日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

世界恐慌を、歴史に学べ

2008-10-15 19:11:21 | Weblog
みなさん、こんにちは。

連日株価は乱高下していますが、世界金融危機が、第二次世界恐慌になるかならないかという瀬戸際の今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

さて、かつての世界恐慌時代と現在が違うのは、中央銀行が各国にあるのでかつてのような事態にはならないと、ミスター円(どこが円なのか知りませんが)榊原英資などは言っているわけですが、結論から言えば、中央銀行が存在し、金融緩和や、資金注入、公定歩合の上げ下げが政策として可能な時代であっても、レバレッジをかけて膨らんだ金融資産を守れるかどうかについては、限界があるといったところでしょう。

2京2千兆円にまで膨らんだ米国の金融資産を支えるために、75兆円の公的資金投入に効果があるかどうかは疑問です。はじけたバブルは、適度な程度の大きさにしぼんでくるまで見てるしかないような気がします。

「賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ」というビスマルクの言葉がありますが、そもそも、私たちの多くは80年前の世界恐慌を経験していません。

歴史に学ぶとすれば、前回の世界恐慌後の各国は、ブロック経済、ニューディール政策、社会主義化、第二次世界大戦へと、暗中模索の長いトンネルを歩んでいったわけです。

唯一、社会主義国であったソ連は世界恐慌の被害を全く受けないどころか、スターリンの推進する五カ年計画で、著しい経済成長までしてしまう優位性を持っていました。

日本においては株の暴落により、都市部では会社が倒産し、街は失業者であふれ、地方では農作物の売れ行きが落ち、冷害や凶作によって、娘を身売りし、欠食児童が社会問題化し、活路を求めて大陸に出て行く人まで出てくるありさまでした。

しかし高橋是清大蔵相の登場により、国債の日銀引き受けという財源捻出のアイディアと(これは亀井静香さんが提案してきた政策と同様のものです)、それを資金とした歳出拡大、円の切下げ、アジア貿易への依存、重工業化へ向けた官民一体の経済体制、安価な綿布や雑貨を大量に輸出により、いち早く世界恐慌から脱却できできたわけです。

ただし、ブロック経済の最中で、未だ恐慌から脱却できていなかった欧米諸国とは貿易摩擦が生まれてしまったわけですが、時代は、世界恐慌と、社会主義国の安定性とそれを望む各国の社会主義化、ケインズ主義的な景気拡大などの思惑のズレが相まって、長き戦争の時代・世界大戦へと導かれるわけです。

さて、平成の高橋是清は現れるのか、そしてそれは誰になるのか?

小泉・竹中時代の自民党政策が失敗であったとすべての国民が認め、亀井静香さんに頭を下げて謝るようでなければ、この国の再起はないでしょう。