日本のゆくえ

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今年の、介護保険改訂について。

2015-03-30 00:31:25 | Weblog
あちら、こちらから声が聞こえてきますが、4月から始まる介護保険制度改訂は、冗談抜きに、相当深刻な打撃を介護業界に与えそうです。特に特養の問題については、要介護3以上じゃないと入居できないので、大半の人は特別養護老人ホームをあきらめなくてはならなくなりました。

要介護3の認定基準がどういう基準かというと、「日常生活動作及び手段的日常生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態」をいいます。

つまり、洗濯や掃除ができなくて、入浴、排泄、食事の動作に介助が必要で、更に歩行困難な状態をいいます。そういう人は多いわけではなく、要介護者・要支援者の中でも30%程度と限定されています。

さらに、認知症については、グループホームの入居条件が要介護1以上ですから、そういう人が特養に入居できなくなる。また、要介護2以上が歩けなくなって、車いすを借りられる基準ですから、歩けない人が特養には入れなくなるという話になります。

特養に入れないと、在宅介護か、サービス付き高齢者向け住宅などの有料施設の選択肢になりますが、在宅介護は、ヘルパーが入るとしても一日中看られるわけではありません。サービス付き高齢者住宅は、入居料の中に介護サービスが含まれていないので、生活基礎費用としての料金が高いです。

厚生年金は年収と比例するので、平成大不況に入って、40代、50代でリストラされた方々の年金は前の世代と比較して相当少ないことが、予想されます。

おそらく、大半の人が有料老人ホームには入れないかも知れません。40年間みっちり厚生年金をかけた単身者で受給額は平均17万円程度。途中で年金の支払期間が抜けている人は、びっくりするくらい給付額が下がります。安い15万円の有料に入居できたとしても、それ以外の出費は、なかなか支払えない。その他に、オムツ代やら、医療費やらです。

8月から年収280万円以上の高齢者の介護負担が2割に引き上げられますが、280万円の年金受給額は、おおよそ年収900万円もらっていた方々の金額になります。どれだけ、年金生活が少ない金額で生活しなくてはならず、大変なのかがよくお分かりになると思います。

今回の改訂は、中間層、低所得者層の老後を絶望的にしてしまいました。これを決めた人は、そういう人たちが、どこへ行けというのか全く想像力が欠如していたのだと思います。

間違いなく、今後の大問題になってくると思います。

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