗体が作られて炎症が生じ、マウスの実験では癌の自然発生が促進されたという記事です。

Wikipediaを見ると、世界がん研究基金(WCRF)とアメリカがん研究協会は赤身肉を腸癌リスクの増加につながるとして、WCRFは赤身肉を「週」あたり300グラム未満(調理後の重さ)にするよう推奨しています。

実際、Cancer Research UKにも同様のことが書かれています

関連記事を見ると、赤身肉と関連する直結腸癌のリスクをレジスタントスターチが低下させるかもしれないという記事があります。レジスタントスターチは冷えたご飯やポテトサラダに多く含まれる炭水化物です。

日本の疫学研究でも上記の内容を支持する結果が出ているようです。

http://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/3452.html
>赤肉と加工肉について、各研究を総合して摂取量最低群に対する最高群の相対リスクを推計するメタアナリシスを行ってみました。
>すると、赤肉摂取による大腸がんのリスクはOR=1.16(95%信頼区間1.001-1.34)、同じく結腸がんのリスクはOR=1.21(95%信頼区間1.03-1.43)となり、有意なリスクの上昇が見られました。
>また、加工肉摂取による大腸がんのリスクはOR=1.17(95%信頼区間1.02-1.35)、同じく結腸がんのリスクはOR=1.23(95%信頼区間1.03-1.47)となり、やはり有意なリスクの上昇が見られました。