日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

インセンティブについて

2009-02-07 07:54:35 | Weblog
先日の「出社が楽しい経済学」では、「インセンティブ」について語られていました。

「インセンティブ」も非常に重要な経済学用語なのだそうですが、番組のホームページでは、下記のように記されています。
http://www.nhk.or.jp/shussya/word/index.html

 →「インセンティブ」とは、人にある行動をとらせたり、それをやめさせたりするためのいわば「道具(アメとムチ)」のようなもの。「誘因」とも訳される。
 例えば一番分かりやすいのが「お金」。会社が給料のアップなどで社員のやる気を引き出そうとしているのはご存じの通り。そのほかにも、厳しい刑罰(罰金)が飲酒運転の抑止につながるなど、「罰則」もまたインセンティブになりうる。
自主的に身だしなみに気を配っているつもりの小山内君たちも、会社側から受付嬢というインセンティブを使って操られていることは明らか。


 →「インセンティブ」は、私たちが普段なにげなく接しているビジネスの営みのなかにも隠されていることが多い。
例えば、小山内君たちが話題にしていた商業ビルの家賃の仕組みもその一つ。店舗の売り上げがあがれば、大家さんの家賃収入もあがるのが歩合家賃。ならば、大家さんには「テナントとして入る店を応援しよう」というインセンティブが働くはず。つまり、ビルにより多くの客が集まるよう、イベントを開催してみたりビルそのものをお洒落に改装したりといった行動が期待できる。会社の上層部が「歩合家賃の物件」にこだわる理由はそこにあるのだ。


(引用終わり)

高速道路の深夜料金を安くして昼間の交通量を緩やかにしたり、飲酒運転の罰金を高額にして飲酒運転を減らす。或いは、深夜労働を割増賃金にすることにより深夜労働の毛嫌いをなくしたり、介護労働者の賃金を上昇させて就業者を増やすなどは、「インセンティブ」の考え方の一部であると考えられます。

いわゆる「アメとムチ」というものですが、人間は自ら主体的に動いているつもりでも、かなりの部分「アメとムチ」のシステムによって働かされているということです。

小泉首相の「構造改革なくして、景気回復なし」というのも、一つのインセンティブであったと思われます。

今のひもじさに耐えて頑張って働いていれば、いつかは景気回復できるものだと信じて、ニンジンをぶら下げられて国民全員が競走馬として走らされていたわけですが、「構造改革」によってニンジンを与えられることはありませんでした。

現在は、構造改革がムチだけであり、一部の富裕層だけにアメ玉が行くということに気が付いて、競走馬であり続けることを、ドロップアウトしてしまった人も少なくないでしょう。竹中平蔵、渡辺善美、江田憲司あたりは、構造改革が未達成だといって、まだニンジンをぶら下げるようですが、競走馬である日本人はもう疲れ切っているでしょう。

しかし現在のような、昇進も昇給どころか、正社員を維持することでさえ期待できない世の中というのは、ムチだけのインセンティブなので、これ以上維持できないでしょう。

逆に、旧主派と言われた亀井さんのように、アメ玉を与える政治は、何かしら国民にインセンティブを使えば良かったのにと思われます。

「いつかは皆さんの望む構造改革しますから、今後10年間は積極財政の高景気に耐えてくれ」てな感じで(笑)

オリックスと、かんぽの宿

2009-02-03 20:53:32 | Weblog
に関する株式日記の記事です↓
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20090202

それにしても、マスコミというか特にNHKは静かですな。昔のマスコミは国有地を売却したとなったら、国がひっくり返るほどの大問題になったわけですが、どうでもいい相撲取りの麻薬問題などをトップに取り上げるなど、ニュースのプライオリティーがまったく狂っています。

民営化とは、国民共有の財産を私有化させることなのですが、郵便局の土地を1万円で売って、6000千万円で転売されたなんて話は、もっとおこってしかるべきです。

ほら、怒れ(笑)

100年に一度の危機ではない!

2009-02-02 22:25:34 | Weblog
ふらふらさんからの情報ですが、ドルの通貨供給量が洒落にならない状態になっています(笑)

http://blog.honeyee.com/ttakashiro/archives/2009/01/12/

アメリカは2008年の終わり3か月で、なんと200年分のお金を印刷しているようで、これは100年に一度の危機というよりは、世界史上最大の経済危機であるということでしょう。

一方日本で注目するべきは、この記事↓

■「政府紙幣」導入論が浮上=副作用指摘する声も-政府・与党
http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/jij/090202/090202_mbiz088.html

 政府が日銀に代わって紙幣を発行する「政府紙幣」の導入論が浮上してきた。政府紙幣を発行すれば財源を気にせず景気対策が実行できるため、推進派は「先進国で最初の不況脱却を掲げる麻生政権の切り札になる」と主張。一方で、通貨価値の下落を通じ、物価が上昇するインフレや円安を招く「副作用」を指摘する声もある。麻生太郎首相は2日夜、「今のところそういう段階ではない」と語り、導入に消極的な見解を示した。
 政府紙幣は日銀が発行する通常の紙幣と違い、政府自身が発行する「第二の紙幣」で、社会保障や失業対策に充てる案が浮上している。元財務官僚の高橋洋一東洋大教授が25兆円規模の発行を提唱、自民党の菅義偉選対副委員長が1日のテレビ番組で「非常に興味がある」と発言したことから導入論議が盛り上がりつつある。
 政府の判断で機動的に発行できる半面、際限なく発行すれば円の価値が目減りする危険性もある。高橋教授は「劇薬」と断った上で「100年に一度の経済危機には異例の対応が必要。物価上昇率が一定水準に達した時点で発行を止めれば問題ない」と主張、世界的に強まるデフレ懸念の払しょくにも効果があると説明する。  (時事通信)


(引用終わり)

次回の日本経済復活の会の講師は、上の記事に出てくる高橋洋一さんだそうですが、どうやら、あの場を中心に地球が回っているようです(笑)

デフレもインフレも嫌だというなら一体どういう経済が望みなのか、国民も自らはっきり認識しなければならないのですが、1~4%程度のマイルドインフレーションならまったく問題ないでしょう。

自民が本気でこれをやろうとするなら、僕も麻生支持に回るかも知れませんね。

ブロック経済復活

2009-02-01 23:24:46 | Weblog
訪米した二階産業省がぶつぶつ言っていましたが、前回の世界恐慌同様に、アメリカがやはりブロック経済に出てきた模様です。

オバマは、8250億ドルの景気対策法案の一環として、バイ・アメリカ規制を打ち出しました。

バイ・アメリカ規制とは、アメリカ製品を買えという、鉄鋼条項のことですが、空港や橋梁、運河、ダム、堤防、パイプライン、鉄道、公共輸送システム、道路、トンネル、港湾、桟橋などを適用範囲としたインフラの鉄鋼は、アメリカ製品しか使うなということです。

まあ、とっとと自由主義経済を放棄したと宣言するべきですな。

もはや世界でもっとも輸入が盛んな日本に、FTA(自由貿易協定)を迫るような理由はまったくなりました。

これで、外需依存の日本経済は、内需拡大にしか活路を開けなくなりました。

もう、世界でもっとも早く恐慌から脱却した高橋是清政策しかありませんわね。無金利国債の日銀引き受けか、政府紙幣発行しかありません。

「歴史は繰り返す」とは、どこの偉人が言ったものかしりませんが、経済がこんな酷い状況になるまで、気が付かないのですから、人間なんてまったく反省も、進化していない動物なのかも知れません。