日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

「断る力」を読んで

2009-06-22 10:31:09 | Weblog
ベストセラーの勝間和代さんの「断る力」を読んで、僕のような自己啓発本愛好家はだいたい理解することができたのですが、アマゾンの批評は信じられない☆の幅で賛否両論に分かれています。

まあよく言われているように、誰もが勝間和代のような成功者にはなれないのですが、この混沌とした時代を生き抜くヒントはいくらか見えてくると思います。

まず、この本の中で「誘いの9割は断る」という彼女の主張が、斬新に見えるからベストセラーとして受け入れられているのですが、たいがい人が断ると「怖い」と感じる理由は、

・断ると嫌われるのではないか
・過去に断られて嫌な思いがある
・上司や同僚に嫌われてリストラされるのではないか
・離婚や、失恋するのではないか

といった理由が挙げられると思います。

まあ働いている人なら、中小企業が儲けのない仕事を断れば、仕事を干されてしまうではないかと、すぐに突っ込みを入れたくなるでしょうが、儲けのない仕事を引き受けている会社は、たいがい潰れています。

一方、「たかだか下請けメーカーのくせに、なんで断るんだ」と感じたメーカーは、他のメーカーに出来ない仕事をしている場合が多いので、値下げ圧力に動じずに、この厳しい時代でも生き残っているように思えます。

人の付き合いもそうで、誘いを断らない友人は軽く見られる傾向がありますし、付き合っている異性のワガママを聞いていれば、結局は別れてしまうことが多いでしょう。

勝間さんの言うように、誘いの9割を断った時のディメリットは、思ったほど無いものと思われます。

寧ろ、時間やお金の浪費にならないメリットの方が大きいでしょう。

勝間和代が嫌いな人でも、幼稚園サッカーの項は読んでおいて損はないと思います。

幼稚園児のサッカーのように、みんなが戦略無しに、ゴールまで突き進んでしまう稚拙さは、郵政解散の時に自民党を大勝させてしまった日本人についついオーバーラップしてしまいます。ああいう時こそ、小泉改革に流されない「断る力」が必要でした。

まあ彼女の本は、アメリカナイズしたギスギスした感じに見られるかも知れませんが、人間が生きるか死ぬかという選択まで迫られているこういう時代は、こういった自己啓発系のアドバイスは使えると思います。

元々自己啓発本の良いところは、より良い人生を得るための金言が書かれているわけで、失敗の原因になりやすい人間の欲望や、感情や、空気に流されやすい心持ちを、しっかりした理性のある自分の完璧な奴隷にすることで、人の悩みが減少していくことにあると思います。

まあ、宗教まがいの自己啓発セミナーに参加することや、単なる自己啓発本マニアになるのは、しっかり断れなければならないのですけれどもね。

時流に流されない、しっかりとした己の軸を作ることが大切なのでしょう。

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