身長165センチだった男が、三十六歳にもなっているのに短い期間に185センチと、ぐんと伸びていた。
「桑田君、君身長が伸びたねぇ、何をやってそんなに伸びたのだ」
友人の田澤に声をかけられた。田澤は、漫画誌の載っている広告に、身長が伸びるサプリだの、身長が伸びるストレッチのCDだの、酷いものになれば、体を引っ張って寝るゴムのロープなどもある。その中のどれかが功を奏したのかと思った訳だ。
「田舎の実家からの帰り道、宇宙人に出会っちゃったんだ、車ごとUFOに連れ込まれたよ」
「うわ! 生きた心地がしなかっただろ?」
「目玉の大きな、タコみたいな宇宙人の男女が近寄ってきて、俺をジロジロ観察するんだ」
「ありきたりの宇宙人の風体だなぁ、でもよく無事で戻れたねぇ。怖かったろう?」
「それが、丁重に扱われてミトコンドリアのサンプルを採取されただけで、お礼に何がいいかと聞かれた」
「わたしゃも少し背が欲しい と答えたのか」
「そんな漫才みたいな答え方はしないよ」
「どう言ったのだ?」
「具体的に『背を185センチにして欲しい』と言った、ついでに3人の息子たちも頼んでやった」
「奥さんのことは頼まなかったの?」
「女房は、身長は今のままでいいから、美人にしてやってくれと頼んだ」
「欲張ったねぇ、宇宙人怒ったろ」
「いや、快く引き受けてくれた」
翌朝、桑田が目が覚ましたら、本人と3人の男達は身長185センチになっていた」
「それは良かった。子供たち喜んだろう」
「バスケ部の高1の長男と、野球部の中二の二男は大喜びだった」
「もう一人は?」
「三男は小二なんで、背が伸びたのはよかったが、戸惑っていた」
「何を?」
「形は子供のまんまで、大きさはおっさんになったって」
「何のことかな?」
首を傾げる田澤を無視して、
「さすがお兄ちゃんだ、長男が説得していたよ」
「ほう?」
「今に良かったと思うようになるよとか言って」
「よく解らんが、それで三男は納得したんだな」
「うん、三男はそれでよかったのだが、女房が不服そうだった」
「どうしてだ、美人になったんだろ」
どうやら、桑田の頼み方が悪かったらしい。
「美人なんだろうけど、目がギロッとして、タコみたいで宇宙人の女にそっくりなんだ」
(添削して再投稿)
「桑田君、君身長が伸びたねぇ、何をやってそんなに伸びたのだ」
友人の田澤に声をかけられた。田澤は、漫画誌の載っている広告に、身長が伸びるサプリだの、身長が伸びるストレッチのCDだの、酷いものになれば、体を引っ張って寝るゴムのロープなどもある。その中のどれかが功を奏したのかと思った訳だ。
「田舎の実家からの帰り道、宇宙人に出会っちゃったんだ、車ごとUFOに連れ込まれたよ」
「うわ! 生きた心地がしなかっただろ?」
「目玉の大きな、タコみたいな宇宙人の男女が近寄ってきて、俺をジロジロ観察するんだ」
「ありきたりの宇宙人の風体だなぁ、でもよく無事で戻れたねぇ。怖かったろう?」
「それが、丁重に扱われてミトコンドリアのサンプルを採取されただけで、お礼に何がいいかと聞かれた」
「わたしゃも少し背が欲しい と答えたのか」
「そんな漫才みたいな答え方はしないよ」
「どう言ったのだ?」
「具体的に『背を185センチにして欲しい』と言った、ついでに3人の息子たちも頼んでやった」
「奥さんのことは頼まなかったの?」
「女房は、身長は今のままでいいから、美人にしてやってくれと頼んだ」
「欲張ったねぇ、宇宙人怒ったろ」
「いや、快く引き受けてくれた」
翌朝、桑田が目が覚ましたら、本人と3人の男達は身長185センチになっていた」
「それは良かった。子供たち喜んだろう」
「バスケ部の高1の長男と、野球部の中二の二男は大喜びだった」
「もう一人は?」
「三男は小二なんで、背が伸びたのはよかったが、戸惑っていた」
「何を?」
「形は子供のまんまで、大きさはおっさんになったって」
「何のことかな?」
首を傾げる田澤を無視して、
「さすがお兄ちゃんだ、長男が説得していたよ」
「ほう?」
「今に良かったと思うようになるよとか言って」
「よく解らんが、それで三男は納得したんだな」
「うん、三男はそれでよかったのだが、女房が不服そうだった」
「どうしてだ、美人になったんだろ」
どうやら、桑田の頼み方が悪かったらしい。
「美人なんだろうけど、目がギロッとして、タコみたいで宇宙人の女にそっくりなんだ」
(添削して再投稿)