日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

オバマと、ムッソリーニ

2009-02-28 21:41:29 | Weblog
もしかすると、オバマの「チェインジ」と小泉の「改革」は、同質のものかも知れません。

日本では、不思議とオバマ人気が高いですが、オバマはブッシュの戦争に反対なのではなく、やり方が悪いと行っているに過ぎないという見方もあるようです。

以下、ビル・トッテン氏のコラムより
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1188412_629.html

──米国経済が大きな困難に直面する中、オバマ新政権が発足しました。日本でも期待する声が大きいですが、どのように見ていらっしゃいますか?

オバマ大統領が就任したものの、政策を行うのはこれからです。前のブッシュ政権がひどすぎましたので、「期待したい」という気持ちも分からないではありません。ですが、私は、オバマ大統領にも期待できないと思います。

彼は「チェンジ」と言っていますが、それ自身は何の中身もない言葉です。靴下をはき替えるのかどうするのか、まったく具体的ではありません。

彼は「イラクからの撤退」を言っていますが、2001年の同時テロ以降、ブッシュが提案した数々の戦争のための予算について、上院議員であった彼は1度として反対していません。予算に「賛成」しておいて、どうして「戦争反対」なのでしょうか。

現に、オバマ氏はアフガニスタンでの戦争をもっと重視しろと言っていますし、イランに対する攻撃の可能性も排除していません。子分のイスラエルがガザで残酷なことを行っても、何も言わないでしょう。

彼はブッシュの政策に「反対だ」というのではなく、ブッシュのやり方を「下手だ」と批判しているにすぎないのです。

それに、政権の顔ぶれです。クリントン政権で財務長官を務め、こんにち金融危機の原因をつくったサマーズ氏が国家経済会議(NEC)委員長に就任予定です。また、ガイトナー財務長官も規制緩和論者で、1997年のアジア通貨危機後の混乱に責任がある人物です。危機の原因をつくった張本人に、その立て直しをさせようとは、まったく理解できません。

(中略)

──オバマ政権がブッシュ前政権と違わない、その背景は何でしょうか?

米国の真の支配者は、政府を買収した大金持ちであって、一般国民ではありません。大統領はその「雇われ人」にすぎず、米国は真の民主主義国ではないのです。派手な選挙ショーにダマされてはなりません。

米国の政治制度も、国民の意思を巧みに排除する仕掛けになっています。大統領が選挙人によって選ばれることもそうですが、憲法だって、原住民の土地を盗んだ大金持ちがつくったものです。

最大のことは、民主党、共和党という二大政党以外はマスコミからまったく無視されることです。それは、大金持ち、財界が両党以外を認めないからです。そして、二大政党は、基本的に同じ「色」で、色が「薄いか、濃いか」というほどの違いしかありません。

(中略)

──日本は、米国とどのようにつき合うべきだと思いますか?

日本が米国の言うことを聞いて良いことがあったか、よく考えていただきたいと思います。

日本で「規制緩和」とか「自由化」とかが言われるようになったのは、85年の「前川レポート」以降でしょう。小泉政権はそれを徹底させ、郵政民営化などを進めました。

その結果が、こんにちの「格差社会」です。自殺者は先進国中最悪で、非正規労働者は情け無用に解雇され、真冬にもかかわらず、住むところを追い出されている。こんなむごい国はありません。米国流の規制緩和を行った結果、日本と日本国民は「損ばかり」ではありませんか。

──しかし、麻生首相は、昨年の金融サミットで「ドル体制を守る」と明言しています。

しかも、日本は米国債を大量に購入し続けています。ドルが暴落したら、これまでため込んだドル資産がムダになる、あるいは米国市場が大切だという理屈なのでしょうが、愚かなことです。これは「カジノに行って損をしたので、また大枚を投じて取り返そう」というのと同じですね。さっさと引き上げるのがいちばんの解決法のはずです。

しかも、世間では、おカネを貸す人は借りる人より偉いのですが、日米関係では逆ですね。なぜ、これほど日本が卑屈にならなければならないのでしょうか。そもそも、日本の政治や経済は、日本国民の幸福と健康を守るためにあるものでしょう。ところが、日本経済の現状は「輸出中毒」で、正しい経済状況とは言えません。

日本は、米国債を売り払うぐらいの勇気を持ってほしいものです。そうしてこそ、対等な日米関係が築けるのではないでしょうか。


(引用終わり)

僕も、オバマがブッシュ一族のやってきたこととは、まったく反対の政策をやると言っているのでちょっぴり期待したのですが、聡明なビル・トッテン氏からブッシュもオバマも変わらないと知らされれば、考え方を変えなければいけないような気がしてきました。

日本では意味も分からず麻生批判をし、意味も分からずオバマ賞賛ムードになっています。

西部邁さんも、オバマ演説を読んで、どこがいいのかサッパリわからないと言っていましたが、小泉元首相の中身のないワンフレーズポリティクスがあまりに効果的だったので、アメリカがマネをしたのかも知れません(笑)


オバマについてもう一つ耳にするのは、ファシズムの危険性があるということです。

ファシズムといっても、ヒトラーではなく、ムッソリーニの演説にそっくりだという話なのですが、これに小泉元首相を並べると、現在のアメリカの熱狂というのが、人々を過った方向に導いていくファシズムにつながる危険性があるということです。

以下、逝きし世の面影BLOGより
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/df8e3861a133763d58ca8ffcde3ff36d

オバマ演説を読んでみると、殆んど具体的な事を何も言わずに国家、国民の団結を主張している部分は、確かに似ています。
興奮する観衆(支持者)に向かって片手(左利きなので左手)を高々と掲げて見せる仕草も、何となく似ている。


『すべてを国家に』

ファシズムの名前の由来になったファシスト党創設者ベニート・ムッソリーニの主張は簡単で分りやすい。
その基本原理は『すべてを国家に糾合』しようというものであった。

『ファシズムの基調は国家の観念だ』
『ファシズムにとっては、国家は絶対なものである』
そして、個人や団体といふものは相対なものである。
個人とか社会とかいふものは、国家と共に行動し得る限り、許され得るべきものなのである。
『国家は現在であるばかりか、過去でもあり、就中、未来でもあるのである』


絶大な国民の支持で当選したムッソリーニとオバマ氏の演説を比べてみると、

(オバマ演説)
<もしもそこらの誰かが、アメリカはあらゆることが可能な国だということまだ疑うのなら、建国の父たちの夢がこの時代にも生き続けているものだろうかとまだ言うのなら、われわれの民主主義の力にまだ疑いを挟むのなら、今夜がその答えです。
その声を出したのは、老いも若きも、金持ちも貧乏人も、民主党員も共和党員も、黒人も白人もヒスパニックもアジア系もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も健常者も含めた、みんなです  アメリカ人みんなで世界に向かってメッセージを発したのです。
われわれは単なる個人の寄せ集めだったこともなければ、赤い(共和党支持の)州と青い(民主党支持の)州の単なる寄せ集めだったこともないのいだと。
われわれは今も、そしてこれから先もずっと、アメリカ合衆国なのです。

(引用終わり)

ファシズムとは、資本主義の究極の形ということですが、結局は金持ちの味方なんだよな~。

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