雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺の才能なし俳句「餅」

2016-12-13 | 日記
   ◇北風や ひとつ溜息 医者通い

 億劫でも、薬に生かされているのだから、仕方がない。

   ◇餅食って 子供の頃の 笑み戻る

 昔々、正月まえになると餅をついたものだ。29日は「苦もち」と言って縁起が悪いのだと避け、あまり早くつくとカビが生えてしまう。28日か30と、31日の午前中につく。町では、杵と臼など持っている家庭など少なく、そこで活躍したのが「賃つき屋」である。
 普段、力仕事をしている人々が、年末にひと稼ぎするのだ。家庭では夜の内にもち米を洗い、水に漬けておく。同時に小豆を煮て「あんこ」にし、丸めて用意しておく。「賃つき屋」が回ってくると、もち米とあんこを持って飛び出して行く。蒸篭で蒸しあげて、力自慢の男たちが交代でつき、男達のおかみさんが「杵取り」をする。つきあがると、アツアツの餅を「とり粉」を敷いた台の上に「どさり」。依頼主と「賃つき屋」の女将さんたちが寄って、丸めたり、あんこを詰めたり、手際よく正月用の丸餅と大福餅、そしてなまこ餅が出来上がる。出来上がった餅に、きな粉や大根おろしの入った皿に入れて子供たちに食べさせてくれるのを、ニコニコと涎を垂らして待つ楽しみ。いまの子供たちに分かるかな? 分からないだろうな。だって、餅なんかあまり好まないのではないのかな。ケーキとかクッキーならいざ知らず。

   ◇大晦日 おせちつまんで 手をぶたれ

 夜も更け、お節料理も完成して、元旦を待つばかりになると、「そーっ」と重箱の蓋をとって眺めに行く。親が見ていないと、ひとつ「ぱっくり」。母に見つかり、手の甲をパシッと叩かれる。

   ◇クリスマス 神主さまも クリスチャン◇

 某神社の宮司さんに聞いたのだが、神社でもクリスマス・ツリーを飾ることがあるのだそうである。でも、寺では飾らないのではないかな。うちの近所をメガホンを持ってキリスト教の宣教に来る人は、「偶像を信仰してはいけません」と叫んでいるもの。