知人の荒井さんが書いている経済コラムマガジンの記事です。予測が当たるので、10年前に、植草一秀先生と並んでトレーダーたちの情報源となっていて、2ちゃんねる経済版ではカリスマと言われていました。三橋貴明さんも、彼にとても影響を受けていると思われます。
彼に言わせると、サッチャリズムも、レガノミクスも日本の政治家やエコノミストには賞賛されていましたが全くの間違いだったということです。
日本の構造改革は、サッチャー改革を手本にして、経済をかえって悪化させてしまったのです。規制緩和をしても、コストカットをしても、公務員を減らしても景気はよくなりません。では、反省はどこにあるのか?
小泉改革を総括していないから10年不況が、20年不況に長引きました。
>酔っぱらいのセリフは直線的であり、感覚的である。酔っぱらいの思考は単純であり、他の要素を考慮しない。そのようなことを考えれば、新聞などの経済に関する解説や意見にも酔っぱらいのそれに近いものが多い。例えば日経新聞である。日経新聞の論説委員には、サッチャーやレーガンの熱烈な信者が多く、日本も彼等の政策を行えといつも主張している。彼等は、日本経済の今日の不振の原因が、当時の米国や英国の経済問題の原因とは全く違うことを無視している。したがってサッチャーやレーガンの政策を今日の日本でストレートに行えば、むしろデフレ経済をさらに深刻化させる恐れがあるとは考えない。
サッチャーの場合には、その緊縮財政と国営企業の民営化ばかりがクローズアップされる。しかしサッチャーが、英国の強力な労働組合をたたきつぶし、熱心に外国から企業を誘致したり、住宅政策を推進したことにはあまり触れない。筆者は、世界の工場であった英国が没落した大きな原因を、巨額の資金の海外流出と考える。この海外の資産から毎年大きな利息や配当によって経常収支は黒字となり、英国ポンドは実力以上に高く推移していたのである。戦後しばらく英国ポンドは米ドルと一緒に世界の基軸通貨としての地位にあり、簡単には切下げを行えなかったのである。いつもストをしている労働組合とこのポンド高によって、投資家も英国に投資するのをためらったのである。このため英国の産業は競争力を失い、市場には外国製品が溢れることになったのである。
英国が少し持直したのは、ポンドが相当下落してからである。しかし一旦失った産業の競争力を取りかえすのは難しいことである。今日の日本も英国と似た道を通る可能性がある。今日の日本も実力以上の円高で推移している。その原因の一つが海外にある金融資産からの利益である。日本に必要な政策は、内需拡大を行い、ある程度の物価上昇を実現することによって円安を維持することである。今日のように資本の流出による円安は、将来に困難を残すことになる。ただ日本の海外資産の規模がGDP比で当時の英国よりまだ小さいことと、労働組合がそれほど頑固ではないことが救いである。
「レーガン時代の徹底した規制緩和が米国経済を強くし、日本に対して競争力を回復した」したがって「日本も徹底した規制緩和こそが競争力回復につながる」と言う日経新聞のいつもの話も怪しい。もともと米国の方が規制が緩かったはずであり、当時米国市場を席巻した日本企業との競争力を、規制緩和の度合で説明することは無理がある。だいたい鉄鋼のセーフガードの発動や米国車のシェアーの低下をみていると、米国産業が強くなったとは一概には言えない。また米国は毎年巨額の貿易赤字を出しており、どこまで競争力を回復したかも疑問である。たしかにここ10年くらい経済が成長したが、これは消費が増えたからと筆者は考える。以前から本誌が指摘しているように、8%あった貯蓄率がゼロ近くまでになったのであるから、莫大な需要が新たに生まれ、これによって経済は成長したのである。
http://www.adpweb.com/eco/eco251.html
彼に言わせると、サッチャリズムも、レガノミクスも日本の政治家やエコノミストには賞賛されていましたが全くの間違いだったということです。
日本の構造改革は、サッチャー改革を手本にして、経済をかえって悪化させてしまったのです。規制緩和をしても、コストカットをしても、公務員を減らしても景気はよくなりません。では、反省はどこにあるのか?
小泉改革を総括していないから10年不況が、20年不況に長引きました。
>酔っぱらいのセリフは直線的であり、感覚的である。酔っぱらいの思考は単純であり、他の要素を考慮しない。そのようなことを考えれば、新聞などの経済に関する解説や意見にも酔っぱらいのそれに近いものが多い。例えば日経新聞である。日経新聞の論説委員には、サッチャーやレーガンの熱烈な信者が多く、日本も彼等の政策を行えといつも主張している。彼等は、日本経済の今日の不振の原因が、当時の米国や英国の経済問題の原因とは全く違うことを無視している。したがってサッチャーやレーガンの政策を今日の日本でストレートに行えば、むしろデフレ経済をさらに深刻化させる恐れがあるとは考えない。
サッチャーの場合には、その緊縮財政と国営企業の民営化ばかりがクローズアップされる。しかしサッチャーが、英国の強力な労働組合をたたきつぶし、熱心に外国から企業を誘致したり、住宅政策を推進したことにはあまり触れない。筆者は、世界の工場であった英国が没落した大きな原因を、巨額の資金の海外流出と考える。この海外の資産から毎年大きな利息や配当によって経常収支は黒字となり、英国ポンドは実力以上に高く推移していたのである。戦後しばらく英国ポンドは米ドルと一緒に世界の基軸通貨としての地位にあり、簡単には切下げを行えなかったのである。いつもストをしている労働組合とこのポンド高によって、投資家も英国に投資するのをためらったのである。このため英国の産業は競争力を失い、市場には外国製品が溢れることになったのである。
英国が少し持直したのは、ポンドが相当下落してからである。しかし一旦失った産業の競争力を取りかえすのは難しいことである。今日の日本も英国と似た道を通る可能性がある。今日の日本も実力以上の円高で推移している。その原因の一つが海外にある金融資産からの利益である。日本に必要な政策は、内需拡大を行い、ある程度の物価上昇を実現することによって円安を維持することである。今日のように資本の流出による円安は、将来に困難を残すことになる。ただ日本の海外資産の規模がGDP比で当時の英国よりまだ小さいことと、労働組合がそれほど頑固ではないことが救いである。
「レーガン時代の徹底した規制緩和が米国経済を強くし、日本に対して競争力を回復した」したがって「日本も徹底した規制緩和こそが競争力回復につながる」と言う日経新聞のいつもの話も怪しい。もともと米国の方が規制が緩かったはずであり、当時米国市場を席巻した日本企業との競争力を、規制緩和の度合で説明することは無理がある。だいたい鉄鋼のセーフガードの発動や米国車のシェアーの低下をみていると、米国産業が強くなったとは一概には言えない。また米国は毎年巨額の貿易赤字を出しており、どこまで競争力を回復したかも疑問である。たしかにここ10年くらい経済が成長したが、これは消費が増えたからと筆者は考える。以前から本誌が指摘しているように、8%あった貯蓄率がゼロ近くまでになったのであるから、莫大な需要が新たに生まれ、これによって経済は成長したのである。
http://www.adpweb.com/eco/eco251.html
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