日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

イノベーターなんて、どこにもいない。

2014-07-20 05:03:14 | Weblog
農家にもイノベーターが必要だと言われています。

40年前に私の父は、ボイラー付きのビニールハウスで野菜農家を始めました。

冬にも野菜が売れるので、当時としては画期的だったのですが、他にも真似をする人が現れて、アッという間に売値が下がってしまいました。結果、その時に投資した借金がかさんで、18年後に離農してしまいました。

同じように、数年前から茨城県で1千万円以上の高所得者が現れたという話もありますが、私にとっては真新しい話ではありません。ゴボウを半分に切って調理しやすくするカットゴボウとか、あんなの誰でも真似ができます。

農産物を市場競争にさらしてしまうと、需要と供給の関係から、あるときはキャベツが1玉80円で、あるときは1玉400円になってしまうとか、価格が非常に不安定な市場ができてしまうのです。

花畑牧場を経営する田中義剛さんの話では、大事に育てた北海道の一般的な豚の売値が2万円だそうですが、起死回生のホエー豚(乳清を与えた豚)にしても、一時的な話題からブレイクスルーできていません。他にも、いろんな餌を与えた豚が続々出てきたからです。

みんなが真似をしてしまえば、市場価格が下がって頓挫してしまいます。それより先に、今のような増税時代に生活者の可処分所得が下がってしまえば、付加価値の付いた高い豚肉など買うお金がありません。

農業を守るために必要なのは、安定した国の補償以外にありません。

安倍晋三さんは、60年ぶりに農業の大改革をすると豪語していますが、政治が悪くても頑張ってきた農家の息の根を止めてしまう政策にしか見えません。

昔から百姓が受けてきた、「生かさず、殺さず」の政治すらできなくなったら、もう国として終わりです。

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